序盤からパンチで勝負をかけた山田(右)がペースを握り続けて北野にリベンジを果たした 撮影/安村発
RISE150
2021年6月18日(金)東京・後楽園ホール
▼メインイベント RISEスーパーライト級(-65kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R
○山田洸誓(王者/正道会館KCIEL)
判定3-0 ※48-47、48-46、49-47
×北野克樹(挑戦者/誠至会/同級1位、WBCムエタイ日本統一スーパーライト級王者)
※山田が2度目の防衛に成功。
今年1月に実方拓海を相手に初防衛戦に成功した山田が、自身に唯一の黒星(12勝1敗)を付けた因縁の相手である北野を相手に早くも2度目の防衛戦を行う。
山田は正道会館仕込みの強烈な打撃でKOを量産し、2019年9月に強打者・山口侑馬を2RKOで下してRISEスーパーライト級王座を獲得。デビュー以来11連勝(7KO)と快進撃を続けていたが、2020年11月の北野克樹戦では多彩な足技を攻略できず、判定負けで初黒星。再起戦となった今年1月の実方拓海戦では判定勝利で初防衛を果たし、試合後のマイクで北野との再戦をアピールしていた。
挑戦者の北野は関西の名門・誠至会のエースで、回転系の蹴り技を得意とし“竜巻旋風脚”の異名を持つ24歳。2020年9月にNJKFのリングで大ベテラン・健太相手に判定勝利を奪うと、11月にRISEに初参戦。当時11戦無敗と勢いに乗る山田を相手に、延長判定勝利を収め山田にプロ初黒星を付けた。
1Rが始まると同時に山田が連打で仕掛ける。フックとアッパー、接近するとヒザ。距離を詰めてパンチを繰り出す山田に北野はハイキックを放つが山田はブロック。連打する山田に北野は首相撲からのヒザ蹴りを連打(ワンキャッチワンアタックのみOK)してしまい、イエローカード。
再開後もパンチで顔面とボディを攻める山田に北野はヒザ蹴りで応戦。山田もヒザを蹴る。北野の飛びヒザにフラついた山田だが、すぐに前へ出て左フック、左アッパー、前蹴りで攻める。強烈な左右フックを浴びる北野。かなり山田のパンチを被弾した。
2Rも一気に前へ出て連打する山田。北野はヒザで対抗するが、山田はローから右フックを決める。北野はまたもつかんでのヒザを連打してしまい減点1。右ローから左フック、右アッパーと強いパンチを打つ山田に北野は組み付いてのヒザを多用。山田の右フック3連打。北野はバックハンドブローを放つが、苦しい展開が続く。
3Rも山田はパンチで攻める。北野は顔面ヒザでの一発を狙うが、山田はブロック。そしてクリンチとなってブレイクとなる展開が続く。パンチをヒットさせていく山田に比べ、北野のヒザ蹴りは有効的とは言い難く、山田のリードが続く。
4Rも同じ展開になり、北野が組み付いてのヒザ蹴り連打でまたも減点。ここでようやく両者が離れた状態を保ち、北野の右ローに山田がボディからの右ストレート。北野はカーフも狙うが、山田は下がりながらボディへのジャブを放つ。このラウンドは北野が組まなくなってからの山田の後退が目立った。
5R、山田は左三日月蹴りからボディと顔面、顔面からボディと攻める。北野は蹴りを繰り出すが、山田を脅かすには至らない。そのままタイムアップとなり、山田が判定3-0でリベンジとV2を達成した。
山田はマイクを持つと「最初に、対戦してくれた北野選手ありがとうございました。久しぶりに空手時代に悔しかったことを思い出しながら、いいモチベーションのままリングに上がれたと思います。自分は現役選手と指導者の二足の草鞋を履くと決めました。大変ですが、この大変さは大きな舞台で戦っていけるに人しか味わえないと思うので幸せだと思っています。全国の正道会館の支部の人たちの少しでも励みになればいいなと思ってこの舞台に立っています。僕らは四国の選手なので、応援してくれる愛媛の人とかチケットを勝ってくれた人も感謝しています。これからも自分は上を目指して頑張っていきます」と、自分に試練を与えながら上を目指していきたいと語った。