KORAKUEN JUNBLEKORAKUEN JUNBLE
修斗修斗
MMA
インタビュー

【RIZIN】伊藤裕樹、ジョシュア・ヴァン戦法で覚醒「ガジャマトフはオールラウンダー。でも“あのステップ”をやり出してから誰からもテイクダウン取られる気がしない」=8月11日(火・祝)

2026/08/08 14:08
 2026年8月11日(火・祝)東京・TOYOTA ARENA TOKYOで開催される『RIZIN.54』フライ級で、25年の「RIZINフライ級ワールドGP」ベスト4のアリベク・ガジャマトフ(ロシア)と対戦する伊藤裕樹(ネックス)が会見後、本誌インタビューに応じた。 ▼RIZINフライ級(57kg)5分3R伊藤裕樹(ネックス)20勝7敗アリベク・ガジャマトフ(ロシ/KHK DAGESTAN)6勝1敗  伊藤は、幼少期からボクシングを学び、2016年にTHE OUTSIDERでMMAデビュー。21年3月のRIZINデビュー戦で杉山廣平を1R 33秒でTKOに下すと、RIZIN3連勝。8月からDEEPフライ級GPに参戦し、原虎徹、ビョン・ジェウンに勝利したが、23年2月の準決勝で本田良介に判定負け。同年5月のRIZINでも山本アーセンに判定負けで自身初の連敗。  RIZINでヒロヤ、トップノイ、上田将年を相手に判定勝利後、24年10月にイ・ジョンヒョンに3R TKO勝ち。25年3月、初の北米選手との国際戦で、トニー・ララミーに判定勝ちでRIZIN5連勝。5月に神龍誠に判定負けも、フライ級GP1回戦でエンカジムーロ・ズールーに判定勝ち。しかしフライ級GP総選挙で無念のリザーバーに。25年9月に山本アーセンとの再戦で悔しい判定負けを喫した。26年3月に元LFAフライ級王者&KNOCKOUT UNLIMITEDフェザー級王者のカルロス・モタを左ハイからのワンツーでKO。再起を果たしている。  対するガジャマトフは8歳から始めたウーシュー散打でロシア王者に。アーミー・ハンド・トゥ・ハンド・コンバットでは北コーカサス王座に2度制覇。10年間取り組んだ散打で120試合以上を経験するなかMMAに転向。  プロデビュー戦以来ACA Young Eaglesで4戦し、いずれもパンチ、グラウンドでのパウンド、前蹴りでの3つのKOとRNCでの一本勝ちで全てフィニッシュ勝利。24年11月にRIZIN初参戦で北方大地と対戦し、1R パウンドによるTKO勝ち。25年7月のフライ級GP1回戦で征矢貴にTKO勝ちも、準決勝で扇久保博正に判定負け。今回は再起戦となる。 「五段論法」も国際戦で結果を残す伊藤  会見で伊藤は、「元谷友貴に勝った扇久保博正に勝った神龍誠に勝った元谷友貴に勝ったララミーに勝った、伊藤裕樹です」と、強引な五段論法を持ち出し、カルロス・モタ戦から連続の国際戦となるアリベク・ガジャマトフとの試合に向け、「今回、RIZINの外国人ファイターで一番強いと思っているガジャマトフ選手との対戦が決まって、この8月、バッチリ勝って。最近ちょっと失恋したもので、また振り向いてもらえるように。大晦日、告白したい奴がいるので、また皆さん応援よろしくお願いします」と、神龍誠へのリベンジマッチを実現させたい、と語っていた。  会見後も「もうほんと結構、誠に恋してるみたいな感じにしてるんですけど、もうチャンピオンになった途端にマジで何ひとつ連絡というか、反応してくれないですね。ツンデレなのかな、やっぱ、手に入らんくなると追いかけたくなる」と、6月の仙台大会で扇久保に判定勝ちでベルトを巻いた新王者を振り向かせるためにも、ガジャマトフに勝利したいと話した。  伊藤が五段論法を持ち出すまでもなく、5連勝中だった扇久保博正が陥落したことで、RIIZINフライ級戦線は混沌としてきている。神龍誠は1年前に元谷友貴に判定負け。その元谷は扇久保とトニー・ララミーに連敗。RIZIN4勝1敗のララミーは、伊藤にのみ敗れている。その伊藤は神龍とアーセンに黒星を喫している状況だ。相性によってじゃんけんのように勝敗が入れ替わっている。  