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レポート

【UFC】風間敏臣が三角絞め狙うもエライジャ・スミスのスラムで失神KO負け、ミドル級でヘルナンデスがドリッゼに何もさせずに一本勝ちでUFC8連勝、バンタム級でエルセグがオズボーンに辛勝、ルシンドが17歳差ヒルに判定勝ち。マツモトが判定勝ちでMMA17勝1敗に、フェルナンデスがストリアレンコ下しUFC3連勝

2025/08/10 05:08

▼バンタム級 5分3R ※選手名からインタビュー
〇エライジャ・スミス(米国)9勝1敗(UFC2勝0敗)
[1R 4分10秒 KO] ※スラム

×風間敏臣(日本)11勝5敗(UFC1勝3敗)

 風間は、2021年の『ROAD TO UFC』で中村倫也と決勝を争い、準優勝でUFCと契約。23年8月のUFCデビュー戦は、ギャレット・アームフィールドに1R TKO負けも、24年8月のハラランボス・グリゴリオウに2R、逆転の三角絞めでオクタゴン初勝利を掴んでいる。Me, Weに移籍して初の試合。28歳。

 レスリングベースのスミスはMMA8勝1敗。2024年9月の『Contender Series 2024: Week 6』で欠場選手の代役として緊急出場。豪州XFC王者で当時無敗のアーロン・タウ(※RTU205でリオ・ティルトに1R KO勝ち)にアナコンダチョークを仕掛け、オーソからの右を当てるなどタフな試合を制して判定勝ち。

 25年2月の前戦では、RIZINで元谷友貴に判定勝ちしているヴィンス・モラレスと対戦し、モラレスのダースやペルヴィアン・ネクタイ、終了間際のRNCを凌ぎ、ジャブ&ロー、右アッパーを効かせて判定勝ち。2012年、17年の『TUF』に出場した父・ギルバート・スミスが果たせなかったUFC初勝利を挙げている。MMA8勝のうち4KO・1一本勝ちをマークする22歳。

 風間は、前戦序盤は相手にスタンドの間合いを作らせず、組みでコントロール。しかし、後半でスタンドで頭の位置が同じところを狙われ、3Rに左フックでダウン。ボトムでヒジを被弾しながらも三角絞めでタップを奪ったが、今回のスミスは身長・リーチともに風間より5cm長く、その打撃の回転力は『Fury FC 92』でのジョシュ・ウォルカー戦でも証明済み。さらにグラップラーのモラレスの首狙いを防ぐなど、これまで一本負けはない。

 同時にレスリングベースの強いダブルレッグの組みのプレッシャーを軸にすることで、その際でモラレスに切り返され、リアネイキドチョークを狙われるなど、寝技で危うさも残る。風間は前回は立ち技の間合いを作らせず戦ったが、今回はスタンドで被弾せずに、自身も打撃を入れて組むことができるか。

 風間のセコンドは中田大貴、良太郎、兄の風間大五郎。エライジャのセコンドには父ギルバート・スミスがつく。


 1R、
ともにオーソドックス構え。グローブタッチは無し。跳びヒザのスミスに風間は、テイクダウンからそのままニアマウント、背中を見せて立とうとするスミスのバックにつくが足をフックできず。前に落としたスミスはパウンド、ヒジ!  風間はディープハーフからスイープ狙い。さらに下から足を手繰って足関節に! ヒザ上に深く入るが、スミスはケージを一瞬掴んでバランスを保ち、ケージに手を当てて倒れることを防御。

 50/50からサドルを組んでマトリックスで股下に通して崩した風間は内ヒールフック! ヒザを曲げたスミスはパウンドを入れて足を抜いてトップに。風間はハーフからフックガードに変えてチョイバース、腕十字へ。ここもヒジを曲げてパウンドするスミス。四つで抱きつく風間は三角絞めへ! 足を組みかけるが、それをリフトし高く持ち上げたスミスは、風間のアゴを固定してスラム!

 風間が失神し、スミスのパウンドにレフェリーが間に入った。

 正座して待ち、風間が椅子に座ると拍手したスミス。試合後のダニエル・コーミエーのケージの中でのインタビューでは、「まず何よりも、私はただ、対戦相手の無事を祈りたいだけです。彼が安全に帰宅できることを願っています。でも、最初から最後まで、私はグラウンドで相手についていける能力があることを知っていました。そして、ここに出てきて、これらのハイレベルなレスラーやグラップラーと渡り合えることを示したかった。私は今でも、彼らと同じくらい優秀です」と最初に風間を気遣い、そしてグラウンドでの自信を見せた。

 続けてコーミエーから「これまでクイントン・ランペイジやジェラルド・ハリスがこのようなスラムを見せたが、これほど破壊的なものは見たことがない」と問われ、「正しくスラムを決めなければならないと分かっていた。彼が三角絞めを仕掛けた瞬間、良い三角絞めだと分かりました。それが彼の最後の試合で勝った方法です。あの状況に陥ったことは嫌ですが、強さとパワーで立ち向かうと確信していました。ボーナスを獲得するか、その話題に名を連ねたいと考えていました。だから、そのスラムがボーナスに食い込むことを願っている。

(22歳でエライジャ・スミスの限界は?)神のみぞ知る。どれだけ高くなるか。空は限界ではない。望む限り、銀河の果てまで行ける。集中し、強く、賢く戦い、怪我をしないようにすれば」と語った。

 危険な姿勢でマットに叩きつけられた風間だが、試合後、病院へ直行しCTスキャンを受けた結果、異常無しと診断されたことが、実況で報告されている。

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