(C)Chris Unger/Zuffa LLC
2020年9月5日(日本時間6日)、米国ネヴァダ州ラスベガスの「UFC APEX」にて、「UFC Fight Night: Overeem vs. Sakai」が無観客&ライブ配信で開催された。
【メインイベント】
▼ヘビー級 5分5R
○アリスター・オーフレイム(オランダ/252.5lbs/114.53kg)
[5R 0分26秒 TKO]
×アウグスト・サカイ(ブラジル/261.5lbs/118.61kg)
ヘビー級6位のオーフレイムと、9位のサカイの5R戦。解説席から「K-1王者」と紹介された40歳のオーフレイム。1999年のプロデビューから、PRIDE、DREAMでも活躍し、立ち技とMMAの両競技でベルトを巻いている。
PRIDE時代のアリスター・オーフレイム👊
— UFC Japan (@ufc_jp) September 4, 2020
懐かしの名場面をどうぞ👀✨
全編はYouTubeで配信中📺👉 https://t.co/mCgTInAYKK
今週末 #UFCファイトナイトラスベガス9 でアウグスト・サカイを迎え撃つ💥#9月6日開催#UFCVegas9 pic.twitter.com/ksrbgATf6K
近年のUFCでは、2017年12月にフランシス・ガヌー、2018年6月にカーティス・ブレイズに敗れるも、11月にセルゲイ・パブロビッチを1Rでパウンドアウトすると、4月にもアレクセイ・オレイニクを1R TKOで2連勝。12月にジャルジーニョ・ホーゼンストライクに5R 右クロスで敗れたが、2020年5月のウォルト・ハリス戦ではKO寸前まで追い込まれながら、ラッシュを凌いで逆転のKO勝ち。上位ランカーの座を保っている。
対する29歳のサカイはブラジル・クリチバ出身の日系ブラジル人。MMA15勝1敗1分けで、唯一の黒星は、2017年5月にBellatorで元UFCのシーク・コンゴにスプリット判定負けしたもの。2018年9月のUFCデビューからチェイス・シャーマン、アンドレイ・アルロフスキー、マルチン・ティブラ、ブラゴイ・イワノフを相手に4連勝中だ。
1R、ともにオーソドックス構えから。ワンツーで飛び込むオーフレイム。かわすサカイの右ストレートはオーフレイムが左に潜ってかわす。右の前蹴りを腹に突き、右を振り詰めるサカイは首相撲ヒザを狙うが、オーフレイムも逆に首相撲ヒザで切り返し。サカイは右ヒザを突き、離れ際に左ヒジを振る。
右オーバーハンドフックを当てるオーフレイム! サカイもガードの上に右ストレート。オーフレイムは左インローをヒット。詰めるサカイは左右から右の鉄槌をスタンドで振り下ろす。サカイの右フックも左にかわすオーフレイム。
2R、サウスポー構えのオーフレイム。サカイの組んでのヒザを突き放し、オーソドックス構えに戻す。サカイも両手を上下に動かしながら、ジャブ、さらに右ハイをガード上に当てる。金網に詰めての右ボディ打ち連打はサカイ。オーフレイムは左で差して体を入れ替えると、四つからヒザ蹴り。離れ際に右ヒジを狙う。
体を入れ替えたサカイはアゴ下に頭を付けて押し込むが、再び体を入れ替えたオーフレイム。しかし顔にヒジを押し付けるサカイはそのままヒジを顔面に滑らせる。サカイの左右をブロッキングするオーフレイムだが、下がる場面が増えて来た。
強 烈 な エ ル ボ ー😱😱😱
— UFC Japan (@ufc_jp) September 6, 2020
アリスター・オーフレイム💥💪😤#UFCVegas9 pic.twitter.com/MXfNe1MwE8
3R、サカイの前足に左インローを打つオーフレイム。右のサイドキックも。ガードを固めるオーフレイムにサカイも左右で顔面をはたいてからの右ローを決める。金網背にガードを固めるオーフレイム。左右フックからアッパーを突くサカイに、オーフレイムは体を入れ替え、スイッチキック。サカイも右ローからボディ打ちで押し戻すも、オーフレイムは四つに組んで小外がけでテイクダウン! パウンドを狙うオーフレイムに、サカイも下から足を効かせて蹴り上げを狙う。インサイドガードの中に入ったオーフレイムは鉄槌! サカイを出血させる。
4R、歩きながら左右の足を入れ替え詰めるオーフレイム。ここはサカイも押し返すとオーフレイムはガードを固める。そこにアッパーも突くサカイは右ヒジを振る! 出血したオーフレイムも押し返し、後ろ蹴りをボディに突くが、下腹部に入り、中断。
🚧 OVEREEM AT WORK 🚧
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🇳🇱 Who's next for the ageless wonder? #UFCVegas9 pic.twitter.com/ZhiUWVIfQq
再開、ワンツー&ローのオーフレイムに対し、シングルレッグでテイクダウンを奪うオーフレイムは、インサイドからパウンド! さらにレッグドラッグの体勢から左フックを顔面にパウンドさせる。ハーフガードから削るオーフレイム。ヒジも受け防戦一方になるサカイはブザーにしばらく立ち上がれず。
MOST HEAVYWEIGHT KNOCKOUTS - @UFC History
— UFC News (@UFCNews) September 6, 2020
11 - Derrick Lewis
10 - Junior Dos Santos
10 - Cain Velasquez
09 - Stipe Miocic
09 - Andrei Arlovski
09 - @AlistairOvereem at #UFCVegas9
09 - Francis Ngannou
Final results: https://t.co/HA4zEFhMM7 pic.twitter.com/vxNmlnqzih
5R、ダブルレッグからボディクラッチし、足をかけて後方に投げて早々にテイクダウンを奪うオーフレイム。背中をつけて立ち上がる動きが出来ないサカイは半身で気持ちが折れたか。顔を片手でガードするのみで身体が丸まってしまう。そこにオーフレイムは右ヒジと鉄槌を連打し、レフェリーを呼び込んだ。
スタンドの攻防から3Rからテイクダウンを決めて決定的なダメージを与えていったオーフレイム。2連勝を決めた“デモリッションマン”は再び王座戦線にからんでくるか。
試合後、オーフレイムはオフィシャルのインタビューに、「これは数ラウンドかかるだろうなと思ったし、結局5Rまで行った。コーチたちに心からの敬意を表したい。彼らが俺を完璧に仕上げてくれたし、キャンプも完璧だった。だからこそ、試合中の判断を正しく下すことができた」と、合流して以来、4勝1敗と調子を戻したデンバーの「Elevation Fight Team」の面々に感謝の言葉を語った。
👏👏👏#UFCVegas9 pic.twitter.com/4D9Mwvdxi3
— UFC Japan (@ufc_jp) September 6, 2020
さらに、「テイクダウンもしっかりできたし、グラウンドで相手を仕留められた。グラウンドでフィニッシュできるという感触があったんだ。向こうのバックグラウンドが打撃だったからね」と、中盤から決めたテイクダウンが有効だったと試合を振り返った。
と同時に、オクタゴンで4連勝中のサカイについて、「彼は耐久力がある。それは分かっていたつもりさ。思っていた以上に忍耐強かったと思う。新星でハングリーだし、タフでパンチもハードだ。俺が思っていたよりも少しだけハードなパンチを打ってきた。キックも危険だ」と讃えると、「後半のラウンドまで持ち込まなければいけなくなったけど、なんとかフィニッシュした。1Rでフィニッシュできたら理想的だったけどね。10秒勝利とかいいだろ。でも、これがUFCだ。みんなが勝つためにプランを立ててくるし、カーディオも戦略も練ってくる。ときには我慢も必要だ。これが俺のベスト中のベストさ」と、“壊し屋”からの成長ものぞかせた。
また、今後については「チームと一緒にこれからも成長し続ける。このチームは最高さ。これから? 少しゆっくりするつもり。キャンプの間は家族と離れていないといけなかったから、ものすごく恋しいよ。一緒に過ごしたくてたまらない。娘たちがすごく可愛く成長しているんだ」と束の間の休息を望んだが、「今後がどうなるかはそのうち分かる。12月か1月にはまた試合がしたいなと思っている。今は家族の時間だ」と、心身ともにオーバーホールを経て、年末年始に向けて再び調整することを語った。