【リードカード】
▼ウェルター級 5分3R
×タイラー・マグワイア(米国)
[判定0-3]
〇レイモンド・マゴメダリエフ(ロシア)
ウェルター級戦。マグワイアは、米国・アイオワ州のマウントプレザント出身。シングルマザーの下に生まれ、祖父の農場で働きながら育ち、勤労意欲や謙虚さについて学ぶ機会を得た。子供の頃にテコンドーを始め、のちに他の競技にも興味を持ち始める。
アイオワ・ウェスレヤン大学を卒業した後、自閉症スペクトラム障害を持つ11歳から14歳の子供達を対象としたプログラムに携わる。2009年に総合格闘技を紹介され、3カ月のトレーニングの後、アマチュア大会に出始め、6勝0敗の戦績を築く。その後米空軍に入り、ワシントン州スポーカンに。そこでコーチのリック・リトルと出会い、プロ転向の決意を固めた。
2015年にプロデビュー、戦績は10勝0敗、米国の団体「エクストリーム・チャレンジ」と「エキサイト・ファイト」のウェルター級チャンピオンに輝き、8度のフィニッシュ勝利を決めた。2018年7月にルイス・サントスに判定勝利しONE Championshipデビュー戦を飾ると、ONEウェルター級世界王者ゼバスチャン・ カデスタムにはTKO負け。しかし、2020年12月の前戦ではアギラン・タニに判定勝利している。
対するマゴメダリエフは、コンバット・サンボの元世界チャンピオン。MMA7勝1敗。ロシア連邦のダゲスタン共和国の首都マハチカラ出身。出身地のほとんどの若者たちと同様に、フリースタイル・レスリングを幼い頃から始め、後にコンバット・サンボなどの他の競技にも取り組んだ。
ロシアの軍隊時代は、多くの競技で大会に出場し、コンバット・サンボの世界王座に加え、カンフー・サンダ、近接格闘術などでタイトルを獲得した。テレビで総合格闘技を見たことで、格闘技でプロになることを夢見るようになる。
2015年にプロMMAデビュー。ほとんどの試合をフィニッシュ勝ちで決め、無敗を保った。キックをキャッチされ片足立ちで、17秒でノックアウトを決めて話題となったことも。2018年11月のONEデビュー戦ではジェームス・ナカシマに判定負けも、2020年1月にジョーイ・ピエロッティをギロチンで極めて再起を飾ると、12月のエドソン・マルケス戦では1R、右クロスでKO勝ちを収めている。
1R、ともにオーソドックス構えから。マグワイアの詰めに、マゴメダリエフはテンカオ、首相撲からヒザ蹴り連打! マグワイアは左で差して押し込むが、マゴメダリエフはヒザ蹴り。それがローブローとなり、中断。
左右スイッチするマグワイアは左右をついて詰めるが、クリンチが巧みなマゴメダリエフは右を小手に巻いてヒジ! 頭をつけてクリンチしながら左ショートアッパーも。左で差そうとするマグワイアに、内無双で右手を股に入れるマゴメダリエフ。
Knees on knees on KNEES! #WeAreONE #ONEChampionship #ONEonTNT pic.twitter.com/YcVrYf6KVb
— ONE Championship (@ONEChampionship) April 8, 2021
マグワイアは右での差しに変えて崩すが、そこにマゴメダリエフ頭を押さえて右ヒザ! タイクリンチが巧みなマゴメダリエフはマグワイアの左目尻を出血させる。左で差すマグワイアを右で小手に巻き、左ヒジを当てるマゴメダリエフ。ゴングに笑顔を見せる。
2R、詰めるマグワイアだが打撃は短い。首相撲ヒザを合わせるマグワイア。右ローを打つとマグワイアは右を合わせに行く。左で差してダブルレッグに入るマグワイアにスイッチ狙いのマゴメダリエフ。マグワイアはボディロックからかわずがけでテイクダウン! マゴメダリエフは上を取り返すと立つマグワイアの組みは捨て身気味の投げに。マゴメダリエフはスイッチからバックテイク狙いも。
離れるマグワイアだが、マゴメダリエフにも疲れが見える。右で小手巻き、左腕を顔の前に置いて押してヒジ・ヒザを入れるマゴメダリエフ。残り10秒でなんと胴廻し回転蹴りも見せる。
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— ONE Championship (@ONEChampionship) April 8, 2021
3R、両者のスタミナはいかに。詰めてシングルレッグを肩口に上げてテイクダウンはマグワイア! そこにマゴメダリエフは三角絞めを狙うが、胸を張るマグワイアは片足を越えて右で差してマウント! ハーフに戻すマゴメダリエフは右で差して足を戻すとニーシールド。左目から出血が多くなるマグワイアに、キムラからスイープし、立ち上がるマゴメダリエフ。そこにチョークを狙うマグワイアだが、極めさせないマゴメダリエフ。
そこにヒザ着きながらダブルレッグに入るマグワイア。切るマゴメダリエフは、シングルレッグからアンクルピックで倒し、マグワイアの立ち際にハイエルボーのノーアームギロチン! マグワイアが頭を抜いてゴング。マゴメダリエフも大の字に。
組み技・組み際の打撃の大熱戦となった判定は3-0でマゴメダリエフが勝利。MMA戦績を8勝1敗とした。