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2021年5月7日(日本時間8日)、米国コネチカット州モヒガン・サン・アリーナにて『Bellator 258』が開催された。
前日計量では、メインのBellator世界バンタム級選手権試合で、セルジオ・ペティス(米国)の挑戦を受ける王者フアン・アーチュレッタ(米国)は、135ポンド(61.23kg)のリミットジャストで計量。隆起した上半身を披露した。
「シンコデマヨ(5月5日のプエブラの会戦の記念日)に近い日で戦うことは、親族に敬意を払うこと」というアーチュレッタは、チャンピオンベルトとともに、メキシコとスペインの国旗を掲げ、「嵐がやってくる。相手はこの荒波を乗り越える道具を持っていない。これまでに見せたことがない最高のパフォーマンスになるだろう」と、初防衛に自信を見せた。
対する挑戦者のペティスは134.75ポンド(61.12kg)の250gアンダーでパス。「俺の時が来た。ここまでやってきたことをすべて出していい戦いを見せるよ」と、リラックスした表情で語った。
2020年9月にパトリック・ミックスに判定勝ちで王座を獲得したアーチュレッタは、大晦日のRIZIN後、3月の東京ドーム大会でのRIZIN同級王者・堀口恭司とのダブルタイトルマッチを希望していたが、東京ドーム大会の延期も発表され、5月にホームで強敵を迎え撃つ。アーチュレッタは、ペティスとの試合の先にある前王者・堀口との戦いについて「諦めていない」という。
アーチュレッタと対するペティスは、元UFC世界ライト級王者で現PFLのアンソニー・ペティスの実弟。スイッチヒッターで、兄アンソニーを彷彿とさせる軽やかな打撃とガードワークを併せ持つ。UFC在籍時は、フライ級ランキング最高1位に上り詰めたが、2018年12月にバンタム級に復帰し、ロブ・フォントに判定負け。2020年1月にBellatorデビューし、アルフレッド・カシャキャンをギロチンチョークで極め、7月にリッキー・バンデハスに判定勝ちと、現在2連勝中だ。
オッズでは、アーチュレッタが-185のフェイバリット、ペティスが+155のアンダードッグとなっている。
【メインカード】
▼Bellator世界バンタム級選手権試合 5分5R
×フアン・アーチュレッタ(米国)王者 135lb/61.23kg
[判定0-3] ※45-50, 46-49×2
○セルジオ・ペティス(米国)挑戦者 134.75lb/61.12kg
※ペティスが新王者に。
1R、オーソドックス構えのセルジオ・ペティスに、サウスポー構えも見せるアーチュレッタ。オーソドックスに戻すと飛び込んでの左右から離れる。詰めるセルジオの鋭い右ストレート、右ハイをかわすアーチュレッタはレベルチェンジからシングルレッグへ。ハイクラッチから両足に挟もうとするが、足を外側に出して防御のセルジオは、ダブルレッグに移行するアーチュレッタを突き放す。
出入りの打撃のアーチュレッタは左ハイも。ブロックするセルジオは右ストレート! さらに右ハイから右ストレート! 前手の右フックから左ストレートを見せるアーチュレッタはサウスポー構えからスイッチ。さらに右ミドル! その打ち終わりに組み付いてバックから引き込んでアーチュレッタが、後転際にセルジオにマウントを獲られたところでゴング。
.@JArchMMA gets the takedown early in round 2️⃣.#Bellator258 is LIVE NOW on @SHOSports.#MMA #BellatorOnShowtime pic.twitter.com/nEWsZunf0M
— BellatorMMA (@BellatorMMA) May 8, 2021
2R、オーソドックスから入るアーチュレッタ。左を振りながら左手でヒザを触るテイクダウンの動きを織り交ぜる。詰めるのはセルジオ。そこにダブルレッグテイクダウンはアーチュレッタ。セルジオは金網まで這い、立ち上がりアーチュレッタを突き放す。
左フック、右ストレートはアーチュレッタ。ジャブを当てるセルジオ。アーチュレッタは飛び込んで右から左ボディを返す。セルジオのジャブにアゴが上がるアーチュレッタ。右の入りにカウンターの右を狙っているセルジオは、右ストレートを当てる。さらに右ハイ! アーチュレッタは左額から出血する。終了間際にアーチュレッタがダブルレッグに入りゴング。
There is power in the right hand of @SergioPettis!#Bellator258 is LIVE on @SHOSpots now!
