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【PANCRASE】パウンド解禁前夜のパンクラス、ジョシュ・バーネット解説で配信

2021/06/01 11:06
【PANCRASE】パウンド解禁前夜のパンクラス、ジョシュ・バーネット解説で配信

(C)シネマハイブリッドジャパン

 2007年に米国放送会社Imagine Asia TVで放送されたTV番組『Pancrase: Legend of MMA』(英語版)が5月31日、YouTube「ハイブリッドトークチャンネル」にて公開された。

 北米で作成された同番組には、ジョシュ・バーネットがコメンテーターとして参加。約10分間の番組を75話配信する。番組は英語で作成されており、YouTubeの自動翻訳機能で日本語字幕の表示が可能だ。

 現在、公開中の第1話では、1993年5月16日のパンクラス設立会見の動画が公開されており、船木誠勝、鈴木みのる、冨宅祐輔(飛駈)、高橋義生、柳澤龍志、稲垣克臣、國奥将竜(麒樹真)、ケン・ウェイン・シャムロック、尾崎允実社長(※以下当時)、廣戸聡一トレーナー兼レフェリー、上笹功リングドクターらが登壇、コメントする姿が見られる。

 24歳の船木誠勝は、「今、この場所にいることに悔いはありません。いろいろな人との別れもありました。その反面、理想を共鳴出来る仲間を得ることが出来ました。とても大切な仲間です。その仲間たちと一緒に貫いてきたファイトスタイルで、信念を守るために団体を起こすことにしました。自分たちは絶対に諦めません。やり続けていけることが一番大切なことだと思います」と設立の想いを語る。

 また、同じく24歳だった鈴木みのるは、「誰に対してでも、絶対に曲げなかった自分たちの夢と情熱が、やっと形になって出来ることになりました。これは僕だけの力では絶対に出来なかったことですし、ここにいる全員の選手の気持ちと皆さんの応援があったから、こんな僕たちを見捨てなかった皆さんがいてくれたおかげでここまで来ることが出来ました。ありがとうございました」と、緊張の面持ちで挨拶する姿が映し出されている。

 この会見から4カ月後の1993年9月21日、東京ベイNKホールで旗揚げ戦が開催され、「秒殺」決着が続出。チョークが解禁された試合は、まだ素手による掌底攻撃、足にはレガースを着用していた。

 当時、修斗はオープンフィンガーグローブ着用による顔面パンチの使用を認めていたが、パンクラス、修斗の両団体ともグラウンド時の顔面パンチ・パウンドを認めていなかった。

 その日本格闘技界を直撃したのが、パンクラスの旗上げ戦から1カ月3週間後に開催されたUFCだ。

 1993年11月12日、「Ultimate Fighting Championship」の第一回大会「UFC 1」が米国コロラド州デンバーのマクニコルス・スポーツ・アリーナで開催される。

 オープンフィンガーグローブを着用し、反則は目潰しと噛みつきのみ。倒れている相手の顔面を殴ること、サッカーキック、グラウンドでのヒザ蹴り、金的蹴りまで許された戦いは、日本格闘技界に大きな転換を迫ることになる。

 その「UFC 1」にパンクラスからケン・シャムロックが参戦。1回戦でパトリック・スミスをインサイドガードから外ヒールフックを極めてタップを奪うも、準決勝ではホイス・グレイシーに57秒、道衣を使ったチョークで敗れている。

 決勝は連戦で満身創痍のジェラルド・ゴルドーを、護身で怪我することなく勝ち上がってきたホイスがバックからのチョークでタップを奪い優勝。ヴァーリトゥードを想定した柔術によるポジショニングの概念が世界に拡散された瞬間だった。

 その後、1994年に佐山聡がヒクソン・グレイシーを招聘して「ヴァーリ・トゥード・ジャパン」を開催。1995年に修斗が公式戦でパウンドを解禁。パンクラスは、1998年から「パンクラチオン・マッチ」という形で船木がオープンフィンガーグローブを直用してパウンドを導入している。

 いまでは当たり前のように、オープンフィンガーグローブを直用し、パウンドを打つ試合が行われているが、1993年以降の日本総合格闘技の姿を、ジョシュ・バーネットの解説つきで知ることは、現在のMMAを見る上でも、ひとつの視点を与えてくれるだろう。今後の配信にも注目だ。

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