修斗修斗
MMA
レポート

【UFC】ゲイジーが2Rのピンチ乗り越えトプリアを4R終了時TKOでライト級王座統一、トプリアは18戦目で初黒星。ガヌがペレイラを2R TKOで三階級制覇を阻止してヘビー級暫定王座返り咲き。オマリーが左右ローのザハビに左ジャブ、右STでウォークオフKO。無敗ホキットがTDパウンドでルイスを削り左フックTKO「シャマが欲しい!」、ルフィがチャンドラーを初回TKO、第1試合はロペスがガルシアをKO!

2026/06/15 01:06
 2026年6月14日(日本時間15日朝9時~)、米国ワシントンD.C.のホワイトハウス南庭(サウスローン)にて、『UFC Freedom 250: Topuria vs. Gaethje』(U-NEXT/UFC Fight Pass)が開催された。  アメリカ建国250周年の祝典と同時に大統領の80歳の誕生日を祝うものとして行われる同大会に向け、総額6000万ドル(約90億円)の費用をUFCが負担。サウスローンに特設された屋外での会場は4300人を収容し、ザ・クローと呼ばれる大型照明が設置された。ホワイトハウス前のエリプスでのパブリック・ビューイングでは、一般向けに約85,000枚のチケットが用意されている。  すべてがメイン級の全7試合のみの特別な大会のメインイベントは、イリア・トプリアvs.ジャスティン・ゲイジーによる「UFC世界ライト級王座統一戦」。コメインはアレックス・ペレイラvs.シリル・ガヌの「UFC世界ヘビー級暫定王座決定戦」の二階級の王座戦が組まれた。  天候は日中に雷雨の可能性と強風の突風が予想されているが、会場のオクタゴン上部には屋根が設置されており、ダナ・ホワイトUFC代表は「雨が降っても、私たちは行く」と明言。大会は「悪天候の影響により」20分ほど遅れてスタートした。前日計量は全選手がパス。今大会の特別な「ファイト・オブ・ザ・ナイト」は両選手に40万ドル(約6350万円)。「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」は42万5000ドル(約6750万円)が贈られた。 『UFC Freedom 250: Topuria vs. Gaethje』試合速報 ▼UFC世界ライト級王座統一戦 5分5R〇ジャスティン・ゲイジー(米国)28勝5敗(UFC 11勝5敗)暫定王者[4R終了時 TKO] ※コーナーストップ×イリア・トプリア(ジョージア/スペイン)17勝1敗(UFC 9勝1敗)※UFC9連勝でストップ 正規王者※ゲイジーがライト級統一王者に  同大会のメインイベントは「UFC世界ライト級王座統一戦」(5分5R)で、イリア・トプリア(ジョージア/スペイン)とジャスティン・ゲイジー(米国)が対戦する。  トプリアは、UFC史上10人目の二階級制覇王者(現ライト級&元Uフェザー級王者)。8歳でグレコローマンレスリングを始め、2015年に18歳でプロMMAデビュー。18年5月、ジョージア人として初めてブラジリアン柔術の黒帯を取得した。その後、卓越したボクシング技術にも磨きをかけて、2020年10月にUFC初出場。2024年2月にフェザー級王者・アレクサンダー・ヴォルカノフスキーに挑戦し、2R 右フックでKO勝ち。MMA15連勝・UFC7連勝で、ジョージア人およびスペイン人史上初となるUFC世界王座獲得に成功。  2024年10月にマックス・ホロウェイを3R KOに下すと、25年2月にフェザー級王座を返上。25年6月「UFC世界ライト級王座決定戦」でチャールズ・オリベイラと対戦。右ストレートから左フックのコンビネーションでダウンを奪いパウンドで1R KO勝ち。UFC史上初のキャリア無敗での二階級制覇を達成した。  その後、元パートナーとの法廷闘争によりファイト活動を休止。26年2月、トプリアに対する訴訟がすべて取り下げられて合意書に署名、法廷闘争は終了。今回、1年ぶりの復帰戦となる。29歳。  対するゲイジーは、4歳からレスリングを始め、高校時代にアリゾナ州王者に2度。北コロラド大学ではNCAAディビジョン1でオールアメリカンに選出された。卒業後の2011年にプロMMAデビュー。2014年1月にWSOF世界ライト級王座を獲得すると、5度目の王座防衛を経て、2017年7月にUFCデビュー。2019年9月にトニー・ファーガソンとの「UFC世界ライト級暫定王座決定戦」で5R TKO勝ちで戴冠。翌年にハビブ・ヌルマゴメドフとの王座統一戦で一本負けで暫定王座を失うと、マイケル・チャンドラー戦の勝利を経て、オリベイラのライト級王座に挑戦も一本負け。  23年3月にラファエル・フィジエフに判定勝ち後、同年7月にダスティン・ポイエーを右ハイキックでKO勝ち。BMF王座を獲得。24年4月にホロウェイに5R 4分59秒 中央での打ち合いに応じて右フックでKO負けでBMF王座を手放した。25年3月にフィジエフとの再戦で判定勝ちすると、26年1月にパディ・ピンブレットと「UFC世界ライト級暫定王座決定戦」と5R戦い、判定勝ち、暫定王座についている。37歳。  会見で正規王者トプリアは「ゲイジーが前に出てくるなら最初の2分間で眠らせる」とKO予告。対するゲイジーは、その発言に対し、「彼は自分を窮地に追い込んでしまった」と語り、25分間の死闘に引きずり込むとした。 「ストライカー同士の戦い」と見られているが、互いにレスリングベース。