日本本格進出のONEも月イチ戦争に「そこに行って何を目指すのか」(榊原CEO)
ファンにとっては様々な選択肢があるなか、日本市場には、ONE Championshipも本格進出を果たした。
4月に有明アリーナで開幕した『ONE SAMURAI』シリーズは、8月8日『ONE SAMURAI 2』がEBARA WAVE アリーナおおたで、9月12日(土)に『ONE SAMURAI 3』が横浜BUNTAIで、そして榊原CEOによれば、10月に有明で『ONE SAMURAI 4』が開催されるという。
ファイターのメルカートも慌ただしくなるなか、水面下での選手の奪い合いを問われた榊原CEOは、「選手が“ここで戦いたい”と思える舞台をどこまで作れるか」だという。
「(選手の引き抜きは)今のところは表立ってはそんなに無いようですが、ウチの選手に声はかけてるっぽいんですけどね。でも選手が今のONEに行きたいか。結局行きたい、ここで戦いたいって思える舞台をどこまで僕らが作れるか。だから現状、ONEからいくら声がかけられても行かないですよ。僕らからすれば、イベントの作りもマッチメイクもつまんないし、8月とかよくあれでやれるなっていう、僕だったらちょっと怖いですよ。9月もやるし、10月有明でやるって言ってたから大丈夫かなと、他人事ながら。ウチと組んだ方がいいんじゃないのかなと思うけど、かたくなに“榊原さんとは会いたくない”っていう風に言ってると聞くので(笑)。僕らはオープンですけど。
僕は、本当にUFCもそうだけど、僕が2015年に(格闘技界に)戻ってきた時に、とにかくオープンマインドで、もう選手の奪い合いの時代に疲弊してたんで、それはやめようと。だから僕らが貸し出すことに関しては、BreakingDownに貸すじゃないですか、僕らはそこでマネジメントフィーも他の団体のように取らないですから。そんなことやってもしょうがないんで(契約をクリアした上で)選手も行きたいと思えば、そこが一つの自分の飛躍するチャンスとなり、やってみたいって思う選手がいれば、それは止めない。ただ、ONEに行って何を目指すんだっていう、ここは何を見せるところだっていうのが、多分選手にもファンにも届いてないんじゃないかなっていう気はしますけどね」と、選手にとっても戦う舞台で何を目指すかが重要とした。
UFCホワイトハウス大会で感じた危機感
また、米国では、建国250周年を記念するUFCホワイトハウス大会が14日に開催された。同大会で選手たちは、ホワイトハウスのバルコニーを経由して内部からオクタゴンへ入場。また、トランプ大統領はダナ・ホワイト代表と共にオーバルオフィス(大統領執務室)からケージサイドに現れる演出が行われ、招待制の会場には推定4300人が来場。パブリックビューイングでは約8万5000人が観戦している。
榊原CEOは「ちょっと十八番というか、奇をてらったウチの専売特許を取られちゃったかなっていう感じがした(笑)。UFCっていうと、通常“金太郎飴”なんで、僕らから見るともう決まった同じものを常に提供し続けるノープロダクションで、結局マーケットに対して“もっと満足させよう”っていうことに対する努力は彼らあまりしないように感じる、本当に合理的なんで。でも僕らはどちらかというとオートクチュールで、演出も何も常にレベルアップしていきたいっていう、ショーとしてライブコンテンツとして見せるってことに僕らは軸足を置いてるんですけど、今回に限って言えば、あの規模感で国を挙げてやられちゃうと、だいぶすごいなというふうなスケール感のあるイベントができていいなという“100億も使ってみてえな”と(笑)。
ただ、100億使った割には効果や……っていうところはあるんですよ。あるんだけど、すごいなということが一つと。でもちょっと危機感を感じるのは、このままいくとMMAというスポーツはアメリカに取り込まれちゃいますよ。アメリカ人の常識とアメリカ人の見たいものがアメリカの中で(作られる)。他のスポーツもそうなんですよ。アメフトも結局海外ワールドシリーズとかっていうのはアメリカ人しか見てないんだから。このままいくと、MMAも『アメリカ人が喜ぶためのコンテンツ、以上』ってことになっちゃうんで、僕はそれが本当に嫌だから、やっぱり日本として、UFCと違う個性をこれからも磨いていかないと、いつの間にか気づけば、みんな選手たちはやっぱり当然たくさんお金がもらえて注目が集まるところに行くのは当たり前で、5000万人もいるアメリカのスポーツマーケットはデカいんで、そこに引っ張られるのはある。プロモーターとしては僕は、やっぱりUFCと違う路線の中で、武道の国・日本らしく、何かメイドインジャパンとしてのアイデンティティを持って、このMMAというスポーツが『アメリカ人によるアメリカ人のためのスポーツ。思いっきりアメリカにローカライズ』されないように抗いたい」と、危機感を表明している。




