UFCのinstagramより(C)Zuffa LLC
2021年5月15日(日本時間16日)、米国テキサス州ヒューストンのトヨタセンターにて『UFC262』が行われた。
4月24日のフロリダ大会に続き有観客での開催となったメインイベントでは、無敗のハビブ・ヌルマゴメドフの引退により空位になったライト王座を懸けて、8連勝中のシャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)と、元Bellator世界ライト級王者のマイケル・チャンドラー(米国)が対戦した。
▼UFC世界ライト級王座決定戦 5分5R
○シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)
[2R 0分19秒 TKO] ※左フック→パウンド
×マイケル・チャンドラー(米国)
3位のオリヴェイラと4位のチャンドラーによるライト級王座決定戦。
1位のデスティン・ポイエーはコナー・マクレガーとのラバーマッチを選択し、2位のゲイジーは2020年10月に前王者ヌルマゴメドフに敗れているため、両者の対戦となった。
8連勝中のオリヴェイラに対し、Bellatorでベルトを巻いたチャンドラーは、2021年1月のUFCデビュー戦でダン・フッカーに1R KO勝利している。
HERE. WE. GO. 🏆
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1R、いきなり中央を取ったチャンドラー。しかし圧力をかけ直すオリヴェイラは右カーフキック! バランスを崩したチャンドラーだが、左右を振って中に入る。オリヴェイラのダブルレッグテイクダウンに、チャンドラーはアームンギロチンチョーク!
頭を抜いたオリヴェイラは、首に手を巻いて4の字ロックからリアネイキドチョーク狙いへ。それを後方にスラムするチャンドラー! 頭が当たったか右目をカットしているオリヴェイラ。
バックから4の字ロックも、正対するチャンドラー! 下のオリヴェイラにキックはチャンドラー。立ち上がるオリヴェイラに左フック! ケージに座り込みながらガードするオリヴェイラに、右ヒジはチャンドラー!
「USA」コールにチャンドラーはパウンドも息が荒いか。オリヴェイラの強いガードがチャンドラーを躊躇させる。潜るオリヴェイラに鉄槌で剥がすチャンドラー。インサイドからなおも飛び込みブザー。
2R、詰めて打ち合いに持ち込むチャンドラーの左に、左フックを当てるオリヴェイラ! ダウンするチャンドラーに右ヒザ! 崩れながらもケージづたいに回ろうとするチャンドラーをさらに追うオリヴェイラは左フック! ダウンしたチャンドラーにオリヴェイラがパウンドを連打し、2R 0分19秒、TK0勝利!
OH MY GOODNESS!!!!!!!!
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オリヴェイラは、ケージを乗り越え、解説席のジョー・ローガン、ケージサイドにいるダナ・ホワイトの下へ走り、さらにケージサイトを回る。
THE ELEVENTH UNDISPUTED LIGHTWEIGHT CHAMP 🏆 @CharlesDoBronxs 🇧🇷 #UFC262 pic.twitter.com/a1CIOVMzDf
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勝利コールにダナ・ホワイトからベルトを腰に巻かれたオリヴェイラはベルトを撫でて歓喜。
9連勝、UFC11年目にして王座戴冠を果たしたオリヴェイラは、試合後、「ダナ、今日しっかりと勝って見せた。Bellatorから最強の男を連れてきたと思うけど、言った通り、KOを予告し、ちゃんとノックアウトしただろう? 自分こそライオンの中のライオン、最強だ.マイケル、君も最強のチャンピオンだったけど、今日は俺の日だった」と語った。
さらに、2Rに盛り返した打撃について「シュートボックスのトレーニングをしてきた。(ダビデの石を引用し)石は、投げた強さをもって打ち返されるんだ」と振り返ると、「マイケルが『僕のプレッシャーはたいしたことがない』と言っていたけど、彼が打って、打って、打って、打って、でも、僕は今こうしてここにいる。ああ、これがベルトだ! ヒューストン、ブラジル、ありがとうみんなのおかげだよ」と、勝利を噛み締めた。
