▼フェザー級 ムエタイ 3分3R
×シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
[2R 2分20秒 KO]※左ボディブロー
〇ニコ・カリロ(スコットランド/Deachkalek Muay Thai Academy)


シッティチャイはプロ160戦以上と鉄人的な戦歴を持つ現役のムエタイレジェンド。キックボクシングとムエタイを合わせ、世界王者に11回輝く。過去10年間に渡り、キックボクシングとムエタイで、最も圧倒的な強さを誇る選手の1人として評価を築き上げてきた。

ONEには2020年7月から参戦。2022年の「ONEフェザー級キックボクシングワールドグランプリ」では決勝へ進出するもチンギス・アラゾフに判定負け。2023年9月にモハマド・シアサラニに判定で敗れ、2024年1月の日本大会ではマラット・グレゴリアンにKO負けを喫して連敗したが、5月の野杁正明戦で完勝を収めて実力者健在ぶりを示した。しかし、12月のシャドウ・シンハ・マウイン戦では判定負けと近年は黒星が増えてきている。戦績は129勝(39KO)36敗5分。

カリロはスコットランド出身の25歳で、WMOウェルター&スーパーウェルター級王座、ISKAムエタイ世界65㎏級王座などを獲得。2023年4月にONEに初参戦すると、フルカン・カラバフを3R TKO。6月にムアンタイ・PK・センチャイを2R TKO。12月には元王者のノンオー・ハマをヒジ打ちで2R 失神KOに下し、2024年7月にはセーマペッチと対戦。2Rに3度のダウンを奪ってKO勝ち。ONEで4連勝、ONE参戦前から合わせると15連勝を飾っていたが、2025年1月の暫定ONEバンタム級ムエタイ世界王者決定戦でナビル・アナンに初回TKO負けを喫した。戦績は27勝(5KO)4敗1分。

階級を上げて再起戦のカリロがベテランのシッティチャイに引導を渡すか、それともシッティチャイがトップクラスの座を譲らないのか。

1R、カリロは下から階級を上げてきたとは思えないほどデカい。サウスポーから左インローを蹴るシッティチャイにカリロは右ミドル。シッティチャイの左インローがローブローとなって試合中断。

再開後、じりじりと前に出るカリロは前蹴り、シッティチャイは左ボディストレート。カリロは距離を詰めると首相撲からヒジ。シッティチャイは流血する。ボディと顔面にストレートを打ち分けるシッティチャイにカリロはスイッチして左ストレートを放つ。

2R、カリロの前蹴りに下がるシッティチャイへカリロは右縦ヒジ。シッティチャイは左ストレートのボディ&顔面で応戦する。カリロの左フックからの右ヒジにシッティチャイも左ヒジ。カリロが左右ヒジの連打、シッティチャイはテンカオ。

ヒジを警戒するシッティチャイにカリロは左ボディから右ヒジ。カリロが左ボディでダウンを奪う。カリロは右三日月を蹴ってシッティチャイをロープ際まで追いつめるとまたも右ストレートからの左ボディ。シッティチャイが悶絶して倒れ、カリロの鮮やかなKO勝ちとなった。

5万ドルボーナスの告知にカリロはバク宙を連発して大喜び。「頭が真っ白だった。とにかく前に出た。ナビル・アナンにKOされて落ち込んだがカムバック出来たよ」と勝利者インタビューに答えた。


