「RISE 136」
2020年1月13日(月・祝)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第9試合)RISEバンタム級(-55kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R
〇鈴木真彦(山口道場/王者)
[4R 2分49秒 TKO]※セコンドからのタオル投入
×良星(平井道場/挑戦者・同級1位)
※鈴木が初防衛に成功。
鈴木は軽量級離れしたパンチ力と卓越したテクニックで、昨年11月の両国国技館大会でトーナメントを制して那須川天心が返上したバンタム級のベルトを獲得。昨年9月には無敗の初代RISEスーパーフライ級王者・田丸辰に初黒星を付け、2015年8月の『BLADE FC JAPAN CUP -55kgトーナメント』で那須川天心に敗れて以降、連勝記録を重ね5年間無敗、17連勝という驚異の記録を打ち立てている。
良星は昨年9月、鈴木にプロ初黒星を付けられた初代RISEスーパーフライ級王者・田丸辰と同門の兄貴分で、スピードを活かした常に動き回るアグレッシブなスタイルで会場を沸かせる。得意技はハイキック。鈴木とは2018年7月のRISEバンタム級王座決定トーナメント1回戦で初対戦し、両者ノンストップのハイスピードバトルを展開し、良星が判定で敗れたものの鈴木を手こずらせた。また、2019年4月には『KNOCK OUT』にも参戦し、かつて那須川天心と戦った軽量級日本トップクラスの宮元啓介にヒジ打ち、首相撲ありのルールで勝利を収めている。
1R、最初から圧力をかけて前へ出る鈴木。右ストレート、左右ボディとスピードのあるパンチを当てていく。良星も強気に打ち合い、離れると蹴りを繰り出していくが、鈴木はコンビネーションパンチを決めていく。良星のパンチをかわした鈴木はボディへヒザを突き上げ、すぐに右ストレート。流れるようなコンビネーションを繰り出す。
2R、鈴木は強い右ローを蹴ったと思ったらワンツー。一気に前へ出て左ボディブロー。その鈴木に右ハイを合わせた良星だが、鈴木はニヤリと笑う。左フック、右ストレートとパンチがヒットすると一気に連打で詰める鈴木。ローからワンツーの連打、そしてヒザ蹴りと攻撃の手が止まらない鈴木に良星もパンチで反撃するが、ほとんど手を出す暇もないほど鈴木の攻撃が続く。
3R、グイグイと圧力をかけて前へ出る鈴木。左右ボディ、ヒザ蹴り、ワンツーの連打、左フックと攻撃を続け、良星はもらっても倒れないがほとんど手を出せない。残り10秒、左フック、右ストレートでラッシュを仕掛けた鈴木。良星は右頬をカットして流血し、ドクターチェックを受ける。
4Rもグイグイと前へ出る鈴木が左フックと右ストレート、左ボディを当てていく。どんどん前へ出てパンチを叩き込んでいく鈴木だが、良星は立ち続ける。頬からの流血がひどくなり、良星は2度目のドクターチェック。再開後も追い回す鈴木に何とか一矢報いようとパンチを出す良星。
しかし残り10秒を切ったところで、鈴木の右ストレートが炸裂。良星は自軍のコーナーへ吹っ飛ぶように倒れる。良星のセコンドからタオルが投入され、鈴木のTKO勝ちが決まった。
鈴木はマイクを持つと「今年、僕自身初の試合でRISEも一発目の大会やったので、しっかりKOで締められてホッとしています。良星選手も一度対戦した時から勝ち上がってきて気持ちを見せてくれたので、僕自身も気持ちのいいファイトができました。大阪から応援してくれる人や東京の人も応援してくれるようになって、めちゃくちゃ力になっているので、アジアトーナメントは僕が優勝するので会場へ来てパワーをください」と、4月から開幕するアジア・トーナメントも制覇すると宣言した。
▼セミファイナル(第8試合)第6代ライト級(-63kg)王座決定戦 3分5R無制限延長R
×秀樹(新宿レフティージム/同級1位、K-1 REVOLUTION FINAL -65㎏級世界王者)
[1R 2分23秒 KO]※右フック
〇原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM/同級2位、Road to RIZIN KICK Tournament優勝)
※原口が第6代王座に就く。
秀樹はフィジカルの強さを活かしたパワフルな打撃でRISEライト級のトップクラスに君臨。2019年2月には白鳥大珠と第5代ライト級王座決定戦を争っている(白鳥がTKO勝ち)。また、『KNOCK OUT』のスーパーライト級トーナメントでも準優勝を果たした。
対する原口は幼少期から空手を学び、17歳でプロボクシングデビューすると2016年西日本新人王戦で準決勝まで勝ち上がった。2017年にキックボクシングに転向するとデビュー2戦目でACCELフェザー級王座を奪取。RISE参戦後はライト級トップクラスの北井智大、RISEスーパーフェザー級王者チャンヒョン・リーなどに連戦連勝。さらに昨年11月にはイノベーション岡山大会に参戦し、元KNOCK OUTライト級王者・森井洋介をもTKOに破り、国内トップの実力を証明した。
この試合はライト級王座に加えて2020年4月より開幕する『RISE WORLD SERIES 2020 -63kg Tournament』への出場権も懸かっており、勝った方が総どりすることができる。
1R、両者サウスポー。序盤はローの蹴り合いとなり、残り2分になると秀樹が飛び込んでのフックを繰り出し始める。試合がアグレッシブに動き始めたかと思われたその時、秀樹のフックをかわした原口の右フックがヒットし、秀樹はダウン。立ち上がろうとするも足がもつれ、レフェリーが試合をストップ。衝撃の一撃KO決着となった。
ほとんどダウンしたことがない秀樹をキレのある右フックで初回KOに下した原口は「チャンピオンになったら言いたいことがあって。僕19歳の時に結婚して2人の娘がいます。チャンピオンになったら言おうと思っていました。今こうやってチャンピオンになれて2人の娘にとって自慢できる父親になれたと思います」と、涙ながらに語る。
続けて「今日は予想外の展開で勝っちゃいました。あとは王子に喧嘩を売りたいと思います。僕の方が強いと思うので、いつまでもチャンピオン面してるんじゃないぞと言いたい。トーナメントの抽選、僕は1回戦で指名するので王子も僕を指名してください」と、白鳥大珠に宣戦布告。
するとテレビの解説を務めていた白鳥がリングイン。マイクを持つと「原口選手おめでとうございます。僕はあまり言ってなかったですが、原口選手のことは純粋に強いと思っていたので、今日こんな試合を見せられてやらないわけないでしょう。1回戦でやろう。4月、大阪でやろう」と1回戦での対戦を受諾した(トーナメント組み合わせは抽選で行われる)。