ワンデートーナメントに挑む(左から)昇也、伊藤、西京、弘輝、児玉、古宮、永澤(C)K-1
2025年2月23日(日)東京・後楽園ホール『Krush.171』の前日計量&記者会見が、22日(土)都内にて正午より行われた。
今大会で行われる後楽園ホール初の8人制ワンデートーナメント「Krushライト級トーナメント」に出場する8選手は全員無事に計量をクリアし、決戦を直前にしての意気込みをコメントした。
1回戦の第1試合は昇也(士魂村上塾)vs.伊藤健人(K-1ジム蒲田チームアスラ)。前Krushライト級王者の伊藤を相手にすることになった昇也だが、SNS上で行われた優勝予想で自分の名前が上がっていないことに触れ、「明日はXとか予想とかあるんですけど、それを覆す結果にしたいなと思います」との意気込み。
トーナメントを制覇するのに必要なこととして、「シンプルに頑丈さ」と答えた昇也は、「本当に完璧に仕上がったので、明日、俺のアツい試合を3試合見せます」と、自信満々に優勝を約束した。
対する伊藤は昨年、里見柚己に勝って念願のKrush王者になったものの、初防衛戦で大岩に敗れて王座陥落。12月の『Krush.169』でも今回トーナメントに出場する児玉に敗れて、現在は2連敗中だ。
このトーナメントで優勝して巻き返しを図りたいところで、「1試合1試合出し切ってやるのが僕の戦い方なので、今回は3試合やるつもりで、1試合1試合に懸ける思いを3試合分用意してきた」と、トーナメントに懸ける気持ちも強い。「1試合目から決勝までフルスイングします」と、1回戦の昇也との戦いから自分の全力を叩きつけて、トーナメント制覇を目指すことを宣言した。
1回戦第2試合は西京佑馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)vs.弘輝(WORLD TREE GYM)。西京は識者たちの優勝予想でも名前が一番上がっており、文字通り優勝候補という立場での参戦。「明日自分が優勝して、Krushをしっかり締めたいと思います」とコメントした西京だが、優勝候補と呼ばれることについては、「簡単にいくものじゃないし、そのへんは気にせず自分のペースで集中してやっていこうかなと思います」と、周囲の声に惑わされることはない。
優勝するのに必要なことも、「集中力」とズバリと答えた西京。「しっかり腹括ってきたので、覚悟を決めて優勝するので注目お願いします」と強い覚悟と集中力で、栄冠を勝ち取りにいくつもり。
この西京と対戦する弘輝だが、公開抽選会では選べる順番がくじ引きで最後の8番目になってしまい、自動的に西京との1回戦が決定した。弘輝は公開抽選会の時から、「みんな西京くんから逃げた」と挑発してきたが、今回の会見でもその姿勢は変わらない。西京に関しては、「西京くんの試合をホンマに好きになっちゃう程見た」と対策を練ってきたようだが、「このメンバーで西京くんに勝てるのは俺しかいいひん」、「あとは全員西京くんと俺以下のビビったヤツらなので、何も対策はいらんし、眼中にもない」と豪語した。
これを聞いた他の選手は、「1試合目なんで結構休めるかなって感じで選んだだけなんで、誰が来ても良かった」(昇也)、「サウスポーとやると決めていたので、そこに昇也選手がいたので選ばせていただきました」(伊藤)、「弘輝選手の言っていることは間違いじゃないと思いますし、ワンマッチであれば僕も強い選手とやりたい気持ちはあったんですけど、目指すは優勝ですので、綿密に会長と作戦を立ててきたので、児玉選手は作戦の中の一つだった」(天野)、「まあ弘輝くんの言うことは言われてもしょうがないんじゃないですかね。優勝すれば関係ない」(永澤)、「優勝することだけ意識しているんで、まあ何もないですね」(古宮)と、反応は様々だ。
特に前回の会見で弘輝と乱闘騒ぎを起こした児玉は、「8番引いたんだから、最終的にどっかに入るしかないから、それが西京くんだったというだけで、仮に弘輝が2番を引いていたら、西京くんの方に行ってたかって言ったらそんなことないと思う」と猛反発。
これを聞いた弘輝は、「ごめん。なんかみんな必死こいて6選手に言い訳させて、めっちゃ申し訳ないですね」とさらに挑発するようなコメント。自ら注目を集める発言をした上で、「Krush大好きなんで、僕がKrushのトーナメントを制覇するのをファンのみんなも一番見たいんかなと思っているし、団体としても一番ありがたいことやと思うんで、明日は俺の日にしたいと思います」と、強気の姿勢で優勝宣言した。
