特別なことではなく、僕にとっては普通の日
──(会見にて)3度目の王座防衛成功、おめでとうございます。身体&精神的にどう感じていますか。そして全体的に、今回のパフォーマンスにどのくらい満足していますか?
「身体的にとても良いし、精神的にもとてもリラックスしていて気分が良い。なぜなら、これは自分にとって普通のことだから。週に3回スパーリングをしている。だから今日のようなことは、皆さんが見た通り、ただ楽しんでやっている感じなんだ。特別なことではなく、僕にとっては普通の日だ」
──2R目にほぼサンドヘイゲンを倒せたと思います。彼があそこまで生き残ったことには驚きましたか? レフェリーが試合を止めてもよかったと言う人もいました。
「実際驚いたよ。彼を倒すつもりで、ほとんどノックアウトできるところだったから。そして彼が立ち上がったのを見て、僕は試合を続けた。面白いことに、マーク・ゴダードが今回のレフェリーで、試合前に『もし自分が怪我したら、可能な限り戦うチャンスをください』と伝えていたんだ。『止めるのは構わないけど、できる限り戦わせてほしい』と。これは毎回のレフェリーにも伝えている。今回のマーク・ゴダードについては少し疑問に思っていたよ。通常、彼は試合を早く止める傾向があるから。でも、コーリーには全てのチャンスを与えたんだと思う。
試合後にコーリー・サンヘイゲンに会ったとき、彼は僕に多大な敬意を示してくれた。そして、試合が5ラウンドすべて行われて本当に嬉しかった。彼を仕留めなかったことも(結果的に)良かったと思う。5ラウンドを通して戦えて、僕は20回のテイクダウンを決めたし、きっと観ている人も楽しめたと思う」
テイクダウンし続けながら『俺に記録を破らせろ!』って思ってた
──UFCタイトル戦で最も多くのテイクダウンを決めた記録を樹立しました。さらに、アンデウソン・シウバやイスラム・マハチェフ、カマル・ウスマンに次ぐ、UFC史上3番目か4番目に長い連勝記録も持っています。つまり、またひとつレジュメに加える記録が増えましたね。
「おお、そうだね。1試合で20回のテイクダウンのことは聞いたし、もちろん良いことさ。試合中も、記録のために『また1回取ったぞ』と思いながらテイクダウンを重ねていた。記録のためにやっていた部分もある。
みんなが覚えているかわかテイクダウンし続ける瞬間があった。『俺に記録を破らせろ!』って思ってたんだ。自分の最高記録をね。それが楽しくて。
今まで自分が得たものやここまでの道のりに感謝している。先ほども言った通り、僕はまだ成長中で、これが自分にとっての始まりだと感じている。ここまで来るのは大変だったけど、今はただひたすら練習を重ね、より良くなり続けるだけだ」
──12月に試合する予定はまだありますか?
「イエス、ぜひ12月に戦いたい。というのも、そうしないと旅行の機会ばかり増えてしまうんだ。旅行は好きだし、どこに行っても楽しめるけど、試合の機会が減ってしまう。僕が一番楽しむのは、やはり戦うこの感覚だから。忙しくしていたいし、次の挑戦者のために長く待ちたくもない。たとえばピョートルは3連勝中で、元チャンピオンだから、タイトル戦に値すると僕は思う。もしUFCが決めるなら、僕は12月に戦う準備ができている。問題はない」
──今のところ12月のメインイベントは決まっていませんが、もしかしたらメインイベントになるかもしれませんね。
「ああ、そうかもしれない。様子を見よう。それはいいね」
──先ほどダナ・ホワイト代表がここに来たとき彼は、あなたを『UFC史上最高のバンタム級チャンピオンだ』と言っていました。これまで浮き沈みがありましたが、今そのように言われることについてどう感じますか?
