何でもない選手にも負ける可能性があるけど、すごい相手にも勝てる。自分は下剋上しやすいタイプです
──記憶にあるはずだと。さて、今回はご自身が格闘技ファンのときからビデオなどでも見てきた、さいたまスーパーアリーナでの有観客での試合となります。弥益選手は観客を意識しますか?
「やっぱり無観客だったら……と考えたら嫌だなと思いますし、お客さんが居てくれた方がありがたいですね。せっかく自分も相手もほかの選手の人も、全力をかけて戦うので、その場の熱を感じてくれる人は──コロナウイルスのことを無視すれば──多ければ多いほど嬉しいし、試合しがいがありますね」
──観客の歓声が試合に影響しますか。
「たぶん声援を送るのはダメだと思いますが、自分の応援だろうと相手の応援だろうと、観客のリアクションは大きければ大きいほど、自分は調子に乗るタイプなので、(リアクションを)待っている所はあります」
──さいたまスーパーアリーナの大勢の観客で自分のスタイルが崩れるというようなことはないですか。
「自分って、調子に乗ったほうが強いんですよ(笑)。調子に乗れば乗るほど、自分のいい所が出るんです。なので、それが自分のスタイルに悪影響を及ぼすことはないと思っています」
──今回の弥益選手の立場はアンダードックだと報道されていますが、番狂わせが起きる条件とはどういうものだと思いますか。
「流れだと思います。全体的な空気感、本人の空気感もそうですし、見ている人の空気感、大会当日の流れももしかしたら関わってくるかもしれないですよね。そのあたりの空気感というのが、何か意外な事を起こすために必要なんじゃないかなと思っています」
──たとえば、朝倉選手のアンチの声が高まるのは、流れになりますか。
「まあ、自分はアンチ朝倉未来も好きではないです。単純に、前回も、斎藤(裕)選手が勝ったからといってアンチ朝倉未来が調子に乗るのは違うかなと。その主張に乗っかるのもダサいなと思っているので。アンチ朝倉未来が自分の味方だとは全然、思っていませんし、ウザいなと思っています」
──では、自分に向かう流れとはどんなものだと思いますか?
「自分に対する観客の期待感を育てられるかどうかはひとつあると思います。“こいつ、なんかやりそうだな”という空気を自分がいかに作り出せるか、それを周りにも感じさせられるか。で、当日自分に期待してくれている人がどれだけ増えているか、というところもひとつの要素かなと思っています」
──今回の取材でその期待感が高まるかもしれませんね。DEEPやROAD FCで活躍され、現在はジャッジを務める弥益選手のマネージャーの梅田恒介さんも、朝倉未来選手の試合を見て来たと思います。どのように話していますか。
「梅田さんの評価も、僕自身の僕への評価と似ていて、『ほんとうに何でもない選手にも負ける可能性があるタイプだけど、すごい相手にも勝てるタイプ、下剋上しやすいタイプ』だと思っていただいているので、朝倉選手が格上だという認識は同じなんですけど、『全然、いけるだろう』という言葉はいただいています」
──この試合の先は、なにか見据えていることはありますか。
「とりあえず“先”と言うと、年始4日からしっかり出社できるかなというところです」
──クリスマスはどのように過ごされますか?
「今日はこれ(公開練習)があったので、明日は仕事で多分バタバタしそうな感じがしますので、もしかしたら家に帰るのが遅くなるかもしれません。土曜は仕事が終わったら家族と過ごそうと思います」
──最後にファンへメッセージをお願いします。
「今年はコロナウィルスなどいろいろあって皆さんもすごく大変だったと思います。ただ、大晦日は本当に素晴らしい選手がたくさん出場しますので、RIZINをご覧になっている瞬間だけでも嫌なこととかそういう事を忘れられるような大会になると思うので、ぜひRIZINをご視聴ください。よろしくお願いします」