▼バンタム級 5分3R
〇ジェアン・マツモト(ブラジル)17勝1敗(UFC3勝1敗)
[判定2-1] ※29-28×2, 28-29
×マイルズ・ ジョーンズ(米国)15勝4敗(UFC6勝4敗)
1R、サウスポー構えからマツモトは左ミドル。オーソのジョーンズはマツモトの左ミドルのウch着終わりに左右もさばくマツモトが右ロー。ジョーンズは右オーバーハンド。マツモトの打ち返しにダブルレッグテイクダウン。
ケージまで這って背中を金網に立てるマツモト。ジョーンズは横に崩すが、マツモトは左足が下のままギロチンチョークへ。ジョーンズの圧力が緩んだところで外して立ち上がる。
スイッチしながら左右の蹴りのマツモト。ジョーンズの左オーバーハンドにオーソに変えてジャブから右ミドル。さらに跳びヒザ。それをかわして押し込むジョーンズだが、突き放したマツモトは右を突いてシングルレッグへ。差し上げるジョーンズは離れ際にヒジを狙う。マツモトは右ミドルを突いてホーン。拮抗したラウンドもジョーンズか。
2R、左から右オーバーハンドのジョーンズ。さらに右のダブルで前に。マツモトは左の蹴り。ジョーンズは右から左の逆ワンツー。詰めるマツモトに体を入れ替え、ヒジを打って離れる。
ジャブ&ローのマツモトは左ハイも。そこに右を狙うジョーンズだが、マツモトは右ミドルハイ。さらに肩口にハイキックも。ワンツーから右ハイに繋ぐマツモト。ヒザ蹴りで前に。そこにダブルレッグテイクダウンのジョーンズだが、ギロチンのプレッシャーで上を取り返すマツモト。
蹴りでペースを奪い返いマツモト。頭を下げて打ってくるジョーンズにマツモトは右ハイ。ワンツーから右跳びヒザで前に。体を入れ替えて離れるジョーンズ。左ハイはブロッキングも後退。ここも拮抗したラウンドも、蹴りのマツモトが取り返したか。
#UFCVegas109 Official Result: Jean Matsumoto (29-28, 28-29, 29-28 | @JematsumotoUFC) defeats Miles Johns by Split Decision pic.twitter.com/g7fk0x4yys
— UFC News (@UFCNews) August 10, 2025
3R、オーソから右カーフを効かせたマツモト。ジョーンズは右のダブルも手打ちに。左インローのジョーンズ。マツモトはワンツーから右の蹴りに繋ぐ。さらに右カーフ。ジョーンズは大きな右の連打も、足が出ずに前のめりに。ワンツーから右ミドルを当てるマツモト。さらに右から左。ジョーンズの右フックに、右カーフを当てたマツモト! さらに左ミドル、右カーフにジョーンズの動きが止まる。
右カーフを突くマツモトは右ハイも。ジョーンズは走り込んでのダブルレッグテイクダウン。金網背に立つマツモトの足をバッククリンチから足払いで崩すが、抜けた松本が右の蹴りを突いてホーン。マツモトのラウンドに。
判定は2-1(29-28×2, 28-29)でマツモトが接戦を勝利。試合後、「UFCだ。これが世界一だ。でも、僕はこれをするために生まれたんだ。ダナ・ホワイト。ブラジルでのUFCのチャンスを。準備はできている。思い出してほしい。僕はコンプリートファイターだと伝えたいだけだ。ロブ・フォントとの試合を7日で受けた。ロブ・フォントがリオに来るなら、もう一度戦いたい」と微妙な判定で敗れた試合のリベンジ戦を望んだ。
Split scorecards are scored for this fight! 📝@JeMatsumotoUFC wins this split decision at #UFCVegas109!
— UFC (@ufc) August 10, 2025
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ジェアン・マツモト「僕には日本人の血が流れてる、サムライの血だ」
──日系3世のジェアン・マツモト選手はブラジル生まれなのですか。
「そう、父方の祖父がブラジルに移住して、ブラジル人の祖母と結婚して父が生まれた。僕の母さんと父さんは日本で出会って、働いてたんだ。でも、ブラジルにいる祖父が病気になってしまって、父さんと妊娠中の母さんはブラジルに戻ったんだよ。で、僕が生まれた。だから……僕は“日本で作られて、ブラジルで生まれた”って感じかな(笑)」
──日本で生まれていた可能性もあったのですね。ご兄弟やご家族の中に格闘技の経験者はいますか?
「いや、僕は一人っ子で、格闘技を始めたきっかけは、父さんだね。父さんが格闘技が大好きで、僕が6歳のときにムエタイに連れていってくれた。それからずっと続けてるんだ」
──お父様もムエタイをやっていたのですか?
「実は父さんもムエタイをやってたんだ。でも日本で働いていた時期に一度止めていたみたい。それで、僕が生まれてブラジルに戻ってきてから、また一緒にトレーニングを始めたんだ。ムエタイを始めたのが7歳のときで、10歳で父さんから勧められて柔術も始めたんだ。父さんは、今でも僕のトレーナーの一人なんだよ」
──マツモト選手が首相撲ヒザが得意な理由が分かりました。試合のときにお父様がセコンドにつかれることも?
「ブラジルでの試合では、いつも父さんがセコンドに入ってくれてる。ずっと俺の側にいてくれたんだ。でもアメリカでは、ビザの問題で一緒に行くのが難しくて……。それが俺の夢のひとつなんだ、いつかアメリカでも父さんにセコンドについてもらうことが」
──あなたの試合を見ると、バックボーンにはないレスリング技術、特に奥足のアンクルピックがとても巧みです。
「そう言ってもらえて嬉しいよ。UFCに入ってからは、もっとオールラウンドな選手になるために全力を尽くしてきたんだ。それまでは、ムエタイや柔術がメインだったけど、今ではレスリングのトレーニングも本格的に取り入れてる。実は、キューバ出身のレスリングコーチが俺のトレーニングをサポートしてくれてるんだ。彼はサンパウロにある『セスィ(SESI)』っていう公的な教育機関でレスリングのクラスを教えてるんだ。週に2回くらい、俺のために特別に指導に来てくれてる。俺のキャリアのために自分で投資して雇ってる、すごく信頼してる先生だよ。その成果が今のスタイルに出てるんじゃないかな。今の俺はコンプリートファイター"になってきてると思う」
──前回の試合は短期のオファーでキャッチウェイトでしたが、かなり僅差の試合でした。特に1Rは、どちらに判定が転んでもおかしくなかったと思います。あの試合についてどう感じましたか?
「確かに、あの試合は急遽決まった短期のオファーで、しかもキャッチウェイトだった。でも、俺はあの試合を何度も見返して、自分では勝ったと思ってる。多くの人も俺が勝ったって言ってくれてる。結果がどうあれ、俺にとってはすごく大きな意味のある試合だったし、終わった後には前よりも大きく成長できたと思ってる。俺を支えてくれた人たちにとっても、あれは“勝利”だったと感じてるよ」
──次の対戦相手、マイルズ・ジョーンズ選手についてどうとらえていますか。彼はレスリングベースのストライカーで強いオーバーハンドを持っています。
「もちろん、UFCの中にいる選手だから、彼の実力は十分にあるし、リスペクトしてる。でも、彼の試合を見ると、最初は打撃の展開を好むけど、ダメージを受け始めるとそこから変わってくるタイプに見えるんだ。僕がしっかりダメージを与えられれば、流れを変えることができると思ってるよ」
──日本のファンにメッセージを。
「日本は僕の人生の中でも、いつか絶対に行ってみたい場所のひとつだよ。格闘技を愛する国だし、僕自身、日本に対して深い思い入れがあるんだ。ちなみに、サンパウロに『リベルダージ(Liberdade)』っていう、日本の文化が色濃く残ってる地区があるんだ。父さんと僕は、そこに年に1、2回は行って、少しでも日本文化に触れるようにしてるんだよ。
僕がオクタゴンに持ち込むのは、常に全力の戦いだよ。観てる人にとっても熱くなれるような試合をしたい。それが僕のスタイルなんだ。父さんがよく言うんだけど、『お前の血には日本人の血が流れてる、サムライの血だ』って。僕もそれを誇りに思ってる。人を敬い、いつも落ち着いていられるのは日本人の血が流れているからだと思っている。日本のファンのみんな、応援ありがとう。そして、みんなに神の祝福がありますように!」







