MMA
インタビュー

【PANCRASE】キルギスから“もう一人の挑戦者”カリベク・アルジクル ウルル「シェイドゥラエフとは『お互い絶対にベルトを獲ろう』と約束をしました」=4月27日(日)立川でバンタム級王座挑戦

2025/04/24 20:04
 2025年4月27日(日)東京・立川ステージガーデンで開催される『PANCRASE 353』(U-NEXT配信)にて、バンタム級王者の透暉鷹(ISHITSUNA MMA)に挑戦するカリベク・アルジクル ウルル(キルギス)が24日、公開練習。同じゴールデンウィークにRIZINでフェザー級タイトルマッチを戦う、ラジャブアリ・シェイドゥラエフとともに練習し、このゴールデンウィークに、キルギスに2本のベルトを持ち帰ることを誓った。 ▼キング オブ パンクラス チャンピオンシップ バンタム級 5分5R透暉鷹(ISHITSUNA MMA)第5代KING OF PANCRASIST 12勝4敗カリベク・アルジクル ウルル(Olymp Gym Bishkek/キルギス)1位 11勝1敗  2024年12月大会でマッチメイクされるも、両者の怪我により延期となっていた一戦。  フェザー級王者からバンタム級に転向し、二階級王者となった透暉鷹は、バンタム級王座初防衛戦。2024年8月の『ROAD TO UFC』バンタム級準決勝では、中国のバーエゴン・ジェライスーに逆転の判定負けを喫したが、そこから再び自身の目標と向き合い、PANCRASEでの防衛戦から再出発して世界を目指すと決意した。28歳。 (C)kalybek_mma  その王座に挑戦するのが、カリベク・アルジクル ウルルだ。現在MMA界で猛威を振るう中央アジアのキルギスから参戦し、キルギス国内、ロシアACA Young Eagles、そしてPANCRASEで戦い、11勝中、5KO・4SUB・2JUDと立って良し、寝て良しの23歳だ。9月の井村塁戦では、無呼吸連打とも言える圧巻のラッシュで、わずか75秒で同級1位の井村をTKO。2戦目でタイトルマッチを決めた。  公開練習後の囲み取材では、前回同様に正座でインタビューに臨み、王座奪取への意気込みを語った。 我々の地には戦士の遺伝子が脈づいている ──正座の足を崩しても大丈夫ですよ。少し長目のインタビューになりますから。 「いつもこうしているので大丈夫です」 ──前回の井村戦は衝撃的なノックアウトでしたが、改めてあの試合振り返っていただけますか。 「前回の試合は自分でも本当にいいパフォーマンスができてすごく満足しています。そして今回も前回よりも強くなっていると思うので、絶対にKOして勝ちたいと思います」 ──「前回より強くなっている」ということですが、何か強化してきたところがあるんでしょうか。 「今回の試合は非常に重要な試合で歴史に残るものになると思います。なので、キャンプの内容も色々と変えたものがあります。特に今回は7カ月間も準備する期間があったので、いろんなことに時間をかけてしっかりと取り組んでくることができました。今回はもう100パーセント準備ができています」 ──その「練習を変えてきた」っていうのは、やはり透暉鷹選手対策として、グラップリング、ケージレスリングを強化してきたんでしょうか。 「レスリングに関しては、もう自分は生まれ持ってのレスラーなので(※キルギスの国民的伝統レスリング「アリシュ」がバックボーン)、全然気にしていないです。家族もレスラーがすごく多くて。で、父親や兄弟も全員レスリングの選手でした。自分も2016年まではずっとレスリングしかしていなくて、MMAは2016年に転向したので。レスリングに関しては、ずっと国の代表レベルのレスリングをやってきましたので、練習に関しては透暉鷹選手がレスリングができたとしても、全く関係ないと思っています。そこにMMAとして打撃が加わってきているので、何が来てもいいように準備してきました」 ──当初、12月大会で対戦の予定が、両者ともに怪我で延期になりました。いつから怪我が明けて本格的に練習できるようになったんでしょうか。 「前回試合が決まっていたんですけれども、その10日前ぐらいに怪我をしてしまって。怪我の後は1カ月ぐらいはちょっと練習できなかったです。