2025年2月24日(月・祝)東京・後楽園ホール『Krush.171』で行われる、ライト級ワンデートーナメントに出場する伊藤健人(K-1ジム蒲田チームアスラ)のインタビューが主催者を通じて届いた。
伊藤は3連敗を喫した後、2022年6月に階級をライト級に上げて初戦で南雲大輝に2RKO勝ち。9月は弘輝に判定で敗れるも12月は鈴木翔也に判定勝ち。2023年2月には堀井翼から得意の右フックでダウンを奪って判定勝ちした。7月にはK-1でティントーンからも判定勝ち。2023年9月のK-1横浜大会で里見柚己をKOし、2024年2月に里見が保持するKrushライト級王座を懸けての再戦でもKO勝ちして王座に就いた。しかし、7月の初防衛戦で大岩龍矢に敗れて王座を失い、12月は児玉兼慎に判定で敗れた。戦績は15勝(5KO)14敗4分。
1回戦では昇也(士魂村上塾)と対戦する。
自分が優勝する道筋としての場所を選んだ
──1月の後楽園大会ではリング上で組み合わせ抽選が行われました。伊藤選手は後から昇也選手と対戦する第1試合の枠に入りましたよね。
「自分のやりたい相手はだいたい決めてあの場に行ってて、クジ次第ではあったんですけど、入る場所は決めてたという感じですね。僕が選ぶ時点で残ってたのは2枠だったので、その中で自分が優勝する道筋としての場所を選んだ感じです」
──なるほど。その2枠で昇也選手を選んだのは、もう迷わなかった?
「ちょっと迷いましたけどね。ただリングに上がって向かい合うと、その場の勢いとか感情で選んじゃったりするので、感情で動かないように、あらかじめやりたい相手を選んでたんです。その上でああなった感じです」
──その後、「永澤サムエル聖光選手と、本当はやりたかった」という発言もありました。伊藤選手が選ぶ時点で、永澤選手の相手はもう決まってましたね。
「他の選手もいての話なので、そこは仕方ないなという感じでした。まあ、彼とは1回戦で当たらないならもう当たることはないなと思って、そこは切り替えて」
──それで決まった1回戦の相手、昇也選手の印象は?
「他の選手にはない戦い方をする選手ですよね。ガッツで来るのがナチュラルな状態というか、その状態で常にいるような感じなので、他の選手とは少し違うなという感じです。そこが強みでもあり弱点でもあるのかなと思っているので、自分はそこで勝ちますね」
──記者会見の時点では、3試合を短期決戦で勝つという話をされていたと思います。狙うのはそこ?
「試合の流れにもよると思うんですけど、そうできれば理想ですね。1回戦に全集中してやってきたので、まずそれを1試合目に出せば、その日の自分の感覚とか調子も理解できると思います。そこからすぐ次の試合に向けて、話し合いを含めてチームで整えながら、決勝まで勝ち進みたいと思います」
──他の6人についてはどうでしょう?
「それぞれイメージはしています。ただ、1回戦で当たるのは昇也選手なので、そこに全集中はしてますね」
──また、選手や関係者の優勝予想が公開され始めました(注:取材時点では2日目まで、計12人分が公開)。それは見ていますか?
「ドキドキはしてたんですけど(笑)、正直言うと見てないです。今後の分も含めて、目に入ってきたら仕方ないですけど、自分から見に行くことはしないと思います」
──それに左右されたくない?
「皆さんに予想していただくのはとてもありがたいし、どんどん予想していただきたいんですけど、僕たちはプレイヤーなので、やるだけという感じですね」
──ワンデー・トーナメントで最高3試合を戦うために何かをしていますか?
「まあ僕も初めてなので分からない部分はあるんですけど、スタミナ強化とか、あとは身体のケアなどの準備はしています。たぶん、今回の8人は全員、ワンデートーナメントは初めてだと思うので、そこに差はないとは思います。格闘家として1日3試合するというのはチャンスだと思っているので、今はプラスにしか捉えてないですね」
──ではそこに不安要素はない?
「決まる前はあったんですけど、もう今は覚悟が決まっています。過去に、いろんな状況があった中で、3試合戦い抜いてワンデートーナメントを勝ち抜けた選手たちのことは知っているので、僕もその仲間入りというか、その中に加われるんだなと思っています」
──伊藤選手としては、このトーナメントに優勝すると、何がどうなると思っていますか?
「間違いなく、ライト級の主役にはなれるんじゃないですか。ただ、この8人が頂上というわけではないと思うので、あくまで今回のGPの頂上ですよね。先日のK-1でもライト級の試合が組まれて、里見柚己選手が、現チャンピオンに勝った外国人選手を下した試合も拝見しましたし、年末のRIZINでK-1の強さを証明してくれた朝久泰央選手の試合も見て、そこからの刺激も大きかったので、GPではナンバー1を取って、駆け上がりたいと思っています」
──3試合勝ち抜いて優勝するために、一番必要なものは何だと思いますか?
「準備と、それを遂行する力じゃないですかね。あとは、覚悟。そこだと思います」
──聞いていると、現時点でもかなり覚悟はできているように感じます。
「そうですね。自分は今、連敗中なんですけど、いろんな人の意見を聞いて、チームの意見を聞いて、理解できてきているというか。でも、そこで自分がミスをしたためにこの結果が続いているので、それを早く払拭して1日3試合というチャンスでもう一度駆け上がります」
──「チームの力」という点では、かなり自信がありそうですね。
「ホントにそうですね。チームの心強さというか力強さが半端じゃなくて、チームとか代表の言うことが100%遂行できれば、もう今みたいな結果ではないので。今は自分が遂行できてないだけですからね。答えは教えてくれているので、あとはそれを自分がどれだけ体現していくかだけで、チームへの信頼はすごいですね。チームだけでなく応援に来てくれる皆さんからの力もたくさんもらっているので、それを体現するだけですね」
──では最後に、今回のメンバー8人の中で、「これに関しては絶対俺が一番!」というところはどこですか?
「難しい質問ですね(笑)。まあでも、この8人の中で『Krushの戦い』を一番体現できているのは僕だと思います。それが1試合目から出ると思いますし、お客さんに何かを伝えられる試合ができるのは自分だと思います。それを3試合やって、頂上に駆け上がろうと思います」