本当に喧嘩をしに来てくれる、1Rから倒しに来てくれるのであれば、自分は望むところ
──「格闘技をやっていれば試合をしなくてもいい人間」が、それでも試合に臨むと。先日の会見で、朝倉選手は前回の反省を踏まえて「今回の試合は“攻め”。自分の入りをすごい練習した。自分からパンチを当てに入る。そのへんが相当上達した」と、少しスタイルを変えた試合をしたいと話していました。そのことは弥益選手にどう影響しますか。
「本当に喧嘩をしに来てくれる、1Rから倒しに来てくれるような戦いをするのであれば、自分はすごくありがたいですし、望むところという感じです」
──ただ、中間距離のカウンタースタイルを大事にする朝倉未来選手が、本当に近づいてきてくれるのかのは分からない?
「そう簡単に変えられないと思いますけどね」
──会見でも「喧嘩をさせてほしい」と仰っていました。朝倉選手は路上で喧嘩をしてきましたが、弥益選手が今回望む喧嘩はリング上です。弥益選手は、実生活で喧嘩の経験はどのくらいありますか。
「小学校とか、学校内の可愛い喧嘩はたぶんやってたと思いますけど、路上でぶん殴って少年院に入るなどはやってないですね」
──弥益選手にとって、今回の“喧嘩”とはどういう為にするものですか。
「勝つ為ですね。負けたくないですし。勝つために、自分が求める結果を得るために喧嘩をするという感じです」
──それは自分のペースになり得るということですか。
「そうですね。“喧嘩をする”という事は自分のペースになるということと思ってますし、それを作れるような試合の組み立てをしなくちゃいけないなと思っています」
──それは、でも同じく距離や角度を大事にする弥益選手のいつもの土俵でしょうか。
「うーん、微妙なところですね……。でも自分の土俵なんですよね、実はそれ」
──弥益選手が前回のDEEPでの牛久絢太郎選手とのタイトルマッチから修正したことはなんですか。
「修正というより、どちらかと言うと前回、上手く出せなかった部分、本来出すべき所が出せなかったというイメージが自分のなかで強かったので、今まで取り組んできた自分の良さを出すための練習をあらためてしてきました。さらに、その中で朝倉選手に通用する部分、“通りやすい”部分を重点的に強化してきたという感じです。変わったところというよりは、今までやってきたことをしっかり出せるような練習をして、そこに朝倉未来対策をエッセンスとして入れてきたという感じです」
──なるほど。過去に朝倉選手と練習をしていますよね。数回の練習とはいえ一度でも肌を合わせると体感したものはあると思います。実際の印象を教えて下さい。
「めっちゃ強いです。結構、練習でも思いっきり殴ってくるな、というところが強かったです」
──練習でも相手を力を入れて殴ることが出来るメンタルが強い、ということですね。朝倉選手は弥益選手との練習の事を「印象にない」と言っていましたが……。
「いやー何でですかね。おかしいな、覚えていて欲しいなと思いました(笑)。彼がいる目の前で別の選手に肋軟骨を折られていて、それが試合の2、3週間前に折ったから、その時に朝倉選手が『試合いつなんですか?』と聞いてくれていたと思います」