2025年6月15日(日)東京・後楽園ホール『Road to RWS』(U-NEXT配信)のダブルメインイベント第2試合スーパーフライ級(-52.16kg)3分3Rで、リッティパン・パンダックラッタナブン(タイ)と対戦するイッセイ・ウォーワンチャイ(=石井一成/ウォーワンチャイプロモーション)のインタビューが主催者を通じて届いた。
打倒ムエタイを掲げるイッセイはWBCムエタイ世界スーパーフライ級、WPMF世界スーパーフライ級など権威あるタイのタイトルを次々と獲得し、2022年8月からK-1にも参戦。初代K-1 WORLD GPバンタム級王者・黒田斗真と2度に亘る激闘を繰り広げるなどし、2023年12月にK-1との契約を解除した。
それ以降はラジャダムナンタイトル獲得を目標に、RWSを主戦場に。スーパーフライ級からフライ級に階級を下げ、昨年12月にラーチャンに判定勝ち。前戦となった今年3月のジョムホート戦で惜しくも敗れ、今回再び階級を戻し、再起戦に臨む。
1Rから速攻勝負を仕掛けます
――5月31日の『K-1 BEYOND』で対戦相手の永坂吏羅選手との試合が中止になった大久保琉唯選手のエキシビションマッチの相手として石井選手が急遽発表されたのを見てビックリしました。
「朝9時ぐらいにお父さんからの電話で起こされて『一成、エキシビションマッチやる?』と聞かれて、寝ぼけながら『やります』と(笑)。とりあえず準備しようと思って風呂に入って準備して、福岡から飛行機で横浜に向かって試合の30分前に会場に着きました。セコンドに付いてくれた(吉成)名高とは試合5分前に合流しました(笑)」
――ちなみにその日は何をする予定だったんですか?
「昼から練習して、夕方は福岡で開催されるアジアンマーケットのムエタイショーに出演予定でした。それはジムの他の選手に任せて、会長と2人で会場に向かう形になりました」
――実際にK-1ファンの前でエキシビションマッチという形で試合をしてどうでした?
「リング上で大久保選手と向かい合った時にめちゃくちゃデカかいなと。エキシビションマッチですけど、ガチでやると思っていて、向こうも僕が試合前ということで気を遣ってくれたのか、最初の手合わせの時にお互い軽く探り合いでやったら、そのままの流れでガチにはならなかったんですね。二人ともケガなく終われたので、それはそれで良かったのかなと」
――今回の試合に向けては何か意識して取り組んでいることはありますか。
「最近、魔裟斗さんの昔のK-1の試合映像をよく見ていて、ローとボディとフックの左の攻撃で倒しにいくスタイルで行こうかなと。僕は小さい頃から魔裟斗さんのスタイルに憧れていたので、あのスタイルでムエタイに挑もうかなと思っています」
――魔裟斗さんのスタイルで行こうと思うようになったのはどういう理由で?
「最近の自分の試合を見返すと、自分から前に行けなかったり、いろんなことを考えてしまうんです。相手と向かい合った時に『俺がこの攻撃を出しても、ちょっと交わされるかな』とか不安要素が多すぎて、どんどん自信がなくなっていたんです。そんな時に3月のRWSでのジョムホート戦の時に、カメラマンの早田寛さん(第7代MA日本キックボクシング連盟フライ級王者)から『昔みたいなスタイルに戻った方がいいよ。それこそ魔裟斗さんの昔の動画を見るのもありだね』と言われて、確かに昔は魔裟斗さんの動画ばかり見ていたなと思って。
僕は小さい頃から魔裟斗さんを真似してやっていたから、ここで原点に戻ろうと思いました。昔は全身全霊でぶつかり合って意地でも倒すような迫力があったのに、今はそれがないなと。もう足が折れても蹴りに行こうというぐらいのガッツがないとダメなのかなと思って、今は魔裟斗さんの試合を見て参考にしています。
――昨年12月のラーチャン戦、ジョムホート戦とスーパーフライ級からフライ級に階級を下げての試合でしたが、今回はスーパーフライ級に階級を戻したのはどういう理由ですか。
「ラーチャン戦の時は楽に体重を落とせたのですが、試合で腕が上がらなくなったり、体重を落とすための追い込み練習になったり、試合の1週間前はずっと減量ばかり気にして、ご飯をめちゃくちゃ減らして、低燃費で動いていたんですよ。試合では相手の攻撃も軽いので良いなと。食べ物にも気を付けていたんですけど、試合中はずっと肝臓が痛く、ガードの上から蹴りをもらうとお腹に振動が来てお腹に痛みを感じることが多々ありました。
立ってステップしてるだけで、お腹が揺れて痛みを感じたりと、体にすごく負担がかかっていたんでしょうね。力も入らない感じがしたので、周りから『多分、一成はフライ級は合ってないよ』と。それでも、一回フライ級でやったからにはやらなくてはいけないという気持ちでやっていたんですけど、BOMの中川夏生代表から『もう一回スーパーフライ級でやろう。一成の倒す姿が見たい』と言ってもらえて、その言葉に甘えた形になるんですけど、スーパーフライ級に戻すことにしました」
――階級を戻して動いた感じはどうですか?
「めちゃくちゃ力も入るし、疲れがなくなりましたね。前のような減量をしながらの練習だと、毎日疲れ果てて、体が動かないくらいの感じだったんですけど、今も疲れはありますが、精神状態もいいし、ガッツもあるし、強くなるために頑張ろうと思えるので適正階級はスーパーフライト級かなと思います」
――そういう中で今回の再起戦には、現ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級6位のリッティパンが相手になりました。
「元々は名高がラジャダムナンスタジアムのタイトルマッチで倒したタイ人選手と対戦が決まっていたのですが、その選手が3月にKO負けして引退になったんです。相手が変わって、その選手をKOした相手との試合が今回決まり、自分にとってはより強い選手とやれることになったのでめっちゃ嬉しいです。最近はサウスポーの選手とやることが多く、今回はオーソドックスの選手なのでさらに嬉しいですね(笑)」
――選手としてはどういった印象がありますか。
「フィームータイプで相手の攻撃をいなして戦うだけにやりづらさはあるかと思うんですけど、打ち合うところでは打ち合ってくれるし、上手い選手ですけど、やっぱり穴も見つかるようなファイターだったので、そこをどんどん突いていきたいですね」
――今回の試合のテーマはありますか。
「復活です。最近、倒して勝った試合がないので、今回は倒したいですね。1Rから速攻勝負を仕掛けます。6月15日は復活した石井一成を見せられるように頑張りますので、応援よろしくお願いします!」