現状、新王者・神龍への挑戦に最も近いと思われるのが、59.0kg契約試合ながら、6月の仙台大会で元谷に完勝したララミーだろう。  その元谷vs.ララミー戦について、伊藤は「相性的には、元谷さんがそんな良くないのかなと思ったんです。元谷さんがテイクダウンに行こうとしても、ララミーもレスリングできる。で、打撃もやっぱりできるんで、そういうときに元谷さん、打撃につき合っちゃうところがあるんで、ちょっと相性は悪いかなって思いつつも、やっぱり元谷さんのバックコントロールはマジで強いんで、そこで組み勝つんじゃないかなと思っとったら、打撃も組みももう全部圧倒してたんで……ララミー、強いっスね」と、名古屋の“寒天練習”でともに肌を合わせている、実力者・元谷を上回ったララミーを高く評価した。  そのララミーに打ち勝っているのが伊藤だ。「ララミーがその前、村元(友太郎)君だったり、山内渉選手とやったときも“やっぱ強いな”みたいな感じだったんですけど、対外国人になると、やっぱりもう覚悟決めないと本当に1発で全部持ってかれるじゃないですか。だから、試合の時は“もう何としてでも勝つぞ”っていう気持ちだった。打撃だったら負けない自信があったんで、『最初のパンチが効いた』って言ってたけど、もっとフィニッシュしたかったです」と、先に左でダウンを奪われながらも、集中力を切らさず、ボディ攻撃から左でダウンを奪い返して、ララミーの組みも防いでの判定勝ちを振り返った。  そして、前戦3月のカルロス・モタ戦。サウスポーの伊藤と、左右を使い分けるモタのとの攻防のなか、1R 2分27秒、伊藤が左ハイから左ストレートでTKO勝ちした。 「モタ。やばいっスね、あれ。対峙した時のプレッシャーが、ララミーもデカかったんですけど、モタの方が威圧感がすごいあったんで、コイツの方がヤバいかなと思ったんです。モタは反応もやっぱりいいんで、その反応のいいところに(反応させて)、フェイントを入れてからハイキック入れたら当たるかなって。それが上手いうことハマった感じですね」  相性の良しあしはあっても、それを強度の高い強豪外国人相手に自身の強みを出せるのが、伊藤の進化だ。その強みを今回は、6勝1敗(5KO)のガジャマトフ相手に出す必要がある。伊藤は、戦前ダゲスタンの散打王を“嫌な相手”と評していた。 「今、ランキングとかもないけど、扇久保さんに負けただけで、あとはもう圧倒的なパフォーマンスをしてる。かなりの強敵ですね」と、その実力を認める。  扇久保は組みの展開で、ガジャマトフの得意の左での差しを許さず、自身が右で差してテイクダウンを奪って組み伏せた。しかし、同じ戦い方を誰もが出来るわけではない。  伊藤は、「ガジャマトフの攻略法は、まだそこにあるのかなと思いましたね。扇久保さんみたいなに組んでトップコントロールしてっていうのが、一番の正攻法だと思うけど、それを俺がやれって言われてトヨタアリーナでそんなことしたら、もう会場みんな冷え切っちゃうんで。この8月、本当の最強のガジャマトフをしっかりフィニッシュ、KOとかで倒して、“もう伊藤に大晦日、タイトルマッチ出てほしいわ”って言わせるぐらいの試合にしたいと思っています」と、ガジャマトフの圧力のなかでテイクダウンも切って、相手の土俵でも打ち勝つとした。 [nextpage] ジョシュア・ヴァンを参考に覚醒した 「この試合で怪我したり、どうなってしまうか分からない相手」と警戒するガジャマトフを、ストライカーのみならず、オールラウンダーととらえている。 「リーチもタッパ(身長)もあって、遠い距離で戦えて、強い蹴りが結構厄介な感じで、普通に組みも全然できる。征矢(貴)さんとやった時もタックル入っても結構バチッと切ったり、思いっきりぶん投げたりしてたんで、ストライカーって言うよりかはもう本当にオールラウンダーですよね」  ガジャマトフの正面からの打撃と組みのプレッシャーに、いかに立ち合うか。  伊藤は「別に組んできても、もう今誰からもテイクテイクダウン取られない自信があるんで。“もう何してきてもいいよ”って感じですかね。一緒に練習してる人とかも“いや、なんか急激に強くなったね。