井上選手はダメージを与える一発の重さが無い
――ヘンリー相手にも戦ったら自信があると。では、井上直樹選手vsトレント・ガーダム選手の試合について。接戦のなかで、井上選手が序盤からシャープな打撃とバックテイクで攻め込み、後半にはガーダム選手が打撃で盛り返しました。両者の試合をどう見ましたか。
「井上選手の打撃がけっこうコンパクトで上手でしたね。でも、ガーダム選手のほうが一発一発の威力があって。井上選手のほうが当てている数とか、打撃数でいったら多かったと思うんですけど、たぶんあまり効いていなかったと思うんです。ダメージを与える一発の重さが無いなと感じました。なので、判定結果もガーダムが認めていなかったじゃないですか。それは自分の中でダメージが全然無かったと思うんです。自分が効かせていて、相手の攻撃は効いていないのに、なんで俺の負けなんだと。でも、ジャッジから見たら、手数とポイントで井上選手の判定勝ちだった。いずれにしても接戦の試合でしたね」
――井上選手は階級を上げてきたこともあって、海選手にとってもパワー不足を感じましたか。
「そうですね。スピードとか、テクニカルな部分は持っているんですけど、パワーは全然感じなかったですね。でも、まだ若い選手(22歳)ですし絶対強くなるので、それを考えると、井上選手もガーダムも注意しておかないといけない選手なのかなと思います。ただ、これから強くなってくる選手なので、別にいま僕がやりたいとは思わないですけど」
金太郎選手? RIZINで1勝したくらいで名前を出すのは違うんじゃないかと思うけど……
――ほかにもバンタム級では、海選手と同じTHE OUTSIDER出身の金太郎選手が加藤ケンジ選手に1R、一本勝ちしました。
「金太郎選手は爆発力があって、一発一発の威力もあるので、打撃で勝つのかなと思っていたんですけども、結果的にああいうフィニッシュだったのは、勝ち方自体はちょっと意外でしたね」
――金太郎選手は今回、レスリングシューズを履いてきて、ダブルレッグでテイクダウンを決めましたが、足首を怪我していたということもあったようです。これまでの金太郎選手のPANCRASEでの試合等はご覧になったことはありますか。
「見ている試合と見ていない試合がありますね。ハファエル・シウバとの試合は見ました。やっぱり勝負どころの勢いはある選手で、パワーもあるんだけど、穴も多いのかなというイメージはありますね」
――試合後に金太郎選手は、「7月の大阪大会で海選手と戦いたい」と希望していました。名指しで対戦要求を受けたことについてはどのように感じていますか。
「目標にしてもらえるのは嬉しいですけど、言ってもRIZINで1勝したくらいで名前を出すのは違うんじゃないかなと。僕はRIZINで6勝してきているので、強い選手に勝って、勝ち上がってきて、周りの声が大きくなったら面白いんじゃないかなとは思います」
――堀口恭司選手との再戦が怪我で延期になり、マネル・ケイプ選手との王座戦に敗れた海選手としても、王座を目指すために誰と戦うべきかということになってきます。浜松大会の3試合をご覧になったうえで、次の試合をどんな選手とやっていきたいと考えますか。
「バンタム級は本当に盛り上がってきて、レベルが高い選手が集まってきているので、誰かというのはまだ分からないですけど、その中でも強い選手と戦いたいです。みんなが求める声の多い選手だったり、タイトルに近づくための選手と戦いたい。やっぱりマネル・ケイプへのリベンジが今年のテーマなので、それに近づけるような試合をやりたいです。あとはやっぱり戦って盛り上がる選手と」