2025年6月22日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館で開催されるKNOCK OUTのビッグマッチ『THE KNOCK OUT 2025』(U-NEXT配信)の対戦カード第一弾発表会見が、4月22日(火)都内にて行われた。
KNOCK OUT-RED(オープンフィンガーグローブ着用)ライト級タイトルマッチ3分3R延長1Rで、王者・重森陽太(クロスポイント吉祥寺)vs.挑戦者ゴンナパー・ウィラサクレック(ウィラサクレック・フェアテックスジム)が決定。
重森は16歳でプロデビューし、10戦目で無敗のまま新日本キックボクシング協会の日本バンタム級王者となり、14戦目で初黒星を喫するまで無敗を保った。20歳で日本フェザー級王者となり二階級制覇を達成。2019年7月にWKBA世界ライト級王座を獲得して三階級制覇。2021年7月にはスアレックから勝利を収め、KNOCK OUT-REDライト級王者にも輝いた。2023年2月、悲願であったラジャダムナンスタジアム王座に挑戦したが、判定負けで奪取ならず。
2023年8月からはKNOCK OUTを主戦場にし、2024年6月にレンタを破り国内最強を証明。9月には『ONE Friday Fights』に初出場、シン・ドンヒョンにKO勝ちした。さらに10月はマルコス・リオスに延長戦で判定勝ち、11月にカンボジアでのクンクメールとの対抗戦でも勝利した。12月にはUNLIMTEDルールに初挑戦したが倉本一真にTKO負け。2025年4月のクンクメールで判定負けと連敗中。戦績は42勝(18KO)10敗6分。
K-1グループからの参戦となるゴンナパーは、タイで100戦以上のキャリアを積み、2010年から日本を主戦場に。日本人キラーとして名を馳せ、2016年9月からK-1グループに参戦。2018年4月に佐々木大蔵を下して第5代Krushライト級王座に就き、3度の防衛に成功した。2020年12月のK-1で林健太を破り、第4代K-1 WORLD GPライト級王座に君臨したが、2021年7月の初防衛戦で朝久泰央に判定2-1で敗れ王座を失った。
2022年6月の『THE MATCH 2022』では白鳥大珠を1R2分42秒、右フックでマットに沈めた。2024年4月、1年8カ月ぶりにKrushで復帰戦を行い塚本拓真に判定勝ち。7月のK-1では与座優貴に1R2分30秒でKO負けを喫した。9月のKrushで体重超過はあったが上野空大を3RでTKO。2025年2月にKNOCK OUT初参戦を果たすと古村匡平に判定勝ち。戦績は117勝(26KO)31敗3分。
山口元気KNOCK OUT代表は「KNOCK OUTは採点基準が変わって倒しに行く姿勢をとる。蹴ってポイントで勝ったという試合をしていたらまず勝てない。お互い倒す姿勢を明確に見せてインパクトを見せないと勝てない。重森には厳しい戦いになるが、これをクリアすれば新たな段階に入れると思う。ゴンナパーもOFGに順応していたので、重森にとってキャリア最大の試合になる」と、重森に檄を飛ばした。
タイ在住のゴンナパーからは「今回、重森選手のタイトルに挑戦させてもらえることになって光栄です。必ず勝利してタイへベルトを持ち帰りたい」とのメッセージが寄せられた。
会見に出席した重森は「ゴンナパーという皆さんが知っている知名度が高い強い選手との一戦が防衛戦で決まったことを誇りに思っています。KNOCK OUTのライト級は強い選手が集まってきている印象があるので、ベルトを守ることによってベルトのレベルの高さや価値を証明できると思うので、そういう意味を込めてベルト守るだけでなく団体の価値を意識してベルトを守っていきたい」と挨拶。
2月のゴンナパー初めてのOFGマッチの感想を聞かれると「ゴンナパー選手がやりやすそうだなと感じました。本人も言っていましたがヒジありの方が得意だというのは見えた。かなりゴンナパー選手のポテンシャルが引き出される試合になると思うので、そこで倒すことに価値があると思っています」と、本来のムエタイの技術をフルに使えるゴンナパーを倒すことに意義があるとする。
採点基準の変更については「世界的にも5Rの試合が少なくなってきて、3Rのアグレッシブな試合を求められるのは世界的に格闘技の風潮が変わっているので、そこに順応しないといけないと最近の試合で感じました。もう一度がない試合、自分が成長するしかない試合、後に引けない背水の陣なので、ここで適応できなければ自分は落ちていくだけとの覚悟で行きます」との覚悟で臨む。
どんな試合にしたいかとの問いには「自分の考えとしては防衛戦も大事だと思っているけれど、代々木で出させていただきますし、相手はゴンナパーで注目度も高い。団体の価値、ベルトの価値、ライト級は凄い階級だと思っているので価値を作っていきたいと思っています」と、KNOCK OUT-REDライト級の価値が上がる試合にしたいとする。
気になる坊主頭の理由については「本当は反省というよりは覚悟の意味を持って坊主にしました。今までのままではダメ。自分の理想とやっている試合が違う。私が負けた時は100%相手を称賛したいんですが、私の負けはただ自分が弱かっただけです。変わらないといけない。新たな一歩を踏み出す覚悟として坊主にしました。坊主は現役中に一回しています。ラジャに行った時にこのままではいけないって坊主にして帰って来ました。その時は変われました、絶対に今回も変われると思います」と、変わる覚悟の表れだという。
3R対応のスタイルにするためどんな練習を考えているかと聞かれると、「良くも悪くも最近は試合間隔が短めだったんですが、今回は開いているのでしっかり時間がある。3Rの中でどう倒すか、どうKOを狙っていく戦いにするか、わりと大きなスタイルチェンジが出来ると思っています。相手も相手なので当日にギャップと言うか、それを1Rに持ってきて自分のペースを作りたい。具体的な練習方法は相談してプランは用意してあります」と、大幅なスタイルチェンジをすると明かす。
「楽なのはパンチですね。倒すという面では。なのでパンチが磨かれれると相手と近付くと思うので、私は蹴りが得意なので蹴りの強化もしたいと思っています。だから両方かも」と、パンチと蹴りの両方を強化していきたいとする。
もし敗れた場合、KNOCK OUTのベルトが他団体に流出することになる。その恐れを感じているかとの質問には「これはお互い様。ゴンナパー選手もK-1とKrushでベルトを獲った選手ですし、実績だって評価が高い選手なので、そこは格闘技らしくていいと思っています」と、敗れた方が失うものが大きい戦いがいいと笑う。
「もう一度がない試合」との言葉の意味については「ベルトって第何代って付くんですよね。私はスアレックから獲って第2代になりました。KNOCK OUTがこの先続いていく中で第2代は私です。でも負けることによって第2代としての私の試合はなくなる。なのでもう一度がなくなる試合になります。第2代王者・重森陽太を守っていきたい、KNOCK OUTの歴史に名を刻んでいきたいと思っています」と説明した。
もし敗れた場合、リベンジの機会はないとの覚悟かと問われると「私はこの試合をクリア出来なければ、この先がないと思っているのでここしか考えてないです」ときっぱり。
最後に「私は元々、新日本キックボクシング協会に所属していて“打倒ムエタイ”が染み付いているので、私のムエタイ技術でこのルールに適応してヒジあり・ヒザありの魅力を伝えていきたい」と語った。