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レポート

【Krush】佐々木大蔵が中野滉太と笑顔の殴り合い、蹴り合いでメインにふさわしい熱闘

2020/10/17 22:10

▼セミファイナル(第9試合)Krushスーパー・ライト級 3分3R延長1R
〇鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス/第7代Krushスーパー・ライト級王者) 
KO 3R 1分50秒 ※左ボディストレート
×松本篤人(バンゲリングベイ・スピリット)


 鈴木は2016年12月にKrushでプロデビューすると、サウスポースタイルから繰り出す左ミドル&左ストレートを武器に頭角を現し、2019年1月にKrushスーパー・ライト級王座を獲得。2019年8月の初防衛戦ではK-1ファイターとして活躍していた左右田泰臣の挑戦を退けている。現王者・佐々木大蔵に2連敗を喫してタイトルを失ったが、7月大会でFUMIYAを初回KOに破って再起。戦績は9勝(5KO)4敗1分。


 松本は7勝2敗1分で、K-1 JAPAN GROUPの試合では6戦5勝1分と無敗。2015年と2016年は1試合、2017年は2試合、2019年は2試合と極端に試合数が少なく“Krushのレアキャラ”と呼ばれる。これは松本が東京大学法学部卒の国家公務員であり多忙のためだ。


 1R、鈴木は得意の左ミドルを連打し、左ストレートにつなげる。松本は独特のリズムでワンツーを放って前進、いいタイミングでヒザをボディへ突き刺す。しかし、明らかにパワーで優る鈴木のワンツー、左フックがヒット。


 2R、打ち合いにいく鈴木が左フック、左ストレートでヒットを奪うが、負けじと松本がワンツーと右ボディ。さらにヒザ蹴りと前蹴りでボディを攻めると鈴木がスローダウン。打ち合いで両者ヒットを奪い、鈴木はボディ攻めに苦しそうだが、前に出れラッシュを懸けた鈴木が左フック、左ストレートで連続ヒットを奪う。


 3Rも鈴木がパンチで前に出るが、松本も負けじと打ち返す。鈴木の左フック、左ストレートがヒットすれば松本が右ストレート、右ボディ、ヒザを打ち返す。タフな打ち合いが繰り広げられるシーソーゲームとなったが、アゴを突き上げるヒザと左ストレートで松本にロープを背負わせた鈴木の左ボディストレートが強烈にヒットし、松本が身体を丸める。そこへ左右フックをフォローした鈴木がダウンを奪い、松本は腹を抑えて悶絶。激闘に終止符が打たれた。


(写真)事実上のフィニッシュとなった左ボディストレート

 タフな打ち合いを制してKO勝ちした鈴木はマイクを持つと、「正直、今回ラクに勝てるんじゃないかってナメたこと考えていて。でも松本選手本当に強くて試合中、心が折れそうになりました。松本選手、ありがとうございました。ベルトを失って2回しっかり勝つことができたので、上にいるトップ選手たちに食い込んでいって絶対に勝ちます。ここから注目してください」とアピールした。

▼第8試合 Krushクルーザー級 3分3R延長1R
×谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第1回、3回真正会全日本空手道選手権大会重量級優勝)
KO 2R 2分44秒 ※右フック
〇サッタリ・ウィラサクレック(WSRフェアテックス・イラン/WAKOアマチュアムエタイ世界ミドル級王者)


 谷川は2016年正道会館第14回ウェイト制全日本空手道選手権大会重量級準優勝、第1回&第3回真正会全日本空手道選手権大会重量級優勝の実績を持ち、極真会館にも挑戦して2016年第33回全日本ウェイト制空手道選手権大会重量級4位、2016年第48回全日本空手道選手権大会7位入賞の成績を収めた。その実績が評価され、他流派ながら第11回全世界空手道選手権大会の日本代表にも選ばれている。


 第3回K-1アマチュア全日本大会 チャレンジAクラス +75kgで優勝し、2017年5月にキックボクシングでプロデビュー。2020年3月に待望のK-1初参戦を果たしたが植村真弥とドロー、8月のKrushは負傷欠場とまだK-1 JAPAN GROUPでは真価を発揮できていない。戦績は4勝(2KO)3敗1分。


 サッタリはWAKOアマチュアムエタイ世界ミドル級王者、ムエタイ・プレジデントカップ2012優勝、ムエタイ・アジアンビーチゲーム2014優勝、ムエタイ・アジアインドア&マーシャルアーツ2017優勝などの実績を持ち、プロ戦績は10勝(3KO)1敗の29歳。ウィラサクレック・ウォンパサー会長の推薦で8月大会に参戦するはずだったが、対戦相手の欠場で試合が流れていた。今回が初参戦。


 1R、飛び込んでの左フックで場内をどよめかせるサッタリ。その後も声を上げながら左右フックを繰り出す。谷川は手数こそ少なかったが左右ローを蹴り、サッタリの消耗を待つ。


 2Rも序盤は強いパンチを叩きつけるサッタリ。谷川は前足へのロー。谷川も徐々にパンチを増やしていき、前蹴りから前へ出たところでサッタリが右フックを振り抜いた。この一発で谷川はバッタリと倒れ、サッタリがKO勝ち。クルーザー級の怖さをまざまざと見せつける試合となった。


 大喜びのサッタリは「素晴らしいファンの前で試合が出来て勝つことが出来て嬉しく思っています。応援ありがとうございます。イラン人が強いことを証明できたと思います。自分は日本のチャンピオンになりたいと思います」と、タイトルを狙うと宣言した。

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