▼コー・メイン ライト級キックボクシング世界タイトルマッチ 3分5R
〇レギン・アーセル(スリナム/Sityodtong Amsterdam/前王者)
[判定2-0]
×アレクシ・ニコラ(フランス/Mahmoudi Gym)
※アーセルがハイドレーションテストをパス出来ず王座はく奪。二コラ勝利の場合のみ新王者となる変則タイトル戦。


アーセルは15歳でムエタイを始め、プロに転向するとすぐにオランダ国内には敵がいなくなり海外へ相手を求めた。2016年11月に『Lion Fight』にて世界スーパーミドル級王座をTKOで奪取すると3度の防衛に成功。2017年5月には『Mix Fight Gala』の78.5kgトーナメントでも優勝している。ONEには2018年4月から参戦し、2019年5月にニキー・ホルツケンに判定勝ちでONEキックボクシング世界ライト級王座を獲得。その後、4度の防衛に成功すると2022年10月にはONEムエタイ世界同級王座決定戦で勝利、キックボクシングルールとムエタイルールの統一王者となった。

3月にシンサムットをKOしてムエタイ王座を初防衛、6月にはドミトリー・メンシコフをKOして2度目の防衛に成功。2016年3月から8年間無敗・23連勝を飾っていたが、2024年5月のアレクシ・ニコラ戦で判定負け。キックボクシング世界王座を奪われたが、10月のダイレクトリマッチでニコラに判定勝ち、王座を奪回した。戦績は62勝(27KO)5敗。

二コラはサバット出身で2019年にジュニア、2021年にシニアでそれぞれ世界王者となった。ISKA K-1ルール世界スーパーミドル級王座を持ち、2024年1月の『ONE Friday Fights 47』で初参戦。マゴメド・マゴメドフに判定勝ちして2024年4月、ONEライト級(※77.1kg)キックボクシング世界タイトルマッチの挑戦者に抜擢されると、王者アーセルを判定に破る番狂わせを起こして16戦無敗のまま王座に就いた。しかし、前述の通り10月のダイレクトリマッチで判定負け、アーセルに王座を奪われた。戦績は16勝(5KO)1敗。

共に3試合連続で同じ相手とのタイトルマッチ。手の内を知り尽くし、1勝1敗で迎える決着戦を制するのはどっちだ。

アーセルはハイドレーションテストをクリアすることが出来ず、王座ははく奪。試合はキャッチウェイト戦で行われ、二コラが勝利した場合のみ新王者として認定される。

1R、互いにインローを蹴っていく中、アーセルが右ストレート。しつこくローを蹴っていく二コラにアーセルは右のアッパー、フックを狙う。右ミドルをヒットさせる二コラ。左インローにはアーセルの足が大きく跳ね上がる。

左へ回り込みながらアーセルの前足を外側・内側から蹴る二コラ。アーセルはそれにバランスを崩しながらも右ストレート、左フックを打って行く。接近戦になると左ボディも打つ二コラにアーセルはヒザ。アーセルの振りの大きなパンチは空振りが目立つ。

2R、アーセルは頻繁にスイッチするが、二コラは左右どちらの足が前に来ても外側・内側から蹴っていく。カーフとローの二重奏。ガードを固めるアーセルに二コラは左ボディから右ロー、アーセルはアッパーを繰り出すが空振り。アーセルの左ハイが軽くヒットすると、続けて左フック。これで二コラが下がるとアーセルはパンチをまとめて右ストレートから返しの左フックでダウンを奪う。形勢逆転。

3R、ローを蹴っていく二コラにアーセルがスイッチしながら前へ出ての左右フック、飛びヒザ蹴りからの右フック。アーセルはジャブで距離を取り、左ストレートで入っていくと左フック。二コラも飛び込みの左フックを見せる。アーセルがバックブローを繰り出せば二コラもバックブローを見せる。左右フックで逆転を狙う二コラだがアーセルが長いリーチからの左フック。

4R、二コラのローにジャブを合わせるアーセル。右クロスからの左フックがまたも二コラの頭を揺らす。ジャブ、ミドルで距離をとるアーセルは前に出てパンチを打ってくる二コラに左ストレート。序盤の空振りの多さが嘘のようにアーセルが的確にパンチを当てていく。二コラは左ボディからの左フック、アーセルは左フックを返す。アーセルは逃げ切り態勢か、二コラの攻撃に返すだけで手数が減った。

5R、ジャブと左ミドルのアーセルに詰めていく二コラ。ワンツーからの右ハイを見せると、アーセルは左ミドル。しつこく右ローを蹴る二コラはパンチにつなげるが決定打を奪えない。アーセルはジャブを中心に、時折右ストレートを打つ。その右が強打になる場面も。追いかける二コラだがアーセルはステップで動き回り、右ストレートとジャブで主導権を握らせなかった。

判定は2-0でアーセルの勝利。二コラとの対戦成績を2勝1敗とした。アーセルは「全力は尽くしたがベルトを失ってしまった。次はムエタイ王座を防衛したい。キックボクシングの王座も取り戻したい」と語った。


