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【ムエタイオープン】UMAが喜入衆を初回KO、岩浪悠弥も壱に初回KO勝ち、翔・センチャイジム引退

2019/12/01 22:12
MuayThaiOpen472019年12月1日(日)東京・新宿FACE ▼第12試合 ルンピニージャパン・ウェルター級タイトルマッチ 3分5R  ×喜入 衆(NEXT LEVEL渋谷/王者)TKO 1R 1分54秒 ※セコンドからのタオル投入〇UMA(K&K BOXING CLUB/REBELS 67kg級王者/挑戦者)※UMAが新王座に就く。喜入は4度目の防衛に失敗。 最初のダウンを奪ったUMAの左ヒジ打ち 王者の喜入は2001年プロデビュー、今回で69戦目となる大ベテラン。これまでJ-NETWORKスーパーライト級王座、初代MuayThaiOpenウェルター級王座(現在3度の防衛に成功)、ルンピニージャパンウェルター級王座(現在初防衛に成功)と3本のベルトを獲得している。  UMAはトリッキーな蹴り技を武器にREBELS黎明期から活躍し、他団体にも乗り込んでいってトップ選手から勝利を収めている。10月のREBELSでは初回KO勝ちでREBELS 67kg級王座に就いており、2試合連続でのタイトルマッチとなった。  1R、サウスポーのUMAの蹴り技を警戒してか、喜入は組み付いて密着してのヒザ蹴り連打。離れるとUMAがパンチで喜入を追い詰めていき、左ヒジ打ちでダウンを奪う。  立ち上がった喜入に飛びヒザ蹴りを連発するUMA。喜入はバックハンドブローで対抗するが、パンチ、ミドル、ヒザで前へ出るUMAが左ハイキックで吹っ飛ばし、左ヒザ蹴りをアゴに突き上げてダウンを追加。セコンドからタオルが投入され、UMAが圧巻のKO勝ちで新王座に就いた。  UMAはマイクを持つと「最後まで見てくれてありがとうございました。皆さんあっての大会だと思っています。北海道から出てきてクロスポイントさんの恵まれた環境でやらせてもらって感謝しています。来年は大きな舞台でメインでできるように頑張っていきます」と、笑顔満開でさらなる飛躍を誓った。 ▼第11試合 ルンピニージャパン&MuayThaiOpenバンタム級王座統一戦 3分5R×壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム/ルンピニージャパン認定バンタム級王者)Ko 1R 1分15秒 ※3ノックダウン〇岩浪悠弥(橋本道場/MuayThaiOpenバンタム級王者)※岩浪が統一王座に就く。  センチャイムエタイジムを代表する選手となった壱は沖縄で空手を学び、強打を武器とするが近年ではムエタイテクニックを駆使して相手を完封するようなテクニシャンぶりを発揮。9月のKNOCK OUTでは新日本キックのバンタム級王者HIROYUKIも破り、連勝街道を突き進む。  対する岩浪はINNOVATIONフライ・バンタム・スーパーバンタム級王座の三階級を制覇、WBCムエタイ日本フライ級王座も獲得。ヒットアンドアウェイを得意とし、高い防御力を誇る。  1R、両者蹴り合いの中、壱の蹴りに合わせた岩浪の左ストレートがヒット。グラついた壱に連打を浴びせ、壱がダウンしたところで岩浪が顔面を蹴ってしまい減点1に(ダウンは認められた)。1分間のインターバル後、試合再開。  両者打ち合いになったところで岩浪の左フックに壱がヒザを着いてダウン。笑顔で立ち上がった壱だが、岩浪のボディストレート、左フックの連打をもらって前のめりにダウン。3度のダウンを奪った岩浪が統一王者となった。  実力者対決で見事な初回KO勝ちを収めた岩浪は「反則をしてしまって申し訳なかったです,壱選手は14連勝していたので、バンタムで勝てるのは俺しかないないと思っていました。この試合に懸けてやって来たので、今後もっと上に行けるように頑張りたいと思います」と2本のベルトを手に勝利者インタビューに答えた。 [nextpage] ▼第10試合 ルンピニージャパン認定スーパーウェルター級王座決定戦 3分5R〇実方拓海(TSKJapan/WMC日本スーパーライト級王者、J-NETWORK同級王者、LPNJ日本同級王者)KO 1R 2分15秒 ※3ノックダウン×齊藤敬真(インスパイヤードモーション)※実方が新王座に就く。  実方は24歳にしてヒジありのキックボクシング&ムエタイルールで3本のベルトを持ち、様々なリングで活躍してきたテクニシャンタイプ。6月にはRISEに初参戦してランカーから勝利を収めている。今回は4本目のベルト獲得に挑む。  1R、サウスポーの実方に齊藤は前足にローを狙い撃ち。実方は左ハイ、左三日月蹴りを放ち、左ストレートでダウンを奪う。  左ストレートからの右フックで齋藤を追い詰める実方は左ボディブローでダウンを追加すると、最後は狙いすました左ストレート。圧勝で4本目のベルトを獲得した。 ▼第9試合 MuayThaiOpenスーパーフライ級王座決定戦 3分5R×村井雄誠(エイワスポーツジム)判定1-2 ※48-49、49-48、48-49〇白幡裕星(橋本道場)※白幡が新王座に就く。  1R、サウスポー同士。両者ともきびきびとした動きでローを蹴り合う。白幡はパンチでボディも攻め、村井は蹴り返しのローが冴える。  2Rもローを蹴り合う両者だが、白幡が動きのスピードを上げてパンチを放っていく。村井はやや後手気味。両者首相撲からのヒザ蹴りでも勝負。  3R、村井は待ちの姿勢でカウンターの左ミドルと返しのローを蹴るが、白旗がアグレッシブに動いて顔面とボディへパンチを打ち分ける。飛び込んでのパンチもヒット。  4Rは村井が前に出て左右ミドルとパンチを当てて攻勢に。白幡は組み付きが多くなる。しかし終盤、白幡も左ミドルを蹴ってパンチで前へ出て挽回した。  5Rはミドルの蹴り合い。両者手数を多く出すが、白旗がガムシャラにパンチを繰り出して前へ出る。その勢いに押される形となり、後手に回る村井だがパンチとミドルを打ち返す。  熱戦の判定は2-1と割れ、白幡が勝利して新王座に就いた。 [nextpage] ▼第8試合 MuayThaiOpenスーパーウェルター級タイトルマッチ 3分5R〇J(TSK Japan/王者)判定3-0 ※49-48、50-48、49-48×降籏健嗣(士道館ひばりケ丘/挑戦者)※Jが防衛に成功。  1Rは両者様子見。2R、両者とも遠い距離で蹴りを出し、サウスポーの降旗は左ミドルからパンチをまとめ打ち。Jも右ミドルで応戦する。  3Rも両者距離が遠く、攻撃がなかなか当たらない展開。その中でもJは右ストレート、降旗は左ストレートを繰り出し、接近するとヒジを打ち合う。  4R、ミドルを蹴り合う中、Jがタイミングのいい前蹴りで降旗を下がらせる。接近戦ではヒジを当てにいくJ。右ストレートもヒットさせた。  5R、右ストレートとヒジで前に出るJに降旗も左右フックをガムシャラに打って対抗するが、右目上から出血。顔面血まみれで対抗する降旗にJは回り込みながら右ミドルを蹴る。手数が少なかった降旗に攻撃を当て続けたJが判定3-0で防衛に成功した。 ▼第7試合 ライト級 3分3R 翔・センチャイジム引退試合△翔・センチャイジム(センチャイムエタイジム/INNOVATION&WMC日本ライト級王者)ドロー 判定0-0 ※29-29、30-30、29-29△大谷翔司(スクランブル渋谷)  翔は2006年にプロデビューし、センチャイジムのエース格として長年にわたって様々な団体で活躍。これまでイノベーション認定ライト級王座、MuayThaiOpen同級王座、WMC日本同級王座、蹴拳同級王座、NJKF同級王座と5本ものベルトを獲得した。66戦目の今回、現役引退試合を迎える。  対する大谷はREBELSを主戦場とする新鋭で、10月のREBELSでは元蹴拳スーパーフェザー級王者・津橋雅祥に勝利し、勢いに乗って翔との対戦に臨んだ。  1R、大谷はサウスポーの翔に右ミドルを蹴ってのワンツー。序盤は大谷がどんどん前へ出ていったが、後半は翔が前蹴りを出しながら前へ出てヒジを狙う。  2Rは翔が前に出ていくが、大谷がワンツー&ローを何度もヒットさせる。それでも前に出る翔はヒジを狙い、前蹴りを放つ。  3Rも前に出る翔に大谷がワンツーをヒットさせていく展開。翔は組み付いてのヒザ蹴り。大谷の攻撃をもらっても必死にくらいついていく翔。最後の戦いはドローとなった。  翔はマイクを持つと「見ての通り今はもうこんな試合しかできません。今日対戦していただいた大谷選手、試合を受けてくれてありがとうございました。これから頑張ってください」と大谷にメッセージを送り、センチャイ会長を始めとする関係者や家族にお礼を述べた。  続けて「僕は全然勝ったり負けたりで、1回辞めて田舎に帰ってキックのことを忘れようと思った時もあって。そこからベルトを5本も巻かせていただき会長なくして僕の選手生活はなかったです。本当に夢は叶うんだって。それは本当に僕の夢だったので諦めなければ叶うんだって思います。第二の人生を妻と共に頑張っていきたいと思います。本当に今までたくさんの応援ありがとうございました」と涙ながらに語り、10カウントゴングを聞いた。生涯戦績は35勝(17KO)27敗4分。 [nextpage] ▼第6試合 MuayThaiOpenスーパーバンタム級王座決定戦 3分5R〇稔之晟(TSKJapan)判定3-0 ※50-47、50-46、50-45×加藤洋介(チームドラゴン)  1Rはローの交換。稔之晟は左右ミドルを蹴っていき、加藤はステップを使いながら攻撃の機会をうかがう。  2R始まってすぐに稔之晟がヒジでカットに成功。ドクターチェック後再開し、稔之晟はミドルと首相撲。加藤はボディで対抗する。  3R、稔之晟が単発の攻撃から組む展開が増え、加藤をマットに叩きつける。加藤も組むが攻撃が出ない。  4R、稔之晟は前蹴り、左ミドルと蹴りを多用し、組んでもマットに叩きつけるなど明確な差をつける。加藤は左ボディを返すが手がほとんど出ない。  5Rは稔之晟が左ミドルを次々とヒットさせ、最後は首相撲からマットに叩きつけて試合を終えて、判定3-0で稔之晟が新王座に就いた。 ▼第2試合 スーパーフライ級 3分3R×バンサパン・センチャイジム(タイ)判定0-3 ※28-29、28-30、28-30〇花岡 竜(橋本)  アマチュアでなんと28冠王を達成した“平成最後の怪物”こと花岡が、念願だったタイ人との初対決を迎えた。バンサパンは12勝8敗7分の24歳。  1R、右ローを主軸にする花岡は軸足払いや首相撲で何度もバンサパンをコカす。バンサパンもムキになってコカし返す。花岡は前蹴りとパンチでボディを攻め始める。  2Rもコカしまくる花岡は顔面とボディへ前蹴り、さらに徹底してボディブローで攻める。バンサパンはミドルを蹴るが花岡の速いテンポについていけない様子。  3R、サウスポーに構えた花岡は左ミドルを連打、さらに左右ボディとローに攻撃を散らす。バンサパンが組んでヒザに来るとヒジ打ちで対抗し、最後は後ろ蹴りや二回転蹴りなど大技を放って試合終了。判定勝ちで戦績を無傷の4戦4勝とした。 ▼第5試合 58.0kg契約 3分3R×佐藤政人(NEXT LEVEL渋谷)判定0-3 ※29-30×3〇森岡悠樹(北流会君津) ▼第4試合 フェザー級 3分3R×成澤 龍(SRC)判定0-3 ※29-30×3〇浦林 幹(クロスポイント吉祥寺) ▼第3試合 スーパーバンタム級 3分3R〇鈴木貫太(ONE’S GOAL)判定3-0 ※30-29、30-28、30-29×森本直哉(グランディール池袋) ▼第1試合 スーパーバンタム級 3分3R×健・センチャイジム(センチャイムエタイジム)判定0-3 ※28-29、29-30、28-30〇豪之晟(マイウェイスピリッツ)
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