「もちろん、ボスからそのような言葉を聞くのは嬉しいよ。感謝している。たとえ自分では完全には同意できなくても、ダナ・ホワイトがこういう言葉をかけてくれることは大きな意味がある。UFCやダナ・ホワイト、彼らの仕事、そしてUFCから与えられたすべての機会に対して、心から感謝している」
──ダナやハンター・キャンベルに対して、12月に試合を実現させ、年間4度目のタイトル防衛という歴史を作るためにどんなメッセージを送りますか?
「もしメインイベントやコ・メインイベントの枠があるなら、僕は12月に戦いたい。問題ない。誰がよりふさわしいと考えても、僕は準備できている。だから、単に『準備はできている』と伝えたいだけさ。もしこのチャンスを与えてくれれば嬉しい。もちろん、1月に戦うことも可能だけど、1月は少し厳しいんだ。今年ウマルと戦ったときもそうだった。というのも、クリスマス、ニューイヤー、そしてジョージア式クリスマス──私たちはクリスマスを7日から13日まで祝う。それに僕の誕生日も1月10日にあり、さらにクリスマスやニューイヤーでジムは閉まり、仲間たちはみんな家族と楽しんで過ごす。寒さもある。なので1月は少し大変だけど、それでも大丈夫だ」
──今日はあなたの日ですが、明日は友人のアルジャメイン・スターリングが結婚しますね。明日は彼の大事な日ですが、どれくらい楽しみにしていますか?
「ええ、僕はアルジョに祝福の言葉を伝えたい。これは彼にとって大きな瞬間です。皆さんありがとうございます。いまはハードウェア(お祝いのもの)は持っていません、すみません、水しかありません(笑)。おめでとう、アルジョ。これはあなたと婚約者レベッカにとって大きな瞬間です。神の祝福がありますように。たくさんの子どもたちに恵まれますように。そして、この大きな瞬間を楽しんでください。神の祝福を」
──メラブ、今あなたはキャリアの中で、人々が「どうやったら彼に勝てるんだろう」と分からない段階に来ていますね。以前は「ここは弱点かも」「パンチに耐えられないかも」といった穴がありましたが、今では誰も本当に勝ち方を知りません。もしあなたに挑戦できる相手をデザインするとしたら、その相手には何が必要ですか?
「秘密を教えようか? それなら誰かに売れるよ(笑)」
──今日の試合で練習仲間のパッチー・ミックスが判定負けしました。
「誰でも負けることがある。GSPも言っていた。『ジムでは皆負ける、トレーニングパートナーに何度も負けることもある』と。たとえば、パッチー・ミックスは試合に負けたけど、ジムでは何度も僕をサブミットしてきた。彼は強い。でも、試合は必ずしも思い通りに進むわけじゃない。パッチー・ミックスも同じで、彼は練習中に細かい不調を乗り越えながらやっていた。昨日ミックスと会ったときに、何らかの感染症があって寒気を感じてると言っていたんだ。つまり、これがファイトビジネスだ。前回のアンカラエフ対ペレイラの試合でも結果は違ったし、次はまた違う結果になるかもしれない。試合では誰にでもチャンスがある。もちろん、僕と戦うのも誰にでも可能だ」
──このスポーツで大きなレガシーを作るには、二つの方法があります。ひとつは別の階級に行き複数のベルトを狙う方法。もうひとつは自分の階級に留まり、何度も勝利して記録を積み重ねる方法です。アンデソン・シウバがミドル級で、ジョルジュ(サンピエール)がウェルター級でそうしたように。
「僕は自分の階級に留まって、みんなに勝ち続けてレガシーを作りたい。ここが自分の階級で居心地が良いし、上の階級に行って混乱を招きたくない。無理に挑戦する必要もない。もし誰かが出てきても、僕は十分対処できる。ここで自分の階級のチャンピオンであり続けたいし、尊敬する選手たち(アルジャメインやアレクサンダー・ヴォルカノフスキー)とは戦いたくない。今のところ、次はピョートル・ヤンと戦う計画があり、ここで快適にやっている。この階級で戦い続け、最大限のことを成し遂げたい」




