自分を信じて努力すれば本当に結果はついてくる（堀口）
──なるほど。その意味では、昨年末の朝倉海戦以降、試合間隔が開いてしまったことへの不安も無いですか。
堀口 試合間隔で言えば、別に前回（1年4カ月）もそういう感じじゃないですか。この1年間もずっと練習はしてたわけで。みんな「試合と練習の感覚が違う」って言うんですけど、だったら練習している意味ないじゃんと思うんです。自分は練習と試合の感覚が一緒なので何の問題もないなって言う。
──「練習と試合の感覚が一緒」というは、相当集中して練習しているということでもあるかと。強度もそれなりに入っているのかと心配になります。
堀口 まあ、抜いてるつもりでも「100％だな」って言われますよね。マイクに（笑）。
ブラウン 本当に激しいんだよ。軽いトレーニングっていう話でも毎回ハードになる。ここに来て何年目だっけ？ ノンストップで6年ぶっ通し。練習でもダブルレッグでマットに叩きこまれるし、ショルダーにエルボーも……。
堀口 エルボー？ NOOOOO！
ブラウン 彼とやるけど、僕の方が大きい。それなのに彼にやられるんだ。同じサイズだったら今より100倍ヤバかったね。本当に激しいよ。
堀口 そんな事はないんですけどね（笑）。
──ともあれブラウンコーチも、1年間の試合間隔を心配していないようですね。
ブラウン もちろんどの試合にも危険はついてまわる。強い選手が必ず勝つとは限らない。そういう事はこれまでもあった。だからどの試合も少しは不安だ。だけど、キョージの方がアスリートとしても上だ。僕の一番好きなファイターでもあるし、特別なアスリートだ。それでも何があるかは分からない。朝倉海との試合でも、キョージの方がファイターとしては強かったと思う。それでも1試合目は負けた。その後しばらく遠のいたけど、さまざまなアジャストを経て、復活して問題なくやった。それも経験済みのことだ。長い期間あいたけれど、前もうまく対応した。ハイペースに試合をした頃と比べればいい状態だし、キョージはトレーニングを絶対さぼらないし、常に進化してる。
いまのキョージは何でもやりたいようにできる。本当に心底、キョージの方が強い選手だと思っている。オールラウンドのアスリートで、相手より強いストライカーだし、相手より強いグラップラーだ。もちろん試合は何が起こるか分からない。ただ、キョージはスペシャル（特別）だからね。新しい武器を常に採り入れているし、これまで見た中でも最高のキョージを見られると思うよ。
──力強い言葉です。今回の試合は堀口選手にとって何を意味する試合になりますか。
堀口 試合はいつも負けちゃいけないものだと思ってるんで、実のところ他の試合と違うとは思わないんです。1試合、1試合大事にして。たぶんインタビュー的には「ベルトを獲り返す特別な試合」とか言った方がいいんでしょうけど、今、自分は別にそのベルトがあろうが無かろうが、試合はいつも大事で、自分のパフォーマンスをしっかり見せられるように身体を作るだけですね。
──はい。それでもあの大怪我があった事を考えると、RIZINでベルトを獲り返し、Bellatorでこうしてまたチャンピオンシップをすることは、やはり凄いことだと感じます。
堀口 まあ、自分はそれもそう思わないんですよね。別に人間って結構望むようになると思ってるんで。自分が怪我したりしても、思うようにいっている。それはもちろん努力してますけど、ちゃんと自信をもって自分を信じていれば本当に結果はついてくるんだなって。それを本当にもう自分で体現してるんで、怖いものはないかなと思ってます。
ブラウン 個人的にキョージは世界中で一番低く見積もられている選手だと思う。もっと世界中に知られているべきだ。他のアメリカのMMAのランキングでもウェブやメディアにももっとリスペクトされるべきだと思う。日本ではそんな事ないんだろうけど、ここアメリカでは彼はもっとリスペクトされるべきだと思う。この地球上で一番だと思うのに、いまだにランキングにも載せられない時もある。RIZINにいた期間の影響もあるかもしれないけど、この試合は真にキョージが世界的にリスペクトされるようになる時だね。
──日本でもU-NEXTで、12月4日（土）の朝9時からライブで配信されますので注目しています。最後に日本のファンへのメッセージを。
堀口 一度巻いたベルトで、自分が怪我して返してしまったベルトなので、自分のベルトだと思っています。どの試合も大事ですが、しっかりと取り返します。応援よろしくお願いします！