1回戦第3試合では天野颯大(キング・ムエ)vs.児玉兼慎(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)が行われる。スーパー・フェザー級で戦っている天野は、今回は1階級上のライト級のトーナメントへの挑戦となる。昇也同様、X上での予想では名前が上がらなかったことに触れ、「皆さんの予想だったり想像を全部覆して僕が優勝しようかなと思っている」と、番狂わせを起こすことを誓う。
優勝すれば、Krushライト級チャンピオンの大岩龍矢への挑戦も頭にあるようだが、本来の階級であるスーパー・フェザー級での戦いにも貪欲だ。5.31K-1横浜大会での「K-1第6代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント」について、「5月のK-1のトーナメントにも出場したいと思っていますので、先にここで言うんですけど、そこも視野に入れています」と、スーパー・フェザー級での頂点獲りにも意欲を示していた。
対する児玉は「明日優勝するために来ました。明日優勝します」とシンプルに優勝宣言。トーナメント制覇には運が必要だと考えた児玉は、「練習するのとかは当たり前なので、それ以外にトーナメントなので運を味方につけようと思って、ゴミとか拾ったりしていましたね」と、募金、ゴミ拾い、ポイ捨てをしないなど、普段やらないような善行を積み、運気上昇を図ってきたとする。
これが効果的かどうかは分からないが、「それが明日出るかなっていうので一番持っていると思います」と信じて疑わない。さらにプロになってから初めてのトーナメント参加のため、昔のK-1のワンデートーナメントの映像を観て勉強をしたという。
「僕は99年のホーストになります」と宣言する児玉。99年のホーストとは、その年の4月にフランシスコ・フィリォに失神KO負けしたホーストが、『K-1 GRAND PRIX'99』にて1回戦でジャビット・バイラミに判定勝ち、準々決勝でアンディ・フグに判定勝ち、準決勝でジェロム・レ・バンナにKO勝ち、決勝戦でミルコ・クロコップにKO勝ちを収め、失神KO負けから2度目の優勝を果たして劇的な復活を遂げた年である。K-1 GRAND PRIXヘビー級トーナメントを4度制覇しているホーストの中から、なぜ99年を選んだのかは定かではないが、劇的な優勝を遂げるということか。
1回戦第4試合は古宮晴(昇龍會)vs.永澤サムエル聖光(林商店)だ。生まれつき難聴のハンデを持ちながらK-1 GROUPのリングで戦う古宮だが、昨年の10.5K-1大阪大会でK-1のトップファイターの一角である篠原悠人にKO勝利。今回のトーナメントにも、「やるだけのことはやったので、優勝するだけです」とシンプルな優勝宣言。
前回の試合となった昨年の12.8『Krush.169』では、今回のトーナメントにも参戦する西京に敗れてしまったが、「前回の試合で分かったこととか修正するとことかしっかり重点を置いて仕上げてきました」と、しっかり修正に励んできたとする。「明日は自分の試合で何かを感じられる、与えられるような試合をして優勝するところを、ライブでも会場でも見届けてほしいです」とメッセージ。
対する永澤はKrushに参戦して今回の1回戦が3戦目。ここまで1勝1敗という戦績だが、K-1 GROUPでの戦いに慣れてきたのもあってか、「こいつらの足を全員分折る練習をしてきました。ローキックで折ります」と、自信満々に抱負を語った。
トーナメントにおいて、自分の見てほしいところを聞かれても、「足を折ります。足を折るので、是非、ローキックを見てください」と、とにかくローキックに自信がある様子。
宮田充K-1プロデューサーからは、大会当日に元K-1ライト級王者の朝久泰央、元Krushライト級王者の里見柚己、現Krushライト級王者の大岩龍矢の3人が来場し、このトーナメントを観戦することが発表されたが、永澤は「1回目Krushに参戦した時に里見にやられてるのでやり返したいですね。あとはチャンピオンとやりたいです」と、目指す目標も定まっている。「俺はまだKrushに来て明日で3戦目。外敵がKrush勢全員ぶっ飛ばして、Krushファンにざまあみろって言ってやりたいですね」と、外敵としての自分がトーナメントを制覇すると息巻いた。
短い時間で、優勝するまで1日3試合を勝ち抜かなければいけない過酷なトーナメント。初代王者となるのは誰か。