トプリアは94%のテイクダウンディフェンスを誇り、そこにサブミッショングラップリングの極めの強さ・受けの強さも兼ね備える。ゲイジーにはカレッジレスリングベースの前進力、テイクダウンディフェンス(74%)、立ち力がある。その組みの強さがスタンドにどう影響するか。トプリアは会見で「ジャスティンはレスリングを仕掛けてくるだろう。そして左右のレッグキックにハイキックも」と予測している。  ともにオーソドックス構え。トプリアの鋭いジャブ、強烈な左ボディから右ストレートのコンビネーションに対し、ゲイジーは腹は空けるものの高いガードで左右フック、ダーティーボクシング、さらに強烈なカーフキックも武器とする。ともにどんな間合いで戦い、武器を当てるか。  王座戦の25分間。ゲイジーは5カ月前にピンブレットと5Rを戦っており、スタミナ、試合勘ともに十分。さらにホワイトハウスの敷地内という「屋外」での試合に向け、過去50年間のデータから「湿度70~80%」になることを見越し、サウナを活用して意図的に体温を限界まで引き上げるトレーニングで環境に適応するようにしてきている。  対するトプリアも、主なキャンプ地を高温・多湿のフロリダ州マイアミに設定。屋外での爆発的なスプリントトレーニング、ハードなスパーリングを重ねることで身体を屋外仕様に適応させてきた。フィニッシャーであるがゆえに、5Rまで戦ったのは2023年6月のフェザー級でのジョシュ・エメット戦のみとなるが、手数を出し続け、後半になってもステップのキレやハンドスピードが落ちない無尽蔵のスタミナを証明している。しかし、1年ぶりの実戦でライト級での試合勘はどうか。  日本時間15日の月曜日・朝9から配信開始となる『UFC Freedom 250』に向けたメディアデーでのインタビューは以下の通り。  前日公開計量で暫定王者のゲイジーは「僕はまさにこのために生まれてきたんだ。恵まれている。今、この立場にいられること。そして明日の夜、彼を倒してタイトルを奪う。見ていてくれ」と王座統一を宣言。  対する正規王者は「子供の頃から、『アメリカン・ドリーム』という言葉をよく耳にしてきた。その言葉の意味を、私は本当には理解していなかった。だが、明日の夜、俺たちはアメリカン・ドリームを現実のものにする。また勝利を掴み取る。8連勝だ。そしてその勝利を華麗に飾ってやる。明日の夜、会場で会おう」とジョージア・スペイン国籍で米国でUFC世界王者に輝いたトプリアは語った。  タッチグローブ、向かい合うと、ゲイジーの大きさが目立つ。  1R、ともにオーソドックス構え。左ジャブから入るゲイジーに詰めるトプリア。ゲイジーは押し戻すとニータップを見せる。切るトプリア。ゲイジーも深追いせず。左ミドルのゲイジー。トプリアは右から左の高速ワンツー。さらに右オーバーハンドも。頭をずらしているゲイジーは左ハイ。ニータップで組むが、突き放すトプリア。組みに崩れない。  足を取りながらアッパーを狙うゲイジー。しかしトプリアの右のダブルに後退。立て直す。右カーフのトプリア。ゲイジーは右にサークリングし右アッパーは空振り。さらに右オーバーハンドのトプリア。互いにジャブ刺し合いに、トプリアが右目尻から出血。  ゲイジーは右フック。歩いて詰めるトプリアに右のオーバーハンドを強振も、ガード固めて前に出るトプリアは右から左の返し!  ゲイジーは崩れるも右の打ち合いから組んで間合いを詰める。右から左ボディのトプリア! ゲイジーはダーティボクシングで右アッパーで応戦する。トプリアのラウンドだが、入り際にゲイジーの右をもらうなどいつもより被弾もある。  2R、詰めるトプリアに右オーバーハンドのゲイジー。トプリアは右カーフ。ゲイジーはまだカーフを打てない。圧力をかけるトプリア。ワンツーのトプリアは左右ボディ打ち。さらに左ジャブ。ゲイジーはニータップも離れるトプリア。  左ジャブのゲイジー。トプリアのフェイントにジャブが当たらず。ジャブの刺し合いから右アッパーも、トプリアの左ボディに身体がくの字になる。  左右ボディに下がるゲイジーはダーティボクシングで応戦もボディ打ちにダウンしたゲイジー。トプリアは潰してマウント、パウンド! 腕十字も狙うが、ここはクラッチしたゲイジー。トプリアはハイマウントから三角絞め、腕十字! 体勢を立てた瞬間に身体を起すゲイジー。  残り30秒、サイドに移行したトプリア。ゲイジーは下のままだが、トプリアは押さえ込んだまま動かずブザー。トプリアのラウンド。2P差がついたか。トプリアの消耗が気になる中盤戦に。  3R、グローブタッチ、すぐにクリンチしたゲイジーはヒザ。離れたトプリア。ゲイジーは右。バックステップのトプリアのスタミナはいかに。  ゲイジーのハイキックに右を合わせに行くトプリア。左ジャブの刺し合い。ゲイジーのジャブが再び届くようになる。トプリアの右にキレが欠ける。  ゲイジーは右! ダウンしたトプリアにゲイジーはがぶりから細かいパンチ、ダース狙い。大「USA」コールのなか、立ったトプリア。  ゲイジーは左三日月蹴り。ワンツーの右にクリンチのトプリア。右で突き放すゲイジー。ともにダーティボクシング。ヒザ蹴りのトプリア。右オーバーハンド! しかしゲイジーも右! 後退したトプリア。ゲイジーは跳びヒザでトプリアにケージを背負わせる。体を入れ替えようとしたトプリアを押し込み、離れ際に左ハイをガード上から叩き込む。ゲイジーのラウンドに。どこまで回復できるか。  4R、左ジャブのゲイジーは右オーバーハンド。さらに組んで投げ! すぐに立つトプリアは左ボディ! しかし、ゲイジーも左ハイ。互いに左の刺し合い。トプリアの右にゲイジーも軸がブレるが、前に出る。右カーフを打ったゲイジー。顔が大きく腫れたトプリアも前に。ゲイジーは跳びヒザから右に回る。  ジャブの刺し合いから近づいて右のダーティボクシングはゲイジー! 目を触って下がるトプリア。追うゲイジー。トプリアは左ボディ、ヒザ。ゲイジーにボディロックから払い腰でテイクダウン!  マウントを奪うトプリアは亀になって股を抜けて立ち上がり。汗と血で滑り、力がまだ残っている。トプリアはさらにダブルレッグもゲイジーはがぶり! 亀から立とうとするトプリアの横腹に右ヒザ! 崩れたトプリアだがブザー。  最終ラウンドもレフェリーが両手をクロス。トプリア陣営が続行不可能と判断。ゲイジーがライト級王座を統一。トプリアは18戦目で初黒星を喫した。ゲイジーはケージの上から勝利のムーンサルトを敢行。そのまま頭から後転でマットにぶつけるも笑顔。 試合後のゲイジー「俺は自分に『お前は負けるぞ、恥をかくことになるぞ』と言い聞かせていた」  試合後、ケージの中でインタビュアーのジョー・ローガンから「ジャスティン、君はキャリアを通じてずっとこの瞬間を待ち望んでいた。そして、一時は『1対6』の圧倒的アンダードッグだったこの戦いで、これほど劇的な勝利を収めたんだ。今、どんな気分?」と問われ、「おい、俺はアメリカ出身だぜ。250年前、俺たちの先祖は『1対6』どころじゃない絶望的な逆境をひっくり返したんだ。その結果、今のこの繁栄を見てくれよ! 現役、退役、そして未来のすべての軍関係者の皆さん、本当にありがとう。そして警察官、消防士、救急隊員(EMS)のすべての一線で働く皆さん(ファーストレスポンダー)にも心から感謝します。皆さんがどれほどありがたい存在か、言葉にできません。俺の身体が動く限り、自分の名前を使って金を稼ぎ、皆さんをサポートし続けます。何よりもまず、皆さんに感謝を。  そして、すべての栄光を神に捧げます。伝説的な何かを成し遂げるこの機会をずっと祈り続けてきました。今の試合は……間違いなくヤバい内容だったはずだ。自分でもまだ信じられないくらいだからね」とマイク。  ローガンから続けて「このスポーツの歴史において、最もアップセットな試合の一つだ。しかし君は、このスポーツが目撃してきた中で、最もタフで伝説的なファイターの一人だ。それを今夜証明してみせた。試合中、激しく効かされる場面もあったが、君は跳ね返し、立て直して、相手にダメージを返し続けたね」とピンチの2Rを問われる。  ゲイジーは「ああ。1ラウンドをなんとか生き残らなきゃいけないのは分かっていた。彼がスタミナ十分で、文字通り絶好調の時のスキルは、誰にも真似できないレベルだからね。でも、俺のタフさ、執念、そしてハートがあれば、最初の数ラウンドを乗り越えられると信じていた。それに、後半のラウンド、特にチャンピオンシップラウンド(4、5ラウンド)の運動量なら、誰にも負けない自信がある」と、近い距離でのダーティーボクシングやテイクダウンの動きも混ぜての後半勝負にかけていたことをあらためて語った。  ゲイジーは右オーバーハンドを効かせて、4R終盤にはボディへのヒザ蹴り。これが致命傷になった。「トプリアはコーナーに戻ったものの、チームが試合を続けさせようとしても、もう立ち上がれなかった」とローガンは最後の瞬間を説明。  映像を見たゲイジーは「ああ、やり返してやったんだ。それまでに、あいつに(ボディ打ちで)レバーをめちゃくちゃに効かされてたからな。繰り返しになるけど、ハードワークのおかげだ。それと、俺には母親譲りの“メキシカン・ウォーリアー(不屈の戦士)の精神”があり、父親譲りの“ドイツ系の頑丈な骨”がある。俺はこういう瞬間のために生まれてきたんだ。このスポーツは俺のためにある。そして、自分がなぜこのケージの中で、最も一貫性があり、最もエキサイティングな男なのかを、また証明できたと思う。俺はUFCを初日から見ている大ファンなんだ。ファンだったからこそ、この世界に挑戦した。本当に、他とは比べものにならないよ」と、MMAをやるために生まれてきたとした。  そして、悲願の正規王者のベルトを手にしたゲイジーは、「そうだな。ただ、俺は彼が発信していたものとは、全く逆のマインドセットを持っていたんだ。戦う前、俺は自分に“お前は負けるぞ、恥をかくことになるぞ”と言い聞かせていた。そうすることで、自分の最も原始的な本能を呼び覚まし、心の奥底を掘り起こすことができるからだ。そして、そうせざるを得なかった。あいつは俺を本当にピンチに追い込んだ。フラつかされたし、レバーを効かされた。でも俺は耐え抜いた。俺の顔を見てくれよ。俺の皮膚はめちゃくちゃ分厚いんだ。俺の顔はちょっとおかしい。科学的に研究されるべきだよな」と大きな笑顔。  ローガンから「確かに研究が必要かもしれないね。ジャスティン、本当に素晴らしいパフォーマンスだった。今夜は君が引退するかどうかについてなんて野暮なことは聞かないよ。本当にね」と、試合後の引退の可能性について問わないと言われると、「それがいい。おふくろと『今夜は(引退などの)重大な決断は下さない』って約束してきたんだ」と同意。  最後に「ありがとう。全てに感謝します。(観客に向かって)みんな、最高の夜になるぜ! おい、ファイトボーナスも2倍(ダブルボーナス)で頼むぜ!」と、今大会の特別な「ファイト・オブ・ザ・ナイト」40万ドル(約6350万円)、「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」は42万5000ドル(約6750万円)の両ボーナスの獲得をアピールした(※【追記】ゲイジーはFOTN、POTNのWボーナスを獲得)。 [nextpage] ガヌがペレイラを2R TKO! ペレイラの三階級制覇を阻止してヘビー級暫定王者に。ペレイラはヘビー級継続について「分からない、話し合う」 ▼第6試合 UFC世界ヘビー級暫定王座決定戦 5分5R ※インタビュー〇シリル・ガヌ(フランス)14勝2敗(UFC 11勝2敗)1位[2R 1分27秒 TKO]×アレックス・ペレイラ(ブラジル)13勝4敗(UFC 10勝3敗)前ライトヘビー級王者、元ミドル級王者※ガヌがヘビー級暫定王者に  ペレイラは、元UFC世界ライトヘビー級&ミドル級王者。今回、ヘビー級で「暫定王座」ながら前人未到のUFC三階級制覇を狙う。25年はマゴメド・アンカラエフとライトヘビー級王座をかけて2戦し1勝1敗。  25年3月の初回は、2R終盤に左フックを効かされるなど劣勢となり5R判定負けで王座から陥落したが、10月の再戦では1Rに右フックを効かせ、アンカラエフのテイクダウンを切ってコントロール、パウンドで1R TKO勝ち。王座奪還。2026年2月、ヘビー級転向に伴い、ライトヘビー級王座を返上していた。38歳。  現UFC世界ヘビー級正規王者はトム・アスピナルで、2025年10月の前戦でシリル・ガヌのアイポークを受けて試合はノーコンテストとなっている。  ペレイラと暫定王座を争うガヌは、2度目の暫定王座を狙う。2021年8月にデリック・ルイスと対戦し、3R TKO勝ちでMMAデビューから僅か3年でUFC世界ヘビー級暫定王座を獲得も、22年1月のフランシス・ガヌーとのヘビー級王座統一戦で判定負け。23年3月にはジョン・ジョーンズとのヘビー級タイトルマッチで一本負けで王座獲得ならず。その後、23年9月にセルゲイ・スピバックを2R TKOに下し、24年12月にアレキサンダー・ヴォルコフにスプリット判定勝ちで2連勝。前述の通り、25年10月の前戦でアスピナルの王座に挑戦したものの、自らのアイポークでアスピナルが続行不能となりノーコンテストに。それ以来、8カ月ぶりの試合となる。ペレイラ戦に向け、元GLORY王者のアルチョム・ヴァヒトフともトレーニングを積んできた。36歳。  ミドル級、ライトヘビー級と階級を上げてきたペレイラはヘビー級でどれだけ動けるか。ガヌは2度目の暫定王座獲得なるか(※各国から媒体が集まり、英語、ポルトガル語、フランス語での質問も多かったメディアデーでのインタビューは、以下の通り)。  1R、サウスポー構えのガヌにオーソのペレイラはいきなり右ハイ。ガードのガヌにペレイラは右ローも。ガヌもインローを返す。  右ハイを放つペレイラ、グローブ1枚ガードのガヌは中央の取り合い。右ジャブを突く。ペレイラの右ボディストレートはかわす。ペレイラのロー、右ハイをガードのガヌもインローを返す。  右ジャブを突くガヌはニータップを見せるも切るペレイラ。ガヌは左ミドルを当てる。さらに左から右のダブルでペレイラを回らせる! 押し戻すペレイラのインロー。右ジャブ。右から左を伸ばす。バックステップでかわすペレイラに右ローを当てる。  ペレイラの右ロー、右ハイもかわしてニータップも。ここもペレイラは切る。ペレイラの右ハイをガードのガヌ。左ハイを返す。ガヌの右ジャブにペレイラが左を返してブザー。前手のジャブとインローで間合いを作り、近づけばニータップとペレイラの左フックの距離にさせないガヌのラウンドに。  2R、喧嘩四つで前手争い。左インローのガヌに、右ハイから圧力をかけるペレイラはガヌの右ジャブにダウン! 足を手繰るペレイラにヒジを落とすガヌ!  ペレイラは立ち上がるが、すぐに追うガヌは、ワンツーでペレイラをケージに詰めるとクリンチのペレイラを剥がして右から左! ペレイラが大きく崩れたところでスタンディングダウンとしてレフェリーが間に入った。ガヌがTKO勝ち。ヘビー級暫定王座にカムバック。  試合後、ガヌは「私たちはそれを成し遂げました。合宿中、チーム一同、本当に素晴らしい仕事をしてくれました。自分自身を心から誇りに思います。チームの一員として。皆さん、ありがとう。そして、私の家族。私を支えてくれてありがとう。それを活かしたんだ。それができたのは君たちのおかげだ。 (彼が入ってくるまさにその瞬間に、完璧なタイミングの右ジャブにつながった。それが彼を揺さぶった?)そう。僕たちは分かっていた。みんな分かっていた。動きは良い。僕はとてもテクニカルだ。でも。みんな僕を過小評価している。僕のメンタリティはすごく。それもすごくタフなんだ。 (今、再び暫定ヘビー級王者になった心境は? トム・アスピナルとのタイトルマッチ、あの不運な出来事があった。それについてどう思う?)いや、ただ感謝を伝えたい。ダナに感謝。UFCに感謝。シャマに感謝。そして彼に。みんな、ありがとう。次は、もうみんな分かっているだろう。9月にパリでやろう」と、パリ大会出場をアピール。  続いて敗れたペレイラにもマイクが向けられ、「ライトヘビー級王座を返上して、ヘビー級王座を狙った今夜の試合について、どのような感想をお持ちですか?」と問われると、「これこそがリスクでした。ご存知の通り、もし私が毎回リスクを冒さなければならなかったら……ほら、飛行機に乗るたびにリスクを冒していなければ、今の自分なんていないよ。(今後もヘビー級で戦うつもりなのか、それともライトヘビー級に戻るのか?)分からないな。俺がミドル級で負けた時と同じように、座って話し合うつもりだ。チームと話し合い、結論を出した。今回も同じことをするつもりだ」と、今後の階級については保留とした。 [nextpage] 左右ローを効かせるザハビに、オマリーが左ジャブでダウン奪い、立ち際にワンツーでウォ-クオフKO「次はピョートル・ヤンと戦いたい」 ▼第5試合 バンタム級 5分3R ※インタビュー〇ショーン・オマリー(米国)20勝3敗(UFC 12勝3敗)3位[2R 4分02秒 KO] ※右ストレート×エイマン・ザハビ(カナダ)14勝3敗(UFC 8勝3敗)6位 ※UFC7連勝でストップ  バンタム級戦。米国モンタナ州ヘレナ出身の元UFC世界バンタム級王者ショーン・オマリー(3位)と、両親がレバノンからの移民であるカナダ人のアイマン・ザハビ(6位)によるバンタム級戦が組まれており、「異なるストライカー同士の戦い」は、ビッグマッチが組まれたホワイトハウス大会で異質な注目を集めている。  元同級王者のオマリーは、6連勝後のメラブ・ドバリシビリ戦で5R判定負けで王座陥落。2025年6月のリマッチで3R ノースサウスチョークで一本負けで2連敗中。現王者のピョートル・ヤンとは2022年10月に対戦し、微妙なスプリット判定でオマリーが勝利。26年1月にはソン・ヤドンを判定で下し、再起を遂げた。31歳。  UFC7連勝中のザハビはUFC8勝2敗(2KO勝ち)。カナダの名門トライスタージム所属で、兄はヘッドコーチのフィラス・ザハビ。レスリングでケベック州王者となり、柔術黒帯。アマチュアでボクシング・ムエタイのキャリアもあるオールラウンダー。25年5月に元フェザー級王者のジョゼ・アルドとの激闘で判定勝ち。25年10月の前戦でマルロン・ヴェラに2Rにダウンを奪われながらも反撃してスプリット判定勝ち。38歳。 「スイッチから変幻自在のフェイントとロングレンジのカウンターでKOスナイパー」のオマリーと、「高い防御力で倒されず、確実な有効打を積み重ねながらもタフファイトも辞さない」ザハビは、今回の試合をどうとらえているか(※メディアデーでの両者インタビュー)。  1R、サウスポー構えから入るオマリー、ザハビがオーソにすると、オマリーもオーゾに。先に詰めるオマリーは右前蹴り。スイッチする両者。オマリーはオーソで構えて圧力もザハビに合わせてスイッチする。  ザハビの左ジャブのダブルに右をかぶせるオマリー。左インローを返したザハビ。オマリーは右で押し戻すとさらに左インロー。オマリーは左ジャブを突いて中に。その入りに右を返すザハビ。  腹を狙うオマリーに大「USA」コール。ザハビはガードを固めながら前に、さばくオマリーは左から右オーバーハンドで押し戻す。  2R、オマリーの打ち終わりに左を返して行くザハビ。スイッチに合わせて左右ローを放つ。さらに右インロー。なおも左右から踏み込んでインローのザハビ。前足を狙う。13発を記録。スイッチして左ストレートのオマリー。かわすザハビは右カーフ。オマリーも左ジャブ。右後ろ廻し蹴り。  さばくザハビは左インロー。右アウトサイドローも。さらに左ローに、オマリーは足を流してダメージを軽減させるが被弾。左インローを当てたザハビ。さらに左インローにスイッチして前足を変えるオマリー。ザハビは関節蹴りも。  しかし、オマリーはスイッチして左ジャブの刺し合いを当ててザハビからダウンを奪うと、立ち上がり際のザハビに打ち下しのワンツー! 再びザハビがダウンしたところでパウンド追撃せずに敬礼ポーズ。レフェリーはそのままストップした。  ウォークオフKOでレフェリーを呼び込んだオマリーは「ああ、あれは計画通りだったんだ。インタビューでも言った通りさ。『ノックアウトしてやる』って。そう宣言したんだ。公言してたことだから。(インサイドローキックで手こずらされていたように見えたが?)彼はただ走り回って、あの小さなローキックを放っていただけだよ。まあ、あれじゃ大した効果はない。今回は特に効果なかったね。でも、これが最高のゲームプランだったんだ。(王座決定戦を望んでいて、現王者にも勝利している。そのことについてどう思う?)本来なら今夜、ここでやるべきだったんだ。なぜ見せつけられなかったのか分からないけど、次はそれがやりたい。次はピョートル・ヤンと戦いたい。  会場のみんな、ありがとう。愛してるよ。ここにあるエネルギーを感じた。本当に感じられたよ」と、現バンタム級王者ヤンへの挑戦をアピールした。 [nextpage] ホキットがルイスをTDパウンドで削り、2Rに左フックTKOで10勝無敗・UFC4連勝に。ペレイラに「シャマが欲しい!」 ▼第4試合 ヘビー級 5分3R ※インタビュー〇ジョシュ・ホキット(米国)10勝0敗(UFC4勝0敗)5位 ※UFC4連勝[2R 4分09秒 TKO]×デリック・ルイス(米国)29勝14敗(UFC 20勝12敗)9位  ヘビー級5位のホキットは、MMA9勝0敗・UFC3勝0敗(3KO勝ち)ディヴィジョン1オールアメリカンレスラーで、大学アメリカンフットボールでは4年間で51試合に出場し、ラッシングで1,260ヤード(平均4.2ヤード)と17タッチダウンを記録し、4年生時にはチームのキャプテンを務めた。2020年にドラフト外フリーエージェントとしてサンフランシスコ・フォーティナイナーズと契約したが、2020年から2021年シーズンをプラクティス・スクワッドとして過ごし、2022年8月15日に解雇された。8月22日にはアリゾナ・カージナルスと契約したが、5日後に解雇された。  プロMMAデビュー前からBellatorと契約し育成されるが、PFL買収後は離脱し、フィーダーショーからDWCSでのTKO勝ちを経てUFCデビュー。  25年11月の初戦は同じUFCデビュー戦のマックス・ジメニスに56秒 KO勝ちで、2カ月後に組まれた2戦目もUFC1勝0敗のデンゼル・フリーマンを1R 残り1秒でTKO。3戦目でランキングは5位のカーティス・ブレイズを相手に年間ベストバウト級の激闘を制し、判定3-0(29-28×3)で勝利。無敗をキープし、ランク外から一気に5位にジャンプアップ。長期戦を戦えるだけのスタミナも証明した。28歳。  9位のルイスは、MMA29勝13敗・UFC20勝10敗(16KO勝ち)。ボクシングベースで2010年にMMAデビュー。14年からUFCで戦い、18年7月にはフランシス・ガヌーに判定勝ち。11月に王者ダニエル・コーミエーに挑戦も一本負けで戴冠ならず。2021年2月に2位のカーティス・ブレイズを2R KOに下し、21年8月にシリル・ガヌとヘビー級暫定王座決定戦に臨むも3R TKO負け。以降は黒星先行も24年、25年に2連勝で復活。26年1月の前戦でワルド・コルテス=アコスタに2R TKO負けを喫した。UFC最多KO勝ち、2度の王座戦を経験も、41歳になった。  会見でホキットは、人気コメディ番組『Kill Tony』のスタンドアップコメディ形式を真似て、「ダウン・バト(Down Vato)」のキャラクターなどで滑り倒す奇妙なパフォーマンスを展開。「デリック・ルイスをマイムの集団に誘拐させて、言葉にできないような(酷い)ことをしてやる」と予告した。  その言葉に対し、格闘技界きってのユーモアと下ネタの天才であるデリック・ルイスは、全く動じずに「俺はちょっと変わったタイプの男だからよ。マイムの連中に俺のケツの穴(booty hole)をいじくられるのも、別に構わないぜ」と返して、ホキットの不気味な脅迫を変態アピールによって無効化している(※メディアデーでの両者インタビュー)。  生バンド演奏のなか、両者が入場。ホキットはハルク・ホーガンと同じ『リアルアメリカン』で入場。ルイスはコールに胸を叩く。トランプ大統領の一声で決定したヘビー級戦。  1R、グローブタッチ無し。ともにオーソドックス構え。右前蹴りのホキット。関節蹴りも。どっしり構えるルイスはホキットの後ろ廻し蹴りを2回かわす。2度目で尻餅のホキットだが、すぐに立ち上がる。  左から右のルイスに大きく回るホキットは両手を回して右オーバーハンド。ガードしたルイス。ホキットの跳び蹴りをかわすが、ホキットは素早いダブルレッグテイクダウン!  下のルイスの足をさばいてサイドに。中腰で左右のパウンドのホキット。右の強振に、そのスペースで上体を立てたルイス。しかしここでホキットの足を流して寝かせたホキット! マット側に頭があるルイスは出血。ヒジを落とすホキットにいったん亀になるルイスだが、ホキットは寝かせてパウンド、腕十字! ヒジは伸びるが、ルイスは残り20秒近くを耐える。  2R、中央に出るルイス。ホキットは飛び込むジャブから右。ルイスは右ハイを空振り。ホキットのシングルレッグを片足立ちで凌ぐと、そのまま右を頭に連打。嫌ったホキットは足を放して後退。追うルイスと組みに。  ホキットは崩して突き放すと左から右! ぐらつきケージ背にするルイスだが、得意の“死んだふり”との見極めをするホキットは深追いせず。さらに左右の右で詰めて前に出るホキット。右オーバーハンドにルイスはグラグラするが、右の1発を強振する。  かわしたホキットはケージに押し込み右ヒジ。右アッパー! 右から左を被弾したルイスは半身に。さらにホキットは頭が下がったルイスに右から左アッパー! 巨木が倒れるようにゆっくりダウンしたルイス。  ホキットがTKO勝ち。試合後はケージサイドのトランプ大統領に自身のカード入りのネックレスを首にかけてプレゼント。「プレゼントを受け取ってくれてありがとう。言わせてもらうならね。インクレディブル・ハルクよりもすごい人はただ一人しかいない。それは、私の主であり救い主であるイエス・キリストだ。さあ、よく聞いてくれ。アレックス・ペレイラ、アイウォント・ア・シャマ! お前の母ちゃんにかけて」と、ここまで無視され続けているペレイラとの対戦をアピールした。 [nextpage] ルフィが後ろ廻し蹴り、右アッパーでチャンドラーを初回TKOでプロポーズにも成功 ▼第3試合 ライト級 5分3R〇マウリシオ・ルフィ(ブラジル)14勝2敗(UFC 5勝1敗)9位[1R 4分29秒 TKO]×マイケル・チャンドラー(米国)23勝12敗(UFC 2勝7敗)13位 『ONE PIECE』ファンのルフィは、191cmの長いゴムのような手足で変化自在の打撃を放つストライカー。23年のDWCSを経て、24年のUFCデビューから25年3月にボビー・キング・グリーンを後ろ廻し蹴りでKOするなど怒涛の3連勝も、25年9月にブノワ・サ・ドニのリアネイキドチョークに一本負けでUFC初黒星を喫した。  2月のラファエル・フィジエフ戦前からファィティングナーズではなくシティキックボクシングでアレクサンダー・ヴォルカノフスキーらと練習し、フイジエフに2R 右ストレートからのパウンドでTKO勝ち。29歳。  対するチャンドラーは、元Bellator世界ライト級王者。レスリング&アメフトのエリートというミスターアメリカで、21年のオクタゴンデビューでダン・フッカーを1R TKOに下したものの、その後は1勝5敗。ビッグネーム相手が多く、トニー・ファーガソンには2R TKO勝ちもダスティン・ポイエーに一本負け、シャーウス・オリヴェイラに判定負け、25年4月の前戦パディ・ピンブレット戦でも3R TKO負けで3連敗中。40歳。  1R、ともにオーソドックス構え。広いスタンスで中央を取るルフィに、チャンドラーは右ローから、足を触りに行く。低い手の構えのルフィにチャンドラーは組みに行くが深追いせず。右カーフのルフィ。左ジャブを刺す。  右で飛び込むチャンドラーだが、ルフィのジャブに額を赤くさせる。スイッチして右前蹴りを見せるルフィはスピンキック。  ケージに詰まるチャンドラーは金網を蹴ってスーパーマンパンチ。かわしたルフィはチャンドラーの組みをかわす。右のバックフィストを見せたルフィは詰めてワンツー!  一瞬動きが止まったチャンドラーに右後ろ廻し蹴りのルフィ。ガードしたチャンドラーだが、側頭部後ろにもらい効かされる、さらに右アッパー、左ボディ打ちにチャンドラーはくの字に。チャンドラーはシングルレッグも切られる。さらに、ルフィは崩れたチャンドラーに中腰で右アッパーを2発! レフェリーが間に入った。  試合後、ルフィは、「まず最初に神様に感謝したいと思います。私の人生に感謝します。家族、妻、そしてエイドリアン、ありがとう。本当に愛しています。すべてに感謝します。本当にありがとうございます。本当に幸せです。そして、伝えたいメッセージがあります。ローマ人への手紙3章16節を開いてください。『神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。それは、彼を信じる者が一人として滅びることなく、永遠の命を得るためである』。イエスが私の人生を変えてくださいました。私を救ってくださいました。なんて素晴らしい救いでしょう。人生をイエスに委ねてください。  パフォーマンスに関しては文句のつけようがない。とても満足している。この階級のチャンピオンになるために、レスリングのトレーニングを含め、本当にハードに練習してきました。UFCに感謝します。ハンター、ありがとう。この機会を与えてくれた皆さん、ありがとう。一緒にトレーニングしてくれてありがとう。そして、私のチーム全員に感謝します。  全部わかった? 俺はこの部門のチャンピオンになりたい。そう信じている。次は俺だ。タイトル挑戦権を勝ち取る。何度か話し合いを重ねてきた。だから、そんなことは言わないよ。  少し前のこと。俺は妻と出会った。本当に彼女に結婚してほしいと思っていた。でも金もなかった。私たちにはその条件がなかった。そして今。これ以上の場所があるだろうか? 妻にプロポーズするには。結婚してほしい。ナディーン、愛してる。結婚してくれないか? 今、私たちがここ、ホワイトハウスにいるんだから」とプロポーズ。  司会のジョー・ローガンは「彼女はOKのサインを出してくれた。おめでとうございます」とプロポーズ成功を伝えた。 [nextpage] D-1 三度制覇レスラーのニッカルが、出戻りドーカスをTKO ▼第2試合 ミドル級 5分3R〇ボー・ニッカル(米国)9勝1敗(UFC 6勝1敗)[1R 4分34秒 TKO] ※左右フック→パウンド×カイル・ドーカス(米国)17勝5敗(UFC 4勝5敗)  ニッカルは、大学時代にレスリングでNCAA D-1を3度制覇。2021年の東京五輪出場権を賭けた米国予選決勝でのちに金メダルを獲得したデイヴィッド・テイラーに敗れ出場を逃すと、翌年MMAプロデビュー。4戦目でUFCデビューしてから3連続フィニッシュ勝利を含む4連勝をあげたものの、ランカー初挑戦となる5月のライニアー・デ・リダー戦で、1Rに組みの展開で消耗すると、2Rに腹へのヒザでダウンし、KO負けでキャリア初黒星を喫した。  25年11月に柔術世界王者のホドウフォ・ヴィエイラに3R、左ハイキックでKO勝ちで再起を果たしている。30歳。  カイル・ドーカスは、UFCファイターだった兄のクリス・ドーカスとともに幼い頃からUFCを見て地下室でグラップリングを練習してジムに入門したMMAネイティブ。17勝4敗1NC(2KO・12一本勝ち)。2020年から22年にUFCと契約していたが、7戦2勝でリリース。ローカルイベントでキャリアを積んでいた。  25年8月に欠場選手の代役としてUFCと再契約し、2年8か月ぶりにUFC復帰を果たすと、打撃力をアップして元ランカーのミシェウ・ペレイラを43秒KO。25年11月の前戦でジェラルド・マーシャートを1R 50秒、ダースチョークで極めている。33歳。  1R、ともにサウスポー構え。ニッカルは右オーバーハンドから組んで持ち上げテイクダウン! クローズドガードの中に入れる柔術黒帯のドーカス。上のニッカルは左ヒジ! 下のドーカスは額をカット。ニッカルは時折頭を上げて右ヒジ。ケージ際まで行ったところで膠着ブレークに。  ワンツーで前に出るドーカスは左カーフも。ニッカルは左前蹴りで蹴り上げると、踏み込んで左、さらに返しの右を当ててダウンを奪い、パウンド連打! レフェリーが間に入った。  試合後、ニッカルは「彼には心から敬意を抱いている。ずっと前からそう思っていたし、今こうしてここにいられること、この一員になれたことにただ感謝している。あの男を仕留める方法を、100通りくらい頭の中でイメージしていたんだ。そのうちの1つが、実際にうまくいった。ただただ感謝しているよ。(フィニッシュは)強烈だった。努力は報われる。努力は、報われるんだ。ねえ。俺はレスラーだ。いくつか、新しい技も覚えた。これからももっと上達し、成長し続けるつもりだ。そして、言わせてもらうけど、この機会を与えてくれた神様に本当に感謝している。高校の時に覚えた聖書の節がある。ヨハネによる福音書10章10節だ。『盗人は、盗み、殺し、滅ぼすために来る』と書かれている。『わたしは、あなたがたにいのちを与え、それを豊かに生きるためにおいたのです』。僕は今、その言葉を体現しているような気がして、一瞬一瞬を精一杯生きている。本当に恵まれている。素晴らしいチームに、素晴らしい家族に。両親、3人の姉妹、妻、そして2人の息子たち。本当に、これ以上ないほど感謝しています。それが私の心構えです。人生を歩んでいく上で大切なのは、感謝の心を持ち、神様が私に与えてくださったすべてのものに感謝することです」と語った。 [nextpage] ロペスがガルシアを2R KO、ガルシアは連勝「7」でストップ ▼第1試合 フェザー級 5分3R〇ディエゴ・ロペス(ブラジル)28勝8敗(UFC 7勝3敗)2位[2R 2分42秒 KO]×スティーヴ・ガルシア(米国)19勝6敗(UFC 8勝3敗)9位 ※UFC7連勝でストップ  ロペスは、メキシコ在住ブラジル人。MMA27勝8敗(UFC6勝3敗)。24年9月にランキング13位ながら、ランキング3位のブライアン・オルテガとの対戦が組まれ、開始直後にパンチを効かせると、スタンド・グラウンドともに圧倒して判定勝ちでUFC5連勝をマーク。一気にタイトルコンテンダーとなった。  25年4月にヴォルカノフスキーとの「王座決定戦」で判定負けも、25年9月に当時13連勝中のファイティング・ナーズのジェアン・シウバに2R 右スピニングバッグエルボーからのパウンドでTKO勝ちで再起。26年1月にヴォルカノフスキーとの再戦で王座挑戦、判定負けもファイト・オブ・ザ・ナイト受賞の熱闘を繰り広げた。今大会に向け、オクラホマでレスリングも強化してきた。31歳。  ガルシアは、UFC8勝2敗(7KO・TKO勝ち)。キャリアでは19勝5敗(15KO・TKO勝ち)。バックボーンはキックで、ヒジ打ちを得意としている。15分間のノックダウン数平均3.25はフェザー級最高。UFCデビューから3戦はライト級で1勝2敗だったが、フェザー級に落としてからは7連勝中。  25年7月にランカーのカルヴィン・ケーターからダウンを奪う判定勝ち。11月にデビッド・オナマを左の連打で1R TKOに下して7連勝を決めた。今回の試合のためにジャクソンウィンクMMAでトレーニングを積んできた。34歳。  1R、「USA」コールの中、第1試合がスタート。オーソドックス構えのロペス、サウスポー構えのガルシア。ともに前手争いから右ハイを打つロペス。ガルシアは右から左で前に。ロペスは前足を取りに行くが、切るガルシア。  右ハイをガード上に当てるロペス。さらに右ハイ。左腕でガードするガルシアは右から左ボディ。さらに左ハイ。ロペスはガード、右ハイを返す。右前手で飛び込むガルシアに、右縦ヒジで迎え撃つロペス。  左で入るガルシアに右を合わせに行くロペス。バランスを崩すガルシアだが立て直す。激しいフェイントの掛け合いから右前蹴りのロペス。ガルシアがケージを背負わせて左ハイ。ガードのロペスにスピンキックも。ガルシアのラウンド。  2R、右ハイのロペスに、ブロッキングから右ジャブで圧力をかけるガルシア。左関節蹴りも。ガルシアのジャブに鼻頭を赤くさせるロペス。左から右、アッパーから右オーバーハンドのロペス。さらに左フックをカウンターでヒットさせると、崩れたガルシアに右から左フックでダウンしたガルシアに中腰でパウンド連打し、ガルシアが失神。ロペスがKO勝ち。  試合後、ロペスは「こんなことが起きるなんて信じられないけど、でも本当に嬉しいよ。僕はフィニッシュする、この会場にふさわしい男だ。スティーブ・ガルシアとの試合を楽しんでくれたら嬉しい。(ガルシアは1ラウンドで非常に良いスタートを切ったが、君はリズムをつかむのに苦労しているように見えた。2ラウンドではどんな調整をしたんだ?)セコンドが(当てるのに)『2、3ポイント必要だ』って。だから『ああ、わかった、俺ならできる』。だから、こう言ったんだ。『今、俺に勝てる奴はいない』って。数発は当たったけど、パンチに力がなかった。あのジューシーな一発を食らわせたかったけど、今は2つのセットがある」と語った。
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.344
2026年5月22日発売
日本人初のUFC世界王座獲得を目指した平良の挑戦を追う。ロッタン撃破で引退の武尊特集、悲願のRIZIN王座戴冠のグスタボ、扇久保博正、鶴屋怜も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント