カットした瞬間は「全く覚えていない。14年プロやっていて初めて」(RENA)
試合は2Rに、大きく動いた。
RENAの腕十字を防いだ山本は「今まで以上に落ち着けました。序盤は距離が遠すぎて近くになれなくて、“タックルもいつ入ろうかな”というほど固く、焦っていたと思うけど、ちゃんと仕切り直せたことで落ち着きがありました。想定していた動きの中で、組み立ていくことができるようになって。
2Rは1Rよりリズムは取れていてパンチが当たって、タックルも決まっていたのは楽しかったというか。前に出れば良いという攻めの姿勢はどんどん出てきましたね」と、2Rの入りを語る。
前足への左ローから入るRENAに、左ボディストレートを突き、左オーバーハンドと上下に圧力をかける山本。テイクダウンを警戒するRENAはいつもより半身気味に後ろ足を引いて詰め。その分、利き腕の右のパンチ、蹴りは遠くなる。
左ジャブで前に出るRENA。前がかりになると、ここもカウンターで懐に飛び込み、右手は左ヒザ裏、左手は腰を抱いて右で持ち上げテイクダウン! 両足の中に山本を入れるフルガードのRENAのアゴ下に頭をつけて、背中をマットに着けさせてボディにこつこつと拳を入れる山本。
RENAは1R終盤同様に、対角から山本の左腕を引っ張り内側に流そうとするが、今度はさせない山本。正対してRENAの中央にステイすると、RENAの右手首をオーバーフック、あるいは掴んで殺してから、振りかぶって左ヒジを狙う。
クローズドガードのRENA。足が上がって来ていないため、インサイドの山本は中腰になりRENAの頭を左手で引き寄せて右の強めのパウンドを打ち下ろす。さらに左ヒジ、右の鉄槌! 下からヒジを返すRENAだが、山本のヒジの後、右目尻から出血が見えている。
RENAの右手を左でアンダーフックして手首を掴みながら、離し際に左ヒジを押し込む山本。さらに右腕を掴まれたまま、右の鉄槌を受けたRENAは傷口が開いたか、右瞼から流血する。
カットした瞬間を「全く覚えていないです」というのはRENAだ。「(試合後コーナーの浜崎)朱加さんが心配していたので『何ですか?』と聞くと腫れているのは分かってたんですけど、『血が……』『切れてる』と。まったく──14年くらいプロやっていますけど、(切られて腫れたのは)初めてでした」
それでもRENAは、山本の右腕を掴んで後方に押し込むと三角絞め狙いからラバーガードに移行。中腰になりヒザを突く山本は右肩を押し込んで防御し、ガードの中からのパウンドに、RENAは右目尻から出血が多くなり、右目周辺を腫らす。
下からの関節技を凌がれ、カットもしたRENAは、細かいパウンドを受けながらも、ここで足を解き、エビを打って、両ヒザを山本の脇下まで上げている。