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インタビュー

【RIZIN】「朝倉未来も自分も格闘技に対して真摯じゃない」──弥益ドミネーター聡志が大晦日決戦前に語ったこと(全文掲載)

2020/12/25 10:12

最強を目指す過程の一つという認識は特に無い。単純に、こいつより弱いと思われたくない

──ところで今回も仕事をしながら減量を行うことになるのでしょうか。

「もちろん。バンタム級(61.2kg)の時も仕事をしながら減量していたので、それに比べたら今回は、なぜか68kgなので、楽させていただいてます」

──フェザー級の65.8kg契約ではなくて、なぜか68契約だと。朝倉選手が対戦相手の弥益選手ではなくて、平本蓮選手とトラッシュトークを繰り広げている現状をどのように感じていますか。

「いやー寂しいですよ(笑)。“私だけを見て”っていう気持ちになっています」

──先程、朝倉選手に「油断していて欲しい」と仰っていましたが、弥益選手を軽視しているのが「油断」だったり「余裕」にも見えるんですけど、それでも寂しいですか。

「どうなんですかね。朝倉選手は自分と距離を置きたいのか分からないですけど、余裕というようには見えないですね。何か“目をそむけているな”という感じはちょっとしますけど」

──実は、朝倉選手と弥益選手はいろんな部分で似ているのではと感じています。例えばMMAのIQが高い、限られた時間の中で工夫をして練習している、またお互い敗戦からの再起戦ということもあります。ご自身でもその辺りに共通点はあると思いますか。

「いわゆる格闘技に全力で取り組んでる選手の方々とは、いい意味でも悪い意味でもちょっと一線を画しているという意味では、大まかに言えばに似ているかなという印象は持っていますね。なんだかんだ“自分も彼も格闘技が好きなんだろうな”という所はすごくシンパシーを覚えております」

──「悪い意味でも一線を画している」とも仰いました。それは「もっと出来るはずなのにやっていない」という意味ですか。

「まあ、端的に言ってしまうと、格闘技に対して真摯じゃないと思っています。自分も同じですけど」

──弥益選手の場合は、時間がない中でやりくりをしているのではないですか。

「2人ともそうだと思うんですよね。結局、使える時間の中で全力で格闘技をやっていると思うんです。ただ格闘技の中で本当に真摯に向き合うというのは、本当に他を犠牲にするくらいの取り組みじゃないと、自分はいけないと思っていますし、それが格闘技に対する一番の礼儀だと思っているので、そういう意味から考えると、2人とも真摯とは言えないと思ってます」

──それぞれの生活の置かれたなかで、最大限に取り組む厳しさも真摯さだとは思いますが……。朝倉選手と弥益選手の、この試合にかけるモチベーションの差はどれくらいあると思いますか。

「正直、彼のことは分からないですが、自分のモチベーションは別に、最強を目指す過程の一つという認識も特に無いですし、単純に、目の前の試合で勝ちたいなと。こいつより弱いと思われたくない。大勢の人の前で良い大人がみっともない姿を見せたくないな、という気持ちでしょうか。

 見栄をはっているんだと思いますし……何なんでしょうかね。極端な話、自分は格闘技をやっていれば試合をしなくてもいい人間なんです。でもなんだかんだ言って、試合に出てしまっているのは、結局、試合に勝つ時の幸福感が忘れられないので、それのジャンキーになってしまっているところもある。一方で負けることの恐怖、殴られることとかそういうのじゃなくて、負けることの恐怖がすごくあるのは、本能的な、見栄を張っているところがあると思います」

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