なぜRENAはパウンドから立ち上がることが出来たのか?
下で削られジリ貧状態だったRENAの、フィニッシュに繋がるスタンドへの動きがここで起きた。
ここまで両ヒザをマットに着けていた山本だが、RENAの出血を確認してか、メインの重責からか、漬けて細かいパウンドから、中腰で立ち上がり、振りかぶっての強い鉄槌・パウンドへ。
タイトだった山本の圧力が解け、スペースが空いた瞬間に山本との間に足を入れることが出来たRENAは、左足で胸を蹴り、右足で蹴り上げて山本を後方に飛ばすと、離れた瞬間に立ち上がり、スタンドに戻している。
その立ち方は、右手をマットに着き、左手でガードしながら、右足を後方に引く「柔術立ち」だった。
グラップリングを学んだ初期に教わった立ち方。ストライカーでありながら、いちから組み技・寝技を学んだRENAは、その基本の動きが身体に染み付き、最も得意とする立ち技に繋げることが出来た。
その立ち際に右ストレートで飛び込む山本だが、左手を前に顔は相手から遠ざけて立つためヒットせず。RENAはついに立ち上がることに成功する。
RENAはその瞬間を「圧力をすごく感じてやっぱり強いなと。蹴り上げは練習はしなかったですけど、立つ時には蹴り上げなのか、胸を蹴るのか、そう(下に)なった場合には作戦としてあったので、それが出来てよかったです」と、自身のフィールドに戻した動きを語る。
RENAにダメージを負わせながら、立ち上がりを許した山本は、「ちゃんとリストコントロールも出来てなく起き上がってしまって……それまでしっかりコントロール出来ていたのに、一つひとつが雑になってしまったかなと思いました」と、チャンスに相手をコントロールしないまま勝負に出たことを悔やんだ。