ダウンを奪われたスアキムがパンチとヒジ、ヒザで猛攻を仕掛け、逆転TKO勝ちした
「The Battle of Muaythai BOM2-6」第2部
2019年12月8日(日)東京・NEW PIER HALL
▼第11試合 BOMスーパーライト級(63kg)王者決定戦 3分5R
〇スアキム・PKセンチャイムエタイジム(タイ/ルンピニースタジアム認定スーパーフェザー級王者)
TKO 3R終了時 ※セコンドからのタオル投入
×チャンヒョン・リー(韓国/RAON/RISEスーパーフェザー級王者)
※スアキムが初代王座に就く。
スアキムはムエタイの本場タイでトップクラスの選手として活躍。2018年2月の『KNOCK OUT』に初来日し、那須川天心にとって“過去最強の敵”として対戦。5Rにわたる熱戦の末、判定で敗れたが那須川に「マジ強かった」と言わしめた。
今年3月からはRISEの世界トーナメント『RISE WORLD SERIES 2019』に参戦し、1回戦でタリソン・ゴメス・フェレイラ(ブラジル)と対戦。2度のダウンを奪われてKO寸前まで追い詰められながらも、前蹴りで大逆転KO勝ちを収めてファンを熱狂させた。7月の準決勝では那須川と再戦し、胴廻し回転蹴りで額をカットされてTKO負けを喫したが、9月大会ではニキータ・サプンを全く問題にせず左ミドルでKOした。
対するリーは“韓国の鉄拳”と呼ばれる強打で日本人トップファイターを次々と撃破。2017年11月にRISEスーパーフェザー級王座を奪取し、『KNOCK OUT』のヒジ打ちありルールのライト級アジアトーナメントに出場すると、1回戦で町田光、準決勝で森井洋介を連続TKO撃破。決勝でヨードレックペットに敗れるも準優勝を果たした。
RISE WORLD SERIES -61kgトーナメントでは1回戦で裕樹に勝利したが、準決勝で梅野源治に敗れてトーナメントからは脱落。9月大会では原口健飛のテクニックに完封負けを喫して連敗中だが、スアキムとは打ち合いになりそうだけに本領発揮できそうだ。今回はKNOCK OUT以来のヒジ打ちありルールに挑む。
1R、リーは徹底的に右ローを蹴り、スアキムはパンチとヒジでけん制。リーに右ローを連打されるとスアキムはいきなり前へ突進してパンチとヒジを見舞う。負けじとリーも左右フックを打ち返し、これにスアキムも打ち返してスリリングな第1Rとなった。
2R、スアキムが前へ出ようとしたがリーが猛打で下がらせる。ロープを背負ったスアキムに左右フックを浴びせるリー。さらに右ロー。コーナーやロープを背にリーのパンチを顔面とボディに受けるスアキム。しかし、後半に左ミドルを放ってパンチで逆襲する。
3R、前に出るスアキムだがそこへリーの右からの左フックをもらってダウン。しかし、立ち上がったスアキムはどんどん前へ出てパンチとヒジを打って行く。リーも打ち返すがスアキムの突進が止まらない。スアキムのローがローブローとなって試合は中断。再開するとスアキムがパンチとヒジで逆襲の猛攻を仕掛け、組んでもヒザを連打。
4R開始前、リーは左目に異常を訴え、セコンドからはタオル投入。ダウンを奪っていたリーが戦闘不可能となり、スアキムの逆転TKO勝利となった。
▼第10試合 BOMフライ級初代王座決定トーナメント決勝戦 3分3R
〇名高・エイワスポーツジム(エイワスポーツジム/元ラジャダムナン&ルンピニースタジアム認定ミニフライ級王者)
KO 1R 2分45秒 ※左ハイキック
×チー・ユン・ファング(香港/香港チャンピオンシップ48kg王者)
※名高がトーナメント優勝で初代王座に就く。
4人トーナメントの決勝は1回戦で計量オーバーしたイ・ジソン(韓国)を初回KOした名高と、ジャイソン・マーク・ヴェダナ(フィリピン)を鼻骨骨折に追い込んで3RでTKO勝ちしたファングで争われた。
1R、両者サウスポー。圧倒的スピードのパンチとローで襲い掛かる名高がコーナーへ詰めたファングを左フックからの左ヒジでダウンさせる。その後も左ハイ、ロー、左ストレート、右三日月蹴りで一方的に攻め、コーナーやロープにファングを釘付け。
最後は狙いすました左ハイキックでファングをマットに沈め、ワンデートーナメントを2試合連続1RでのKOで制した。
新たなベルトを巻いた名高は「今回タイ人以外の試合経験が少なくて不安もあったんですが、いつも練習に付き添ってくれた会長とジムのトレーナーのサポートで勝つことが出来ました。自分は50kg以下でやっていますが、この階級では自分が一番強いと思っています。もし年末オファーをいただけるならお待ちしております」と、RIZIN参戦をアピールした。