ジョシュア・ヴァンを参考に覚醒した
「この試合で怪我したり、どうなってしまうか分からない相手」と警戒するガジャマトフを、ストライカーのみならず、オールラウンダーととらえている。
「リーチもタッパ(身長)もあって、遠い距離で戦えて、強い蹴りが結構厄介な感じで、普通に組みも全然できる。征矢(貴)さんとやった時もタックル入っても結構バチッと切ったり、思いっきりぶん投げたりしてたんで、ストライカーって言うよりかはもう本当にオールラウンダーですよね」
ガジャマトフの正面からの打撃と組みのプレッシャーに、いかに立ち合うか。
伊藤は「別に組んできても、もう今誰からもテイクテイクダウン取られない自信があるんで。“もう何してきてもいいよ”って感じですかね。一緒に練習してる人とかも“いや、なんか急激に強くなったね。なんか変なのやった?”みたいな感じで言われるぐらい、今、覚醒してるんで。そこをしっかりちゃんと試合で見せたいです。もう組んで来いだし、組んできたら全然、極めにも行けるぐらいなんで」と組みの進化を語る。
さらに、スタンドで伊藤は四角いリングで戦う今回、ステップがキーになるという。
「壁(ケージ)の方が僕は好きですけど、リングの方がまだ彼と立ち合いやすいかもしれない。それに前回ぐらいから“結構マットが変わって滑りにくくなった”って聞いたんで、そんな滑らないマットで僕の打撃やったら、もうとんでもないことになるっスよ」と、自身に利があるとする。
圧力をかけてくるガジャマトフに対して、伊藤はフットワークを使った出入りの攻撃を多用する。そこにマットの変化が奏功するという。
「僕、結構ステップを使う方なんで、やっぱり、ギュって止まるよりもステップでパンパンっていきたいんで、そのグリップがあればもっと行けちゃう。今まで見せたストライキングよりもう一段階レベル上がると思う」
そして、伊藤の打撃と組みの融合は、さらなるステップの変化からももたらされている。それは、同級の世界トップ、ジョシュア・ヴァンの戦いからもヒントを得たという。
「いま試してる最中でもありますが、ぴょんぴょんというステップから、足をずっしりとさせながら打ったりもする。いろんなことを試しながらやってるところで、うまいこと全部リンクさせてって感じですね。
ジョシュア・ヴァンはめちゃくちゃ冷静。人生3周目ぐらい落ち着いている(笑)。どんだけやられようが、しっかり冷静に対処して、スタンスが上がらない。構えを見ても肩とかも、普通はラウンド重ねるごとに身体の軸がふわふわしてきたりするんですけど、ヴァンは常に一定のスタンスで上下しないで、逆に動きは右肩上がりに上がっていく。その冷静さを裏打ちするのが、腰の強さと、もうベタ足で歩いて“タックル来るんだったら来いよ”ぐらいの足運びで。自分もそういうのを参考にして今、やったりしてる感じなんで。蹴ってくる相手にそれで合わせたり、身体の使い方を考え、今まで無理に(組みに)付き合ったりしとったけど、ただもう切ってスタンドに戻すのを徹底したりしてきたんで、今回の試合でできたらなって。そのステップをやり出してから本当に、誰からもテイクダウン取られる気しないです。なんなら“ガジャマトフ、テイクダウンに来いよ”って、もう手を上げときますよ(笑)」
ガジャマトフを攻略した扇久保、その扇久保を東北ダービーで下した神龍を「そうなるかなとはうっすら思ってましたね。組みの扇久保選手が試合前からちょっとムカついてたじゃないですか。それにチャンピオンとしての多分意識もあって、それで結構もう打撃だけでこだわっちゃいそうだなと、そこで黙らしてやろうっていうところを、神龍がうまいことを散らして散らして、最後には寝かせたりもして、まあ……やっぱさすが僕の“元恋人”だけありますね」と今年、最後のターゲットに見据える。
「ララミーも有力候補ですけど、チャンピオンシップの権利を得るには、、ガジャマトフにいい勝ち方すれば 当然そこにたどり着けるんじゃないですか。大晦日が今年名古屋なんで、そこでじゃあ、誰が盛り上げるんだ? ってなったら、ま、俺しかいないよねっていうことを、口だけで言っても説得力ないんで、このガジャマトフ戦で“もう伊藤しかいない”という試合を見せれば、おのずとその結果になるんかなと思ってます」
伊藤裕樹は8月11日、TOYOTA ARENA TOKYOで、最難関のガジャマトフを突破できるか。