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3R、ジャブを刺すセルジオ。さらに右の関節蹴り。アーチュレッタも大きな左右で飛び込み、左をボディに突く。サウスポー構えからオーソドックスに戻すアーチュレッタ。その打ち終わりに右を突くセルジオだがカウンター狙い。打ち終わりに左フックを当てるがアーチュレッタは手を止めず右フック!
Here are the final 3️⃣0️⃣ seconds of round 3️⃣ between @JArchMMA and @SergioPettis.
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We head to the championship rounds next as the #Bellator258 main event continues LIVE on @SHOSports.#MMA #BellatorOnShowtime pic.twitter.com/sNXrJkwEbG
さらにダブルレッグから金網に押し込み離れ際に右、右足を踏んでから崩しに行くが、セルジオは金網づたいに離れる。左ボディストレートを突くアーチュレッタ。左ジャブの挑戦者。サウスポー構えのセルジオは、終了間際スピンキックを見せて牽制する。
4R、チャンピオンシップラウンド。ギアを上げたアーチュレッタ。詰めて左右を振るが、冷静にカウンターを狙うセルジオ。左を当てるセルジオにボディロックテイクダウンに入るアーチュレッタ。ここもセルジオは強い腰を見せて倒れない。
力を使ったアーチュレッタに右を当てるセルジオ! 今度は自らダブルレッグに入って見せる。ここは切ったアーチュレッタは飛び込んで右から左! 右カウンターはセルジオ。ノーモーションの右を当て、さらに右ミドルも当てる。左ジャブを返すアーチュレッタ。セルジオは近づいて首相撲ヒザも。マットに手を着いてのショータイムキックを見せてゴング。
5R、右ボディを当て左を振るアーチュレッタはラウンドの早めにシングルレッグに入るが、汗も多く、抑え込むには至らない。すぐに離れるセルジオが圧力をかける。前後の動きで出入りのアーチュレッタにカウンターの右を当てるセルジオ。左前蹴りを突くアーチュレッタ。思い切って入って左右を振る。ブロックするセルジオ。
しかし、残り2分でシングルレッグのハイクラッチをリフトして力を使って持ち上げてボディスラムさながらのテイクダウンはアーチュレッタ! 下からバギーチョーク狙いのセルジオは首を頭に挟んで時間を使う。頭を抜いたアーチュレッタに立ち上るセルジオ。そこにアーチュレッタが押し込んでゴング。最終ラウンドはアーチュレッタか。
手数とテイクダウンアテンプトはアーチュレッタも、有効打はセルジオ。テイクダウンされても削られることなく立ち上がっている。
Highest of highs!!! So proud @sergiopettis @BellatorMMA pic.twitter.com/wprPLrAi0z
— Anthony Pettis (@Showtimepettis) May 8, 2021
判定は0-3(45-50, 46-49×2)でセルジオ・ペティスが大差で勝利し新王者に。アーチュレッタは初防衛に失敗。兄アンソニーの祝福を受けたセルジオは、試合後、解説のジャン・マッカーシーのインタビューで「夢がかなった。挑戦を受けてくれたアーチュレッタに感謝したい。彼はタフだった。アンソニー、ルーファスポーツのみんなありがとう。テイクダウンデフェンスを磨いてきたんだ。兄の前でタイトルを取れて素晴らしい気持ちだ」と感謝の言葉。
さらに、締めの言葉に入ったマッカーシーに「もうひとつ」と語り、「堀口とやらせてもらいたい。自分は、Bellator vs. RIZINを代表させてもらえたら光栄に思う。それは僕にとっては2つ目のベルトを獲れるという絶好の機会だと思ってる」と、前Bellator王者にして現RIZIN王者の堀口恭司とのダブルタイトルマッチをアピールした。
なお、試合後の会見でスコット・コーカー代表は「ペティスvs.堀口」のダブルタイトルマッチの可能性を問われ、「いまクロスプロモーションできていない理由はたったひとつ、COVID(新型コロナウイルス)があるから。何らかの光明がさしたら、実現したい」と語っている。