なんか変なのやった?”みたいな感じで言われるぐらい、今、覚醒してるんで。そこをしっかりちゃんと試合で見せたいです。もう組んで来いだし、組んできたら全然、極めにも行けるぐらいなんで」と組みの進化を語る。  さらに、スタンドで伊藤は四角いリングで戦う今回、ステップがキーになるという。 「壁(ケージ)の方が僕は好きですけど、リングの方がまだ彼と立ち合いやすいかもしれない。それに前回ぐらいから“結構マットが変わって滑りにくくなった”って聞いたんで、そんな滑らないマットで僕の打撃やったら、もうとんでもないことになるっスよ」と、自身に利があるとする。  圧力をかけてくるガジャマトフに対して、伊藤はフットワークを使った出入りの攻撃を多用する。そこにマットの変化が奏功するという。 「僕、結構ステップを使う方なんで、やっぱり、ギュって止まるよりもステップでパンパンっていきたいんで、そのグリップがあればもっと行けちゃう。今まで見せたストライキングよりもう一段階レベル上がると思う」  そして、伊藤の打撃と組みの融合は、さらなるステップの変化からももたらされている。それは、同級の世界トップ、ジョシュア・ヴァンの戦いからもヒントを得たという。 「いま試してる最中でもありますが、ぴょんぴょんというステップから、足をずっしりとさせながら打ったりもする。いろんなことを試しながらやってるところで、うまいこと全部リンクさせてって感じですね。  ジョシュア・ヴァンはめちゃくちゃ冷静。人生3周目ぐらい落ち着いている(笑)。どんだけやられようが、しっかり冷静に対処して、スタンスが上がらない。構えを見ても肩とかも、普通はラウンド重ねるごとに身体の軸がふわふわしてきたりするんですけど、ヴァンは常に一定のスタンスで上下しないで、逆に動きは右肩上がりに上がっていく。その冷静さを裏打ちするのが、腰の強さと、もうベタ足で歩いて“タックル来るんだったら来いよ”ぐらいの足運びで。自分もそういうのを参考にして今、やったりしてる感じなんで。蹴ってくる相手にそれで合わせたり、身体の使い方を考え、今まで無理に(組みに)付き合ったりしとったけど、ただもう切ってスタンドに戻すのを徹底したりしてきたんで、今回の試合でできたらなって。そのステップをやり出してから本当に、誰からもテイクダウン取られる気しないです。なんなら“ガジャマトフ、テイクダウンに来いよ”って、もう手を上げときますよ(笑)」  ガジャマトフを攻略した扇久保、その扇久保を東北ダービーで下した神龍を「そうなるかなとはうっすら思ってましたね。組みの扇久保選手が試合前からちょっとムカついてたじゃないですか。それにチャンピオンとしての多分意識もあって、それで結構もう打撃だけでこだわっちゃいそうだなと、そこで黙らしてやろうっていうところを、神龍がうまいことを散らして散らして、最後には寝かせたりもして、まあ……やっぱさすが僕の“元恋人”だけありますね」と今年、最後のターゲットに見据える。 「ララミーも有力候補ですけど、チャンピオンシップの権利を得るには、、ガジャマトフにいい勝ち方すれば 当然そこにたどり着けるんじゃないですか。大晦日が今年名古屋なんで、そこでじゃあ、誰が盛り上げるんだ? ってなったら、ま、俺しかいないよねっていうことを、口だけで言っても説得力ないんで、このガジャマトフ戦で“もう伊藤しかいない”という試合を見せれば、おのずとその結果になるんかなと思ってます」  伊藤裕樹は8月11日、TOYOTA ARENA TOKYOで、最難関のガジャマトフを突破できるか。
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.345
2026年7月23日発売
9.10『超RIZIN.5』でRIZIN&PFLダブル王座戦のシェイドゥラエフ&AJ・マッキー独占インタビュー。榊原CEO、野村駿太、クレベルも。K-1 朝久泰央×大久保琉唯×木村萌那
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント