MMA
インタビュー

【UFC】史上初最多テイクダウンの王者メラブ・ドバリシビリ「自分がGOATだとは決して言わない」理由

2025/10/07 16:10
【UFC】史上初最多テイクダウンの王者メラブ・ドバリシビリ「自分がGOATだとは決して言わない」理由

(C)Zuffa LLC/UFC

 2025年10月4日(日本時間5日朝7時~)、米国ネバダ州ラスベガスのT-モバイルアリーナにて、『UFC 320: Ankalaev vs. Pereira 2』(U-NEXT配信)が開催された。

 コ・メインイベントでは、「UFC世界バンタム級選手権試合」(5分5R)として、UFC13連勝中の王者メラブ・ドバリシビリ(ジョージア)に、柔術ストライカーのコーリー・サンドヘイゲン(米国)が挑戦。

 試合は、初回にジャブ&ローで攻めたサンドヘイゲンに、ドバリシビリは組んでボディロックテイクダウンも、バックに固執せず。立つサンドヘイゲンが正対するとシングルレッグで引き出し倒して、立ち上がりをリリース。

 2Rにはサンドヘイゲンのヒザ蹴りをさばいたドバリシビリが右を当てて左右ラッシュ。亀になったサンドヘイゲンにパウンドを連打し、TKO寸前まで追い込むもサンドヘイゲンが立ち上がり。

 4Rに右を当てたサンドヘイゲンだが、組んだドバリシビリが払い腰テイクダウン。立ちのサンドヘイゲンにダースチョークを狙い、反撃を許さず。

 中盤から後半にかけてもドバリシビリが組んで離して組んで、を繰り返してサンドヘイゲンを削り、結果、UFC史上初、そして唯一の100回以上のテイクダウン(104回)を記録したドバリシビリが判定3-0(49-45×2, 49-46)で勝利した。

 試合後の“マシン”メラブ・ドバリシビリとU-NEXTとの一問一答と会見での言葉を紹介したい。

レフェリーに『もし自分が打ち込まれても、可能な限り戦うチャンスを』と伝えていた

──サンドヘイゲン戦の勝利と王座防衛、おめでとうございます。

「明日、アルジャメイン(スターリング)の結婚式があるから、彼のオリジナルのラム酒を飲む。アルジャが結婚することがとても嬉しいよ。彼にかかわるみんなにとって大事だ。わが友、アルジャメイン・スターリングが美しいフィアンセと結ばれることが。彼女のレベッカもも僕の友人なんだ」

──2Rには打撃でニアフィニッシュがありました。

「ほぼフィニッシュできそうだった。相手は落ちたと思って。グラウンドで倒そうと決めていた。パンドTKOで。それで向こうは気を取り戻して、スタンドのまま殴り続けるべきだった。ただ会場がすごくうるさくて、コーナーが何を言っているか聞こえずわからなかった。(レフェリーが止めると?)まさしく自分としては、止めに入ると思っていて、特にレフェリーがマーク・ゴダードだったから、止めるのは速い方だ。試合前に彼に言ったことがある。『もし自分が打ち込まれても止めないでチャンスをくれ』と。だから彼はチャンスを与えたんだな。コーリー・サンドヘイゲンの方に(笑)。そんなこと言わなきゃ良かったよ(笑)」

──試合後にコールアウトしたピョートル・ヤンとの再戦について。前戦であなたがドミネートしているが?

「そうだな、今日のペレイラとアンカラエフは最初に戦ったときは今日とは異なる結果だった。2度目の対戦はご覧の通りだ。確かに僕はかつてヤンをドミネートした。しかし彼は偉大なる王者だったし、素晴らしいファイターだ。しかも1発で仕留められる。だから再びチャンスを与えられてしかるべきだ。俺はそう考える。俺は嫌なんだ(ベルトを叩いて)ここにあぐらをかいて見てるのは。この階級を動かしていたい。停滞させたくない。皆にチャンスを与えたい。自分を試したいし、向こうも調子が良さそうだ」

──サンドヘイゲンが徹底して背中を見せて立ち上がって、胸を合わせて離れた作戦に焦りはなかったようでした。もしろドバリシビリ選手はバックに固執せずに離していたでしょうか。

「サンドヘイゲンはしっかり対策してきたと思う。俺のテイクダウンから立ち上がる動きもすごく良かった。すごく驚いた。そうちょっとね。だけど、同時に俺はとにかくやり続けるから」

──捕まえて離れては捕まえて……打撃も混ぜる。MMA打撃が試合毎に進化しているのでは?

「いや、そこは聞いてくれ、俺は初期の頃はかなり打撃で行ってたんだ。プランを変えたんだ、全部をプロキャリアの初期に(組み中心に)。いまは自分を解放してるというか、自分らしく──自分からすればそう、危険なことだろう。2人の男が打ちあっている。アンカラエフvs.ペレイラのように。パンチが交錯し、距離感がつかめなくなり、カリル・ラウントリーJrだって優勢だったけど……ストライキングは危ないんだ。試合に勝ちたかったら、テイクダウンできた方がいい。心肺機能を鍛え、テイクダウンしてグラウンドで相手を疲れさせて削る。それから打撃だ。俺は勝つべくして活用にしてきたんだ」

──でも今回は2Rに打ち合いました。

「今はなんだって出来る。ストライキングもグラップリングも。グラップリングがあるから打撃も当たる。ただ、グラップリングはそんな容易じゃない。俺がやるようには。それでもより安全に勝利を掴める。だから俺は勝利を手にする。いまはミクストマーシャルアーツだから」

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.341
2025年12月21日発売
大晦日決戦に臨むシェイドゥラエフと朝倉未来ほか「特集◎大晦日を読む」では、5大タイトルマッチのインタビューと川尻達也らが試合解説。UFC平良達郎、40周年記念・水垣偉弥インタビューも
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント