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【修斗】怪我から復帰の上原が涙の環太平洋フェザー級王座防衛、スプリット判定の青井は届かず。新井にキムラ極めたムラタ「ダイキライトイヤー、環太平洋やらせてくれよ!」、Wノックダウンの榎本が関根に判定勝ち、藤田が塚本をRNC極める、杉本が大竹を12秒TKO

2025/03/25 13:03
【修斗】怪我から復帰の上原が涙の環太平洋フェザー級王座防衛、スプリット判定の青井は届かず。新井にキムラ極めたムラタ「ダイキライトイヤー、環太平洋やらせてくれよ!」、Wノックダウンの榎本が関根に判定勝ち、藤田が塚本をRNC極める、杉本が大竹を12秒TKO

(C)SASTAIN

 2025年3月23日(日)東京・新宿FACEにてプロ修斗公式戦『SHOOTO GIG TOKYO Vol.38』が開催された(※ツイキャス見逃し配信中)。

▼環太平洋フェザー級チャンピオンシップ 5分3R
〇上原 平(王者・初防衛戦/リバーサルジム横浜グランドスラム)
[判定 2-1] ※29-28×2, 30-27

×青井太一(挑戦者・同級4位/心技舘)
※上原が初防衛に成功

 3月23日(日)『SHOOTO GIG TOKYO Vol.38』のメインを飾るのは、環太平洋王者・上原平(リバーサルジム横浜グランドスラム)と青井太一(挑戦者・同級4位/心技舘)。

 上原は、インフィニティリーグ2023フェザー級で準優勝を飾り、優勝した竹原魁晟(THE BLACKBELT JAPAN)と王者決定戦を行う予定だったが、竹原の計量失格で戦わずして王座戴冠となっていた。前戦は2023年9月に磯部鉄心に判定勝ち

 今回、1年5カ月ぶりの試合で王者としての真価が問われる初防衛戦の相手となるのは、今一番勢いに乗っている青井太一(同級4位/心技舘)だ。



 青井は、元環太平洋王者・遠藤雄介を師匠に持ち、小学生の頃からジュニアMMAで活躍。2024年は勝利している4戦全てがKO勝利。特筆すべきは長年フェザー級の中心選手としてランキングに名を連ねてきた山本健斗デリカット(総合格闘技道場コブラ会)をわずか42秒右フック一閃、KO勝ちしていること。

 的確に顔面を貫き勝利を掴むとともに挑戦権もゲット。フェザー級で今一番波に乗っており、潜在能力が一気に覚醒した選手と言って間違いない。

 一方、環太平洋王者の上原は怪我のメンテナンス、試合消滅のアクシデントも重なり、2023年9月以来、1年5カ月振り実戦となる。試合感覚がどこまで戻るのかが気になるところだ。

 昨年だけで5試合戦っているチャレンジャーの青井の方がモメンタムが有利なのは間違いない。双方タイプは違うがスタンドを中心にゲームメイクするスタイルだけに鍵を握るのはパンチ&テイクダウンになるだろう。追う者と、追われる者。最後に伝統のベルトを巻き、勝ち名乗りを受けるのは!?

 1R、ともにオーソドックス構え。中央を取る青井は右フックをガード上に突く。左の蹴りは上原。青井は左から右の4連打で詰めるが、ガードし右回りの上原。

 オーソから左の蹴りで牽制する上原に、青井は左から右の連打。かわす上原はシングルレッグも切る青井に離れる。そこに身体ごと跳び上がる右アッパーを打つのは青井。かわした上原。互いに右の飛び込み。

 離れた上原は左の蹴りをジャブがわりに。青井の打撃にしっかりガードすると圧力をかけて右! 右バックフィストを狙う青井を追ってダブルレッグも差し上げる青井は離れてから、左から右アッパー! これはもらった上原だが続く左右フックはしっかりガード固めてブロッキング。

 コーナーに詰めて左フック、右アッパーの青井。上原は組みからヒザを返し、ワンツーで前に。青井は右から左を真っ直ぐ突く。左三日月蹴りを返す上原はインロー。さらに右フックに青井は右バックフィストを側頭部にヒットも上原も頭をずらしている。すぐにワンツーで詰める青井。左アッパーは大きい。上原がワンツー、追い突きで詰めて組み。

 突き放す青井は、上原の飛び込みに右バックフィストも空振りで尻餅。打撃で軸がブレても強振する。しかし詰める上原は組み際のヒザで押し込みゴング。

 上原は、2試合連続1R KO中の青井の初回を凌いだ。

 2R、先にワンツーで入っていくのは上原。回る青井は左前蹴り。上原の入りに左フックを強振する。上原の左と青井の右アッパーが交錯。詰めるのは上原。四つに組む青井を突き放す上原がワンツーから組んでバッククリンチ。青井は上半身がロープ外に出る。

 後方からヒザを突き、正対する青井になおもヒザの上原。青井は押し戻すが、上原はノーモーションの右を突く。ともに左インロー。青井はインローから組みも切る上原はこつこつロー。右フックを返す青井だが、そこに左右の上原。首相撲ヒザも突くがバッティングに。再開。

 右で飛び込む青井に右に回ってかわす上原。右ローの青井をチェック。右を突いて青井の左をかわして組んだ上原は、ボディロックテイクダウン! すぐに立つ青井。上原は頭を上下にフェイントで振って青井の右に合わせて右を突いて組み。放し際に左ローも。

 左フック、右アッパーの青井をさばく上原は細かく足踏みをするようにステップしてから右。そこに左前手をかぶせにいく青井。上原は左インローを入れる。

 右から左の青井に、上原は左で飛び込み。青井は左から右で圧力。上原の右のダブルの前進をさばき、右の跳びヒザ。蹴り足をつかんだ上原は反対コーナーまでドライブ。コーナーで足を着地させた青井に右ヒジを突く上原も左目周辺から若干の出血。

 離れた青井に左ジャブを当てる上原。青井の右アッパーは空を斬る。青井の右フック強振と上原の右が交錯、どちらも避ける。近づくと組んでヒジの上原。前に出て左前蹴りを腹に突いてゴング。

 3R、上原のファールカップを締め直す。再開。軽くステップを踏んで中央に出る上原。右ローを前足に突く。右を伸ばす青井をかわす上原は右オーバーハンド。上下に散らして右で飛び込む上原がワンツーから組みを混ぜて前に。

 青井も左から右アッパーで押し戻すと互いに左をヒット。上原は左から右をさらに当てる。「来い」と招く上原。左ボディストレート、右から左で前に。ここはさばく青井のワンツーにカウンターの右は上原! さらに左の返しも当てる。すぐに左前蹴りも突く上原は手数を止めない。

 見合いから先に上で組みに行く上原。差し上げる青井だがバランスを崩しながら左回り。すぐに詰めて左から右を打ち込む上原。青井の打ち返しに右を合わせる! 下がらない青井も左から右アッパーも軸がブレる。

 まだ残り3分。今度は青井が「来い」と誘う。上原のパンチが指を開いたものとなり注意。再開。左ローを当てる青井に右オーバーハンドで詰める上原。ボディロックも切る青井。

 上原の右ローにワンツーを突く青井。苦しい時間帯に上原はジャブを見せてシングルレッグからダブルレッグへ。ロープ背に切る青井の離れ際に左ハイも。

 回る青井にすぐにジャブ&ローで詰める上原。青井は大きな左フック。近づくとヒザを突く上原。青井もノーモーションの右で前に。上原も右から左で押し戻し。

 タフな試合展開のなか、両者顔を腫らしながら、上原がワンツーで前に。青井がサークリング。追う上原の前進から右を振っての胴タックルが青井の頭に当たり中断。

 上原に「警告」。再開。前に出る青井の右ミドルを掴んでシングルレッグで倒す上原! 青井の立ち上がりにバッククリンチ。残り1分。背後から左足をかけに行く上原だが、放して左ハイを打ってスタンド勝負。

 前に出る青井をさばいて左前手、前蹴りの上原に、青井は左から右アッパー、最後の左を届かせる。さらに右ストレートも、避けた上原は組んで放し際に左前蹴りを腹に。青井の左フックをブロッキングしてワンツーの右で前進。後退した青井にさらに右フックを打ち込んでゴング。

 大熱闘の判定は、青井30-27、上原29-28×2、コールに上原は顔をくしゃくしゃにさせて涙。コーナーに挨拶し、ひざまずく上原に青井も正座し、握手。コーナーの勝村代表に鼻血を拭かれた上原は、マイクを渡され、「皆さん、遅くまで残ってくださり、ありがとうございます。青井選手と応援団の方々もありがとうございました。(涙があふれ)すみません……かっこいいこと言うつもりでしたが、もうちょっと全部忘れました。殴られて……みんなに支えられながら生きていけてます。ありがとうございます。これからも頑張るんで一緒に頑張りましょう」と語った。

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