UFCライト級新チャンピオン🏆✨
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一方、UFC2戦目の王座戴冠ならなかったチャンドラーは「地球上で最強の1人と闘った。彼は本物だ。また作り直して、1年以内にベルトを巻く。彼はここ10年以上でプロであることを証明した。僕も必ず帰ってくる」と潔く語った。
◆オリヴェイラ「あきらめるなんて一度も考えたことがない。ずっと信じていた。チャンピオンになるためにUFCに来たし、いずれ自分の時代が来ると。それが今だ」
「今は頭の中がめちゃくちゃで、いろんな感情が渦巻いている。ここまで本当にたくさんのことがあって、やっとここに来られた……。飢えに直面したことは一度もなく、父は俺たちに必ず食事をさせてくれていたけど、それでもやりたいことはたくさんあったし、できないこともたくさんあった。母と父はいつも自分のこと、兄弟のことを信じてくれていた。『頑張れ』と言ってくれた。いろんなことを経験して今があるし、振り返ってみれば、自分たちが乗り越えてきたすべてのことを思い出す。
モンスターみたいな人たちと一緒にここまでやってきた。9連勝して、毎回、ノックアウトかサブミッションで決めていて、やっとここまできたね。神様の思し召しに感謝するしかない。本当にありがたく思っている。モチベーションはいろいろある。別の車もほしいし、チャンピオンにもなりたいし、記録も更新したい。UFCに来た時、たくさんの人が俺をヤバイやつだと言ってくれたし、世界一になりたくて、新記録の樹立もしたかった。今は一番のフィニッシャーになれたし、ファイトボーナス獲得では2位だ。ライト級王者になって、今日は歴史に名を刻んだ。このベルトを巻いたブラジル人としてはたぶん自分が2人目だと思うけど、ここから歴史を作っていく。
家を出る前に、娘から頼まれたんだ。『ベルトを持って帰ってきてね』って。娘と約束したし、たくさんの人たちと約束したから、それを守る。自分を信じてくれたみんなに感謝したい。これから家に戻って、トレーニングを続けていく。大変だった。楽になるはずなんてない。トニー・ファーガソンとの試合についてたくさん話してきた。トップ5と対戦するチャンスがほしいと言ったら、5日前のオファーがあった。
俺が彼に何をしたかはみんなが知っている通りだし、彼はモンスターで、世界中の尊敬を集めるにふさわしい人。今週、話す機会があって、彼のことを心から尊敬していると思った。そして今回はマイケル・チャンドラーというまたもう1人のタフな相手だったから、大変だったし、簡単なんてもんじゃない。ギロチンを仕掛けられたし、うまくアジャストされてしまったけど、“気を失いそうだけど、タップはしない”と言ったんだ。そうしたら放してくれた。
相手の背中を取って、少しホールドしたかったけど、相手にペースがあったし、かなりプッシュしてきた。それでも、こっちはまだ立っていられた。ラウンド間に腰を下ろしたとき、コーチから、『息をしろ、続けていけ、落ち着いて行くんだ』と言われた。戻ったときには自分の腕がヘビーだったし、相手に当たれば、彼もきっとそれを感じるはずだと思った。勝利は俺たちのものだと思っていたし、あきらめるつもりなんてまったくなかった。神様は自分に対応できること以上のものは与えない。難しいことだとは思っていた。父からは“神様はおまえをライオンの巣窟に放り込むだろうけど、信じろ。必ずやり遂げるんだ”と言われていた。それをやり遂げたんだ。
自分がすべきことは感謝の気持ちを伝えること。神にも、家族にも、チーム、ブラジル、それから世界中に感謝しないとね。この1週間、みんなが俺の健闘を祈り、祝福し、会いたがってくれた。俺を信じてくれたすべてのみんなへ、ついにやったぜ。自分が主役になる日はきっとくると信じていた。これまでの自分の時代だと思ったことはあるけど、でもまだタイミングが違って、あれは神の時代だった。それを学んだときに、神様が示してくれたんだ。あきらめるなんて一度も考えたことがない。ずっと信じていた。チャンピオンになるためにUFCに来たし、いずれ自分の時代が来ると。それが今だ」