ムエタイの2大殿堂であるルンピニースタジアムはONE Championshipが毎週金曜日に開催する『ONE Friday Fights』にて、オープンフィンガーグローブ着用3分3Rというスタイルのムエタイで若者を中心に人気を博している。
【写真】OFGを着用して3分3Rのアグレッシブな倒し合いが魅力のONEムエタイ(C)ONE Championship もう一方の殿堂ラジャダムナンスタジアムは『RWS』が毎週土曜日に3分3R制、オープンスコアリングを導入したムエタイで対抗しているが、伝統の3分5R、5Rトータルバランスの採点をするトラディショナルムエタイの興行も根強い人気を誇っている。
【写真】3分3R、オープンスコアリングを導入し、外国人観光客向けのイベントを作っているRWS(C)RWS しかし、ラジャダムナンスタジアムの大手プロモーターであるペッティンディープロモーションが、トラディショナルなムエタイを改革することを発表し、タイのファンを騒がしている。ムエタイの情報をSNSで提供している『Muay Thai Super Fight』が報じた。
5月1日の興行からスタート予定だった3R制の試合は取りやめ、5R制を継続することにはなったが、5Rのトータルバランスの採点ではなくラウンドマストの採点法を導入、またラウンド毎にジャッジペーパーを回収するというトラディショナルムエタイの根底を覆すようなルールの導入を決めたという。
つまり、ギャンブル前提のこれまでのムエタイは、1Rと2Rは様子の探り合い、3Rと4Rでポイントを取り合い、5Rはほぼ決着がついた状態で流すというのが大まかな試合の流れだったが、ラウンドマストが導入されることによってこの流れが変わるということだ。
ギャンブラーの賭け率がジャッジにも大きく影響することで知られるムエタイだが、その影響を無くしてより競技的にしよう、外国人が見た時の分かりやすさを重視しよう、というのが今回の狙いだと思われる。
また、KOボーナスやタイトルマッチ勝者へのボーナスの支給も発表され、よりアグレッシブな試合を促すようだ。
500年の歴史を持つと言われるムエタイ。近代ムエタイと呼ばれるトラディショナルなムエタイの時代が終わり、また新たな近代ムエタイとなっていくのか。