何年後かに語り継がれるような大会に
――VTJがその気付きの場になっていかなくちゃいけないと。そのために、さまざまな「対世界」を用意する。
「いつどうなるかというのはまだ分からないですが、外国人選手では、北米なら多くの人がワクチンを打っていますし、ワクチンの2回接種が行われている国が中心になってくると思います。それにアジアの台頭が著しい。そこにもきちんと向き合いたいです。もちろんオリンピックのように大量に呼ぶことは難しいですが、まずはそこにトライする。その努力を我々もしなければならない。これはもう使命感みたいなものです」
――それをやるのは修斗でありたいという思いも。
「そうですね。修斗は常にそうでしたから。それがいい例になれば誰かが真似をするだろうし、悪い例なら誰も真似をしないし、教訓にするでしょう。いいモデルケースになればいいと思います」
――なるほど。コロナはまだ終わっていませんが、以前仰ったように沈まなかったですね。
「何とか沈まないでいます(笑)。腰かけでやっているわけじゃないですからね。何か失敗しても、やることはやったということと、途中で投げ出しちゃうのとではやっぱり違う。『たゆたえども沈まず』ですね。どんなに強い風が吹いても揺れるだけで沈みはしない。いろいろあるけれども、結局沈没してねえよ、と。どっこい、修斗は生きています」
――そして「VTJ」Tシャツにも長蛇の列が出来ると……。
「ハハハ(笑)。でもそれもずっとは売れないですよね。あのブームが続くとも思っていなかったです。目新しいことなんてそんなにないから、やっぱりきちんとこの競技が何なのかを根本から考えてやれないと続かない。そこにドローンを飛ばしてみたって変わらないです」
――おっと(笑)。では格闘技を見せるって一体どういうことだと考えていますか。
「選手で言えば、格闘技って、そいつ自身が剥き出しになる。そのときに、何を背負ってその時を迎え、どう自分を見せるか。僕はいつも選手に言うんですけど、とにかく後悔がないように──“ああしておけば良かった”とか“たられば”って試合前に済ませておくもので、試合後にその悔いは健全じゃないと言います」
――興行もそうですか?
「興行ももちろんベストを尽くすこと。同時に、継続していくこと。主催のサステインは、サスティナブルから来ていますが、持続していくためには、大怪我をしないように、きちんと土台を作ることが大事だと考えています。“怪我をしない“丈夫な土台を作るために、投資も冒険もします。選手がいい練習を続けて、コンスタントに試合をするためには大怪我をしないことが大事ですよね。でも今回はVTJですからドカンとやってやります。ただ修斗は各地域の人たちと協力しあって、アマチュアも含め、日々、大会を開催することで、常に土台を作っている。今回、VTJと修斗の2部大会で、そこからどんな戦いが生まれて更に繋がっていくのか。何年後かに語り継がれるような大会にしたいですね。期待してください!」