その後、徐々に練習の強度を上げていって、怪我から2カ月後ぐらいには、いつも通りの力で練習ができるようになりました」 ──一度決まっていて流れた試合なので、気持ちもより高まっていると思いますが、いかがでしょうか。 「はい。まずは神様に感謝したいと思っています。本当にこうして試合ができることはありがたいと思っていますし、とても嬉しいです。先ほども言った通り、今回初めて6カ月月から7カ月間かけて試合の準備をしてきました。こんなに時間をかけて準備してきたのは本当に初めてのことなので、やはり気持ちも高まります。そしてこんなに大きなプロモーションのタイトルに挑戦するのも、もちろん初めてですので、自分が良いパフォーマンスをして、この試合を見てくれてる皆さん、それからコーチ、家族にも自分の強さをしっかりと証明したいと思います」 ──改めて、今回の透暉鷹選手に関してどんな印象をお持ちでしょうか。 「彼は本当にハイレベルで、すごくいい選手だと思いますね。チャンピオンになれる理由があると思います。で、今回の試合も非常にハードなものになると思っています」 ──「ハードな試合になる」中で、一番ポイントになりそうな点を言える範囲で教えてください。 「ちょっと秘密の技を準備してきたんですけれども、それはここでは言えません。ただ、それを見せる準備は100%してきたので、ぜひ試合で見てください」 ──最近は日本のプロモーションでもキルギスの選手がものすごく力を発揮しています。その理由をウルル選手はどこにあると考えますか。 「歴史的なことが非常に影響していると思います。我々の地には戦士の遺伝子が脈づいていると思っています。日本で言えばサムライのようなものだと思います。キルギスっていうのは土地的にずっと戦いをしてきた国であって、もうチンギス・ハンの時代から戦い続けてきたので、生まれ持っての戦士だと思っています」 ──5月4日の『RIZIN男祭り』のメインイベントでフェザー級王者クレベル・コイケ選手に挑戦するラジャブアリ・シェイドゥラエフ選手と合わせて、もしかしたらこの1週間で、二つのチャンピオンベルトをキルギスに持ち帰ることになるかもしれないということについては、どう考えていますか? 「彼とは非常に良い友達なので、日本に来る前に『お互い絶対にベルトを獲ろう』と約束をしました。絶対に神様は味方でいてくれると思います。自分たちはこのベルトを持ち帰ること、この責任を負っていると思っています」 ──今回のキャンプでも一緒だったのでしょうか。 「はい、ラジャブアリとは一緒に練習しています。今回のファイトキャンプでも練習をしていました」 ──直に練習をしていて、シェイドゥラエフ選手の強さをどのように感じていますか。 「彼の強さはオールラウンダーであること。スタンドの打撃でも組みでもどの局面でも強い。もちろん柔術も。必ず2人でベルトを獲ると思います」 ──キルギスでは、国家安全保障委員会の委員長が「MMAは若者や社会全体に悪影響を及ぼしている」と主張し、キルギスにおけるMMAを制限するために厳しい措置を取るよう求め、五輪競技に移行するよう呼びかけているというニュースを見ました。ウルル選手がチャンピオンになることで、キルギスにおけるMMAのイメージを変えたいという思いもありますか。 「はい。MMAというものに対してもっといいイメージを持ってくれたらいいなと常に思っています。MMAに取り組むことで悪い要素っていうのは一切なくて。ジムにいた方がいいこともたくさんありますし、ジムの外でギャングになってしまったり、酒に溺れたりとか、そういったことに携わってしまうよりも、ジムにいてスポーツとしてのMMAをしっかりと取り組む方がよほど良いことがあるので、そういったことに理解を示してもらって、いずれ規制がなくなるといいなと思っています」
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.337
2025年3月22日発売
表紙はさいたまSAで激突の武尊vs.ロッタン。全試合分析も掲載! MMAフェザー級特集ではクレベル&鈴木千裕の練習対談、シェイドゥラエフ独占インタビュー、バンタム級参戦のサバテロ、RIZIN柏木氏の日本MMAへの提言も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント