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【UFC】パントージャが真にベルトを賭けて戦いたい唯一の男は、堀口恭司──「友人がベルトを持っているから」(堀口)

2025/04/23 18:04
 UFC世界フライ級王者のアレシャンドレ・ パントージャ(ブラジル)が、同門のアメリカントップチームの堀口恭司(ATT)を「ベルトを賭けて戦いたい唯一の男」と語り、6月21日(日本時間22日)にタギル・ウランベコフ(ロシア)を相手にオクタゴン復帰戦が決まった堀口も「きっと良い試合になる」と呼応した。  UFCライト級10位のヘナート・モイカノ(ブラジル)は自身のYouTube『Overdogs Brasil』を更新、ATTのマルコス“パルンピーニャ”コーチと対談し、パントージャの知られざる一面を語った。  パルンピーニャに、「あなたはパントージャのマスターで、長い間彼と一緒にいて、彼がチャンピオンになるのを見てきた。誰よりもパントージャのことを知っている。パントージャはジムでは本当に特別な男で、みんなの面倒を見てくれるし、おしゃべりも上手だ。パントージャはアカデミーの特別な兄弟だよね」と語りかけたモイカノは、王者のATTでのふるまいについて明かした。 「彼はトレーニングパートナーを愛している。スパーリングパートナーを助けるために全力を尽くす。そうだろう? UFCの収録をしていたんだけど、彼はアドリアーノ・モラエス(元ONEフライ級王者)をUFCのメディアに出すために連れてきたんだ。突然、彼はモラエスをプッシュした。だから、パントージャはあそこにいるべき男なんだ。そして、仲間がいるとき、彼は自由になる。彼が“やらないこと”のひとつは誰かを見下すことだ。彼は冗談を言ったり、あちこちでからかったりすることはあっても、無礼なことはしない」と、パントージャが練習仲間に敬意と感謝の心で接しているとした。  その上で、パントージャと同門の同じフライ級の堀口恭司のUFCカムバックについての秘話を、モイカノは語り始めた。 「この話は話す価値があると思う。ダン・ランバート、ATTのオーナーだ。ダンはとてもいい男で、パントージャは彼が最も好きな男の一人だ。彼はいつもこう言う、『マイブラザー、パントージャ』と。堀口恭司がUFCで戦うことが発表されたよね。ダンはパントージャに『恭司がUFCに戻るけど大丈夫か?』と聞いたそうだ。パントージャは『あなたの判断はおかしくないよ、僕がベルトを賭けて戦いたい男が一人いるとしたら、それは堀口恭司、彼なんだ』と答えたそうだ。パントージャは悪意のない男なんだ。人として1000点の男だ。だから、彼らのことをもっと伝えたい。そうすることでPPVがもっと売れるようになるんだから、それはより彼という王者を作ることになる」と、UFC世界王者になるまで、そして朝倉海戦も含め、王座を防衛するまでに幾度となく共に練習した堀口が、ベルトを賭けて戦うのに相応しい相手、とパントージャが後押ししていたことを明かした。 [nextpage] 今ならどんなシチュエーションでも知っている(堀口)  一方の堀口恭司もMMA JUNKIEの動画でオクタゴン復帰と、来るべき同門対決について語っている。 「UFCに戻って来れてエキサイトしてます。いつもUFCに戻ることを考えていました」とインタビューに答えた堀口は、6月のアゼルバイジャンのバクーでの試合について、「ハッピーです。いつも同じ日本の場所で試合していたから。新しい場所で新しいファンと会うことが楽しみです」とフロリダのATTでリラックスした表情を見せた。  2016年11月のアリ・バガウティノフ戦(判定勝ち)以来、8年7カ月ぶりとなるオクタゴン復帰に向け、当時との違いを問われると、「今ならどんなシチュエーションでも知っています。たくさん改善したから、そういうテクニックをUFCで試してみたい」と意気込み。  奇しくもバガウティノフと同じハビブ・ヌルマゴメドフ軍団の一員であるタギル・ウランベコフが復帰戦の相手となったことについて、「彼は良い選手。ほんとうに注意深く戦い、全力を尽くします」と警戒しながらも、「正直に言うと僕の方が彼よりいい。それを見せたいです」と、8年半の進化の自信ものぞかせた。  フライ級にはチャンピオンのパントージャを頂点に、日本人選手では5位の平良達郎、15位の朝倉海、ランク外にATTに出稽古にも来た鶴屋怜も参戦中。さらにRIZINに出場していた4位のカイ・カラ・フランス、6位のマネル・ケイプ、13位のラマザン・ テミロフもランキングに名を連ねるなど、前回の堀口のUFC参戦時と比べ、層の厚みを増している。  堀口は、その状況を「自分たち選手にとっては最高です。パントージャはフライ級の価値を上げてくれたし、前回の朝倉海選手も良いプロモーションをして、より楽しい階級にしてくれた。だからこの階級に参戦することにワクワクしています」と目を輝かせる。  王者パントージャには、昨年8月にスティーブ・エルセグを1R TKOに下したカイ・カラフランス(ニュージーランド)が挑戦を望み、アミール・アルバジ、エルセグを相手に2連勝中の2位のブランドン・モレノ(メキシコ)も9月13日のNoche UFC『UFC 320』メキシコ大会で王座挑戦を目論んでいる。 「すぐ王座挑戦か、そこまでに試合を挟むか?」と問われた堀口は、「正直に言うとどちらでも良い。あまり気にしない。相手も誰でもいいです。僕はどこで誰と戦ってもいい。準備はできています。ただ、ベルトは獲得する必要がある。友人がベルトを持っているから……きっと良い試合になるでしょう。友人と戦うことでともに大金を稼ぐのは良いこと」と、どんな道のりでも目標は変わらないとした。  ATTではこれまでにも同門対決が行われている。  UFC世界ウェルター級王座戦でロビー・ローラーとタイロン・ウッドリーがATT同士で対戦し、近年では、PFLでもオマリ・アクメドフとジョシュ・シルヴェイラが同門対決を行っている。 「試合が決まったら? たぶん別々の部屋で特別な練習に取り組むことになる」という堀口は、「そのためにATTのジムには仕切りの壁がある?」と問われ、「そう、問題ないです」と答えている。  3度目の王座防衛に成功し、同階級の挑戦者を一掃してきたパントージャ。キャリア集大成の挑戦に向け、まずはオクタゴンの入口に再び立った堀口。互いに次戦をクリアし、盟友との試合に向かえるか。 [nextpage] UFCフライ級ランキングと今後の試合(2025年4月24日付) (C)Zuffa LLC/UFC 王者 アレシャンドリ・パントージャ(ロイバルに判定勝ち。12.7 朝倉海に2R 一本勝ち)1 ブランドン・ ロイバル(10.12 平良にスプリット判定勝ち、3.1 ケイプ戦を負傷欠場)2 ブランドン・ モレノ(11.2 アルバジに判定勝ち、3.29 エルセグに判定勝ち)3 アミル・ アルバジ(11.2 モレノに判定負け)4 カイ・カラ・フランス(8.17 エルセグに1R TKO勝ち)5 平良達郎(10.12 ロイバルにスプリット判定負け)6 マネル・ケイプ(7.27 モカエフに判定負け後、12.14 シウバに3R TKO勝ち、3.1 アルマバイエフに3R TKO勝ち)7 アレックス・ ペレス(6.15 平良に2R TKO負け)8 アスー・ アルマバイエフ(10.19 マテウス・ニコラウに判定勝ち、3.1 ケイプにTKO負け)9 スティーブ・エルセグ(8.17 カラフランスに1R TKO負け、3.29 モレノに判定負け)10 タギル・ウランベコフ(2023.12.9 ダーデンにRNCで一本勝ち、1.18 クレイトン・カーパンターに判定勝ち、6.21 堀口恭司と対戦)11 ティム・エリオット(2023.12.9 スムダルジに肩固めで一本勝ち)12 ブルーノ・シウバ(7.20 ダーデンに2R TKO勝ち、12.14 ケイプに3R TKO負け、3.8→6.7 ヴァンと対戦)13 ラマザン・テミロフ(3.1 ジョンソンに判定勝ち)14 ジョシュア・ヴァン(12.7 ダーデンに判定勝ち、3.8 鶴屋怜に判定勝ち、6. 7 シウバと対戦)15 朝倉海(12.7 パントージャに2R RNC一本負け)↓ チャールズ・ジョンソン(10.19 スムダルジに判定勝ち、3.1 テミロフに判定負け)※ランク外に
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