どこまで組んでいけるのか、楽しみ
キャリアの後半に来て、自身のMMAがクリエイト出来ている実感を持つ。
「本当ずっと伸びてるっていう気分はしています。今はどんどんMMAが進化してるんで、ポジションの部分でも、バック取っても今はもうみんなディフェンスが上手くなってフィニッシュは遠くはないけど、みんな対応が上手くなっている。そうなると今度は新しい動きが出てくる。例えばガブリでハメるとか、色々出てくるのが、面白いなとは思います」とMMAの進化と、自身の進化を語る。
自分の武器と照らし合わせながら、近代MMAにオリジナリティをぶつけていく。
「“隙間産業”みたいなことで、“ここがめっちゃ攻防に、これからポイントになるんじゃないか”、みたいなのは結構意識して練習してる」という。それが、ユニファイドとは異なるRIZINルールで創造するのが、佐藤将光のMMAの醍醐味でもある。
「相手もまだ警戒できていなっていうか、一般的なMMAのセオリーと違うことができるところだから、そこが面白さでもあり、可能性がすごいあるところ。
パッチー戦でももちろんそういう場面が来れば狙うけど、意図的にそこを作れるかどうかっていうのはまた別の話なんで。スウィーニー戦では4点ヒザの話だったけど、違うところでも“これ、ワンチャン行ける場面来るかもな”みたいなのは用意してる」
対するミックスの強みは、バックからの絞め、ギロチンでのフィニッシュだ。
「そこに目が行きがちだけど、打撃もちゃんとできる。たとえばサバテロはテイクダウンのための打撃をするけど、パッチーはちゃんと打撃ができるっていう印象。テイクダウンから極めの怖さがあるから打撃も余計当たるっていう、ラフェオン・ストッツ戦(ミックスが1R KO勝ち)みたいなことは起きる」と、バンタムでのミックスの強さの幅を過小評価はしていない。
と同時に、もし組んでもやりあえる気持ちもあるのでは? と問われると、「うん。そこは肌合わせてみないと分からないけど……ちょっと楽しみなところですよね。どこまで組んでいけるのか」と、目を輝かせた。
バンタム級では、元谷友貴をはじめ、アルバート・モラレス、ジェームズ・ギャラガー、マゴメド・マゴメドフ、ラフェオン・ストッツ、セルジオ・ペティスら、錚々たる面子をフィニッシュしてきたミックス。2022年のワールドGPでは、堀口恭司をドミネートして判定勝ちもしている。
「やっぱりバックテイクがすごい上手い。堀口戦では、壁で座ってる状態で立ち際にバックに乗ってほとんどバックコントロールしてたなって。もちろん、その前にテイクダウン取れてるのも。堀口選手ってそんなにテイクダウンを取られないですよ。その相手からあんなにバンバン取ってるから、まあ強いんだろうなとは思います」と、最高のミックスを想定する。
今回の『RIZIN.54』はケージではなくリングだ。その違いを佐藤は「不確定要素」の差と評した。
「テイクダウンで手が回る(ロープの間でクラッチできる)っていうのは向こう(ミックス)はいいかもしれないですね。逆に変に引っかかるとか、外に出ちゃうとか、そういうことには慣れてないんじゃないかな。やっぱリングの方が不確定要素が大きい。ストップ・ドント・ムーブをかけるのか・続行させるのかもレフェリー次第でさじ加減がある。かなり難しいラインっていうか、不確定要素がかなり高いから、ケージの方が外からの介入は少ないかなって思います」
不確定要素が多いなかで、周囲に“いっぱいアドバイスくれる参考書”はいる。しかし、最後に組み合わせるのは自身だ。
「以前、セコンドにいたコクエイから『お前、本当言うこと聞かねえな』って(笑)。まあ、でも自分で後悔したい。自分で失敗したいタイプなんで“ちょっとやらせて”って。自分で結果に責任持ちたいっていうのがありますね」
自身の選択の連続で相手を上回るのが格闘技だ。それを可能にする心技体を作らなければならない。そこでいいパフォーマンスを出して、頂きにアタックする。
フライ級とともに、バンタム級戦線も一気に層の厚みを増している。
「サバテロ、井上(直樹)君、新規外国人選手も入ってきて、太田忍選手と戦ったイリスベク・ティレノフ、アジズベク・テミロフ(※後藤丈治と対戦)とか、ジョン・スウィーニー、キム・スーチョルももっと見てみたいし、なんか、面白くはなってきましたよね。
やっぱりRIZINでやらせてもらってて、RIZINナメんなっていうのはサバテロの時もあったんですけれど、外から入ってきた人にさっと持っていかれちゃうみたいなのは嫌だから。そういう気持ちもある。やっぱりサバテロにもやり返したいし、RIZINに急に来てポンポンうまくいっちゃって、チャンピオンとしてなんかのさばってる感じが(苦笑)。やっぱりそっから引きずり下ろしたいっていう気持ちはあります。
僕もタイトルマッチに行けるように、レベル的にはそんなに差はないと思っているので。簡単には行かせないし、自分自身もそこは一個、やってる限りは目指していきたいと思ってるので。自分がタイトルマッチに行けるように頑張ります。でもそれよりも、今回はミックスと戦うことに集中しています」
そのミックスとどんな試合をするか。
「やっぱり“仕留めに行く”試合は見せたいかな。ちゃんと勝負するところは見せたい。その結果がどうなるかは分からないけど、しっかりこの日に向けて“勝負する”準備してくるんで、試合しっかり見届けてください」(【追記】10日の計量でパッチ―・ミックスが2.85kg体重超過)。









