▼第8試合 インフィニティリーグ2025 女子スーパーアトム級 5分2R
〇高本千代(リーグ初戦/高本道場)49.7kg
[判定3-0] ※20-18×2, 20-16
×嶋屋 澪(リーグ初戦/SISU MMA&BJJ)49.9kg
5.18ニューピアホール大会で始まったインフィニティリーグ2025女子スーパーアトム級。“本命”と目されていた元DEEP王者・村上彩(修斗GYM東京)が元RISE王者・erika(THE BLACKBELT JAPAN)の打撃の前に判定負けを喫し波乱の幕開けとなった。
女子格闘技のトップを渡り歩いてきた村上彩とerikaはお互いのこだわりを見せ、とてつもない死闘となった。そして今大会での第1節2戦目では高本千代(高本道場)と嶋屋澪(SISU MMA&BJJ)が激突。
高本は3敗2分。PANCRASEで重田ホノカ、KARENに判定負け後、修斗で古賀愛蘭に判定負け。宝珠山桃花と杉本恵といった強豪と引き分けている。嶋屋は24年12月の大阪大会でプロデビューし、Fukkyとドロー。
奇しくも高本が“組み”、嶋屋が“打撃”とこちらもお互いのこだわりが垣間見えるマッチアップとなったが、階級を下げた高本はオーソからの左の蹴りもこなすストライカーの一面も見せており、嶋屋との立ち合いからの組みにも注目だ。
格闘技全体のキャリアは村上とerikaには及ばないが、この二人を超えなければ優勝は見えてこない。チャンスを活かすも殺すも自分次第。先ずは初陣でどんな戦いを見せるのか?
前日計量で高本は「(階級下げて)インフィニティリーグの選手として選んでいただきありがとうございます。今回の試合は私の4戦中の1試合目なので、幸先のいいKOか一本で勝って、より良いその後につなげられたらと思っています」とコメント。
嶋屋は「リーグ戦メンバーに選んでいただいてありがとうございます。しっかりいい結果を残せるように、一戦一戦大切に戦っていきたいと思います。しっかり勝っていいスタート切れるように頑張ります」と意気込みを示した。
1R、最初はサウスポー構えの高本。嶋屋もサウスポー。高本は左の蹴りで前に。嶋屋も左ロー、左ハイを上下に散らす。ブロックした高本は右ミドルの蹴り返し。右ジャブ、インロー。嶋屋はそこに左ストレートを突いて前に出て左ハイ。ガードした高本はワンツー。右ハイ。嶋屋もガードし、左の高い前蹴りは高本も避ける。
ワンツーでロープに詰めた高本は両脇を差すとコーナーに移動する嶋屋。高本は左差しで頭をつけて右ヒザに。さらにボディロックで小外がけテイクダウン。右で差して左足をパス。ハーフから抱きつく嶋屋に高本は右足もパス、サイドからマウント。脇を開けさせて腕十字へ。右脇に挟んで伸ばすが、嶋屋は後転してまたいで凌ぐ。前転させた高本がヒジを伸ばすが、嶋屋は凌ぐ。
2R、嶋屋の左腕のダメージはいかに。ワンツーから左ハイに繋ぐ嶋屋。ガードする高本は詰めて左のパンチを潜ってバッククリンチ。ボディロックで後方に崩してテイクダウン。レッグドラッグからパウンドしてマウント。パウンド、鉄槌。右腕をヒザで押さえてパウンド。リバーサルした嶋屋が上に。
下の高本は左で差して左足をかけてシングルレッグからダブルレッグで上に。両足を束ねる高本に首を抱えてギロチンスイープを狙う嶋屋に、高本はシングルレッグを外さず、トップに。サイドからニーイン、腕十字に。
いったんは後転した嶋屋を再び前転させて仰向けにさせた高本が極めに行くが、クラッチしたままの嶋屋。クラッチを切るが、ここもブリッジから後転してまたぐ嶋屋は高本のクラッチを足で切ってゴング。
判定は高本がスクランブル戦を制し、ニアフィニュシュも見せて1者が20-16、2者が20-18で3-0で勝利。父・高本裕和氏譲りの柔術紫帯の技術で攻勢となった高本千代が、勝ち点3を獲得。
マイクを渡された高本は「今日はまず、勝てたことがとても嬉しいです。今までMMA5戦して一度も勝てたことがなかったので、私の初勝利として記念すべき日になったと思います。ほんとうは何度か一本取れそうなタイミングがあったのですが、極め切れなかったのが反省なので、そこをしっかり直して次戦に挑みたいです。道場の皆さま、コーチやセコンドの皆さまありがとうございました」と語った。

















