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インタビュー

【RIZIN】“月イチRIZIN”──未発表の10月、11月にも大会を開催へ。榊原CEO「ダイヤモンドの原石はいる」、ONEとの毎月大会戦争は「ここで戦いたいって思える舞台をどこまで作れるか」、堀口vs.ケイプ2は「過去を知ってる我々にはすごく見応えがあるけど──」

2026/06/20 14:06
 2026年6月23日(火)11時から『RIZIN.54』(8月11日・TOYOTA ARENA TOKYO)の「追加対戦カード発表記者会見」(RIZIN FF公式YouTube生配信)が行われる。  会見に先駆け、15日と16日の会見後の囲み取材で、榊原信行CEOは“月イチRIZIN”の展望を語り、未発表の10月と11月にも大会を開催することを明かした。  さいたまスーパーアリーナが改修工事のなか、26年のRIZINは、 3月7日『RIZIN.52』(有明アリーナ)4月12日『RIZIN LANDMARK 13 in FUKUOKA』(マリンメッセ福岡 A館)5月10日『RIZIN.53』(GLION ARENA KOBE)6月6日『RIZIN LANDMARK 14 in SENDAI』(ゼビオアリーナ仙台)7月18日『RIZIN LANDMARK 15 in HIROSHIMA』(広島グリーンアリーナ)8月11日『RIZIN.54』(TOYOTA ARENA TOKYO)9月10日『超RIZIN.5 浪速の超復活祭り』(京セラドーム大阪)10月(※未発表)11月「RIZIN JAPANグランプリヘビー級トーナメント決勝」(※会場未発表)12月31日『RIZIN 大晦日』(バンテリンドーム ナゴヤ)  と、毎月大会を予定している。23日会見の8月のTOYOTA ARENA TOKYO大会では、現時点で下記2カードが決定。 ▼フェザー級(66kg)5分3R  ※選手名から前戦クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)36勝9敗1分秋元強真(JAPAN TOP TEAM)12勝1敗 ▼RIZIN女子スーパーアトム級(49kg)5分3Rケイト・ロータス(フリー)10勝8敗NOEL(DELIGHTWORKS)4勝2敗  女子スーパーアトム級の「見えないトーナメント」の選出について榊原信行CEOは、「最後に5月24日のDEEP JEWELSでイ・イェジと竹林愛留の試合を見て、最終どうするかという中で、この8人に落ち着いた」という。  ほかにも候補はいたが、「海外のいい選手が実はいるんですよ。49kgで日本に、という外国人選手が結構出てきてるけど、全く“未知強”でいきなりこのメンバーに入ってくるっていうのもない。これまで日本の中で実績がある外国人ということで、この3人(パク・シウ、ナターシャ・クジュティナ、イ・イェジ)を選んだ」といい、空位の同級王座について、「外国人同士の『王座決定戦』になっても構わない。将来的に見れば、海外の選手が王者になることで、また海外の注目が集まる。それでいろいろな外国勢がこのベルトにチャレンジしてくることを促すことになる」と、伊澤星花不在の間の同級の見通しを語る。  また、8月大会参戦も示唆していたホベルト・サトシ・ソウザついては、「サトシの可能性もあると思うのでもうちょっと、8月、9月、その先も見据えて。本当に選手たちは日々トレーニングもそうなんですけど、やっぱりいろんな怪我とか体調の問題とかそれぞれが(あって)。生身なので、僕らがパズルのように組み合わせるような形ではいかないところもあります。いろんなことを総合的に考えて、カードを最終編成したいなと思ってます」とその可能性を語っている(※サバテロvs.井上直樹 広島大会回避のコメント/BreakingDownとの対抗戦後の総括) [nextpage] 月イチ大会とサブスクの需要と供給  前述の通り、“月イチRIZIN”を行い4カ月。この上半期の4大会について、榊原CEOは、「よく入ってるんじゃないですか。いずれにしても、プロモーターとして、RIZINとして、僕らもチャレンジをしていかなくちゃいけないところがあって。記者の皆さんもそうかもしれませんけど、意外にやってみると毎月やるって大変だなという。よくPRIDEのときはやってたなと。でも、マーケットとしての需要とのバランスもあると思うんですけど、じゃあ僕らが年間6大会か8大会にしたところで、毎週末、大小中も含めて格闘技の大会って全国目白押しじゃないですか。だから我々がきちっと本当に熱のある大会を届けるのであれば、年間12大会が15大会、20大会になったとしても、それはファンの人たちも受け入れてくれると思うんですね。  ただ、それが本当にもっと総合的に考えた時に、本当に全部がPPVを売るようなカードの形にするのか。毎月やることによって、これは特に海外のプラットフォームとかと話をしている中でよく言われるのは、やっぱりサブスク会員って毎月『月額』じゃないですか。だから月に一回ぐらいはコンテンツがないと、まず海外の放送局とか配信局は相手にしてくれないですよね。だからUFCが50大会ぐらいやるのは、やっぱりメジャースポーツとしてそのぐらい大会数がないと向き合う放送局と配信プラットフォームが相手にしてくれないということ。その他のプロ野球とかMLBとかNBAとかも。シーズン制導入してるところもありますが、バスケットボールにしても野球にしても、試合数めちゃくちゃ多いじゃないですか。だから総合的に考えていくと、僕らがRIZINのコンテンツとしての求心力もそうですが、同時に運営側も体力をつける、そういうものが普通にこなせるような組織力なりマンパワーを持つ必要もある。  その上で、本当に実験的なこと、チャレンジングなことではあるけども、『今年は3月以降、全月大会をやろう』と。9月以降も10月も11月も12月も全部大会やりますので、近々発表します。その中で今後さらに海外の大会も増やしていきたいなと。今(会社)のチームも回るように担当制を敷いたり、いろんなことが必要になってきます。ただ、ここまでの仙台までの大会は、会場の動員数で言うと、9割近くどの会場も入っている。ソールドアウトした会場もありますし、仙台は追加しても売り切れてしまう状況だった。この広島も現状でいくとほぼ完売は間違いない状態だと思います。  それだけの力はつけてこれたので、あとはやっぱりPPVがどこまでついてくるか。これだけ毎月高い高いって言われながら、6,000円とかを投じていただくだけの価値を維持できるか。やってみて変更していくことも含めて、フレキシブルに動いていけたらなと思います。今後、例えば PPVに特化した大会とか、そういう方向性も考える。  UFCは思い切ってパラマウントと組むことによって、PPV方式を止めている。アメリカではなかなかPPVが、もうちょっと成立しないのかもしれません。日本の中でももう少し僕らは1大会の単価を下げるのか。ペイパービュー大会とそうじゃない大会はサブスクリプションにするのか。いろんな形でのコンテンツの出し方は、今検討している状況ではあります」と、券売の好調とともに、PPV購入の魅力、サブスクリプションの検討などもしていくとした。 選手の選択と、ダイヤの原石の発掘  首都圏のみならず地域大会の大小含め、毎月大会の開催で、ファイターによっては、出所を見極めることも出てくる。  榊原CEOは、「特にトップアスリートたちになると、そう計算します。ビッグイベントだけ出たいということを考え出すんだけど、やっぱり毎月の大会の中でどうしてもやっぱり凸凹があるんですよ。クオリティがなかなか揃わないんで、予定していても怪我もあるし、ここはれをメインとしても──メインが決まるとアンダーカードって割と決めやすいし、テーマが決まれば決めやすいんだけど、そういう意味ではバランスをうまく取りながら、それでもやっぱり選手たちは選手たちなりの計算もあるんで。  ただおかげさまで本当に選手層はすごく厚くなってきてるし、若い選手たちも本当に増えてきている。まだまだ僕らが磨いたら光るだろうなっていうダイヤモンドの原石は日本の中にたくさんいるので、そういう選手たちをどんどんもっとデビューさせたり、本当にしっかりポリッシュして、みんなの気持ちを鷲掴みにできるようなスター選手にしていく作業が必要だなというふうに思います」と、メインカードとテーマに紐づく大会設計と、今後の選手発掘について語った。 [nextpage] 日本本格進出のONEも月イチ戦争に「そこに行って何を目指すのか」(榊原CEO)  ファンにとっては様々な選択肢があるなか、日本市場には、ONE Championshipも本格進出を果たした。  4月に有明アリーナで開幕した『ONE SAMURAI』シリーズは、8月8日『ONE SAMURAI 2』がEBARA WAVE アリーナおおたで、9月12日(土)に『ONE SAMURAI 3』が横浜BUNTAIで、そして榊原CEOによれば、10月に有明で『ONE SAMURAI 4』が開催されるという。  ファイターのメルカートも慌ただしくなるなか、水面下での選手の奪い合いを問われた榊原CEOは、「選手が“ここで戦いたい”と思える舞台をどこまで作れるか」だという。「(選手の引き抜きは)今のところは表立ってはそんなに無いようですが、ウチの選手に声はかけてるっぽいんですけどね。でも選手が今のONEに行きたいか。結局行きたい、ここで戦いたいって思える舞台をどこまで僕らが作れるか。だから現状、ONEからいくら声がかけられても行かないですよ。僕らからすれば、イベントの作りもマッチメイクもつまんないし、8月とかよくあれでやれるなっていう、僕だったらちょっと怖いですよ。9月もやるし、10月有明でやるって言ってたから大丈夫かなと、他人事ながら。ウチと組んだ方がいいんじゃないのかなと思うけど、かたくなに“榊原さんとは会いたくない”っていう風に言ってると聞くので(笑)。僕らはオープンですけど。  僕は、本当にUFCもそうだけど、僕が2015年に(格闘技界に)戻ってきた時に、とにかくオープンマインドで、もう選手の奪い合いの時代に疲弊してたんで、それはやめようと。だから僕らが貸し出すことに関しては、BreakingDownに貸すじゃないですか、僕らはそこでマネジメントフィーも他の団体のように取らないですから。そんなことやってもしょうがないんで(契約をクリアした上で)選手も行きたいと思えば、そこが一つの自分の飛躍するチャンスとなり、やってみたいって思う選手がいれば、それは止めない。ただ、ONEに行って何を目指すんだっていう、ここは何を見せるところだっていうのが、多分選手にもファンにも届いてないんじゃないかなっていう気はしますけどね」と、選手にとっても戦う舞台で何を目指すかが重要とした。 UFCホワイトハウス大会で感じた危機感 (C)Zuffa LLC/UFC  また、米国では、建国250周年を記念するUFCホワイトハウス大会が14日に開催された。同大会で選手たちは、ホワイトハウスのバルコニーを経由して内部からオクタゴンへ入場。また、トランプ大統領はダナ・ホワイト代表と共にオーバルオフィス(大統領執務室)からケージサイドに現れる演出が行われ、招待制の会場には推定4300人が来場。パブリックビューイングでは約8万5000人が観戦している。  榊原CEOは「ちょっと十八番というか、奇をてらったウチの専売特許を取られちゃったかなっていう感じがした(笑)。UFCっていうと、通常“金太郎飴”なんで、僕らから見るともう決まった同じものを常に提供し続けるノープロダクションで、結局マーケットに対して“もっと満足させよう”っていうことに対する努力は彼らあまりしないように感じる、本当に合理的なんで。でも僕らはどちらかというとオートクチュールで、演出も何も常にレベルアップしていきたいっていう、ショーとしてライブコンテンツとして見せるってことに僕らは軸足を置いてるんですけど、今回に限って言えば、あの規模感で国を挙げてやられちゃうと、だいぶすごいなというふうなスケール感のあるイベントができていいなという“100億も使ってみてえな”と(笑)。  ただ、100億使った割には効果や……っていうところはあるんですよ。あるんだけど、すごいなということが一つと。でもちょっと危機感を感じるのは、このままいくとMMAというスポーツはアメリカに取り込まれちゃいますよ。アメリカ人の常識とアメリカ人の見たいものがアメリカの中で(作られる)。他のスポーツもそうなんですよ。アメフトも結局海外ワールドシリーズとかっていうのはアメリカ人しか見てないんだから。このままいくと、MMAも『アメリカ人が喜ぶためのコンテンツ、以上』ってことになっちゃうんで、僕はそれが本当に嫌だから、やっぱり日本として、UFCと違う個性をこれからも磨いていかないと、いつの間にか気づけば、みんな選手たちはやっぱり当然たくさんお金がもらえて注目が集まるところに行くのは当たり前で、5000万人もいるアメリカのスポーツマーケットはデカいんで、そこに引っ張られるのはある。プロモーターとしては僕は、やっぱりUFCと違う路線の中で、武道の国・日本らしく、何かメイドインジャパンとしてのアイデンティティを持って、このMMAというスポーツが『アメリカ人によるアメリカ人のためのスポーツ。思いっきりアメリカにローカライズ』されないように抗いたい」と、危機感を表明している。 [nextpage] 堀口vs.ケイプ2は過去を知ってる我々からするとすごく見応えがある試合 【写真】20日の計量は両選手ともにクリア。(C)Zuffa LLC/UFC  また、日本時間21日(日)の早朝から始まる『UFC Fight Night: Kape vs.Horiguchi 2』では、堀口恭司とマネル・ケイプがRIZIN以来、約8年半ぶりに対戦する。  2017年大晦日のバンタム級GP準決勝をさいたまスーパーアリーナで戦った両者の再戦は、ラスベガスのUFC PIに隣接するMeta APEXで約1000人の観衆のなかで、メインイベントとして開催される。  榊原CEOは、「堀口もケイプも頑張ってほしいと思うんですけど、それをホワイトハウス大会でやったらいいのにね。PI(Meta APEX)っていう本当、お客さんの少ない中で『フライ級だからしょうがないですよ』っていう人もいるけど、それにしても日本でマッチアップして、そのカードを磨いてやったら、すごいたくさんの観客に入ってもらえるし、もっとみんなの注目が集まるかな、と思いながら。でもやっぱりRIZINの中でしのぎを削った2人が8年ぶりに再戦するっていうのは、過去を知ってる我々からするとすごく見応えがある試合だと思うので、RIZINファンの人たちは言わずもがな全員見ると思うんですけど……でもひょっとすると(サッカーW杯の)日本代表戦と裏被りですよね。21日の日本代表とチュニジアの試合が13時からだから、ちょうど堀口vs.ケイプ(※9時メインカード開始でメインイベントは11時前後の予定)と真裏で被る感じかもしれないですけど、両方見ていただいて、僕も両方あちこち行ったり、画面で見るようにしたいなと思ってます」と、両者の健闘を祈りながらも、APEX開催に一抹の寂しさを隠さなかった。  最後に、「9月(大阪)の対戦カードもいろいろ決まってきています。RENAと(ナターシャ)クジュティナは先んじて発表しましたけど、ただ、毎月やることの功罪で発表の順番が難しくて。7月や8月のカードの前に9月を発表すると、そこに話題を持っていかれる。いろんな意味で僕らも勉強で大変だなって思いながらも、7月の声を聞いて、9月カードも発表したいかなというところですね。来週中には8月の追加カードをズバッと発表します」と、6月23日の会見について語った榊原CEO。  新たなチャレンジは、新たな選手とファンを掴むか。
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