キックボクシング
レポート

【DEEP☆KICK】上野コウキと健真が決勝進出、王座決定トーナメントは松山瞬が決勝へ、女子は坂田実優と桃花・シンデレラが勝ち上がる

2025/02/16 11:02

▼第5試合 DEEP☆KICK QUEEN -46kg初代王座決定トーナメント Bブロック準決勝 2分3R延長1R
◯坂田実優(FASCINATE FIGHT TEAM)
延長R 判定3-0 ※10-9×3
×Sero(NJKF健心塾)
※本戦の判定は30-29、30-30、29-30。坂田実優がトーナメントBブロック決勝に進出。


「今日のみぃは過去一強いですから」


 試合前、筆者の元に坂田のセコンドを務めるRISE QUEENミニフライ級王者の小林愛理奈(FASCINATE FIGHT TEAM)が訪れ、不敵な微笑とともに坂田の勝利を予告した。競り合う試合をしながら判定勝負になると負けることが多い。ジャッジに印象点を認めてもらうのが下手といってしまえばそれまでだが、過去の坂田にはそんなイメージがある。


 しかし盟友・小林に引っ張られるかのように実力の方は少しずつアップしてきたのだろう。RISEの予想屋・一馬がプッシュするほどの選手になった。一方、開幕戦で対峙したSeroはNJKF健心塾所属の16歳。拠点とする同塾の伊勢支部は女子の選手が多く、その中で揉まれて強くなってきた選手だ。まだプロでは結果が出ていないが、ポテンシャルは高いといわれるだけに初戦を突破して勢いに乗りたいところだ。


 1R、坂田はいつになく積極的に攻めに出る。サウスポーからタイミングよく繰り出す左ミドルを軸にインローやフックもヒットさせていく。ラウンド終了間際にはインローでSeroのバランスを大きく崩した。


 ところが2Rになると、Seroが反撃に出る右のテンカオからバックハンド。さらに右の連打で攻勢に出る。案の定、2Rまでのオープンスコアは二者がイーブン、一者が10-9でSeroを支持していた。


 劣勢を余儀なくされた坂田は3R、左ボディフックの連打で反撃に出る。この攻撃によってSeroは後退を余儀なくされる。ここぞとばかりに坂田はさらにボディフックを打ち込んだ。明らかに坂田が優勢なラウンドだったので、スコアは三者三様のイーブン。


 試合は延長戦へと突入した。ここで14戦目(坂田)と4戦目(Sero)の差が如実に現れた。3Rの勢いをそのままに坂田はボディフックで勝負をかけると、Seroは下がる以外に選択肢はなかった。ひとり目に続きふたり目ジャッジも坂田の勝利を支持すると、Seroは泣き崩れた。このトーナメントにそれだけ懸けていた証左だった。


 試合後、桃花・シンデレラとともにリングに上がった坂田は「自分はこれが3年ぶりの勝利で、ここまで支えてくれた小林選手とジムのみんなに感謝したい」と涙ぐんだ。続けて「今日の出来のままだと全然なので、準決勝までの1か月ちょっとで仕上げて勝ちたい」と冷静に語った。みぃの意地か、桃花の勢いか。

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