「SHOOT BOXING 2019 act.4」
2019年9月28日(土)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第10試合)69.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分5R延長無制限R ※ヒジなし
〇海人(TEAM F.O.D/S-cup2018世界王者)
判定3-0 ※49-48×3
×イ・ソンヒョン(韓国/RAON/RISEミドル級王者)
海人は本来65kg級だが、世界的に層の厚い70kg級転向も視野に入れ、6月大会では元Krush-70kg級王者・中島弘貴と69.0kg契約で対戦して圧勝した。今回も69.0kg契約だが、ソンヒョンのパワーに対応することができるか。
ソンヒョンは日本ではRISEで活躍、世界を股にかけて試合をするトップファイターで、戦績は66勝(16KO)8敗1分。ブアカーオ・バンチャメーク、佐藤嘉洋とも対戦経験がある。今年7月には松倉信太郎を破り、RISEライト級王座に続いてミドル級王座を獲得し、2階級制覇を達成した。
1R、海人はジャブでしっかり距離を取りながらロー、前蹴り、ヒザ蹴り。ソンヒョンはグイグイと前へ出てロープを背負った海人に連打を見舞う。ガードをこじ開けるような強烈な右を叩き込むソンヒョン。海人はガードしながら右ローを蹴る。オープンスコアはジャッジ1名が10-9でソンヒョンに付けた。
2R、ジャブを出しながら前へ出ていくソンヒョン。海人の右ローにも右を合わせてくる。ソンヒョンの左ボディにはヒザ蹴りで対抗する海人。出会い頭にソンヒョンのボディへヒザを突き刺していく海人。これが何度も決まる。オープンスコアはジャッジ3名とも10-10。
3R、首相撲に捕らえる海人のボディへパンチを連打するソンヒョン。海人はパンチをまとめて首相撲からのヒザ蹴り連打に持ち込む。ソンヒョンの左ボディに海人が右ハイを合わせる。そして首相撲からのヒザ蹴りからコカす。ソンヒョンのパンチに徹底した首相撲で対抗する海人だが、ソンヒョンも逆にヒザを打つ。パンチでも徹底してボディを攻め、削っていく海人。オープンスコアはジャッジ2名が海人を支持。
4Rはカーフキックを狙い撃ちにする海人。ソンヒョンは強打で仕掛けてくるが、海人も上手くパンチを合わせる。前へ出てくるソンヒョンにはヒザ蹴り。ここでソンヒョンが首投げを狙うが投げるまでには至らず。海人はワンツーをヒットさせ、首相撲に捕らえると投げ、そしてヒザ蹴りの連打。タフネスで鳴らすソンヒョンに明らかな疲労の色が見える。
5R、足を止めてのフックの打ち合いでお互いにヒットを奪う。前へ出てくるソンヒョンにバックハンドブローを見舞うと、ソンヒョンはワンツーで入ってくる。そこを首相撲に捕まえてヒザ蹴りを打つ海人。コーナーに詰まっても海人は良く見てソンヒョンのパンチをかわしてパンチを打ち込み、首相撲からのヒザ蹴りに持ち込む。
海人のパンチのヒット、そしてヒザ蹴り。ソンヒョンも打ち返すが海人のヒット数が優った印象。各ジャッジ1ポイント差の僅差ながら海人が判定勝ち。難敵ソンヒョンを撃破した。
▼第9試合 SB日本スーパーフェザー級タイトルマッチ エキスパートクラスルール 3分5R延長無制限R
×深田一樹(龍生塾ファントム道場/SB日本スーパーフェザー級王者)
KO 2R 1分42秒 ※3ノックダウン
〇笠原弘希(シーザージム/前SB日本フェザー級王者)
※笠原が新王座に就く。深田は初防衛に失敗。
深田は20勝(8KO)16敗の戦績で、昨年9月にフェザー級王座に続きスーパーフェザー級タイトルを獲得して2階級制覇に成功。今回が初防衛戦となる。これまで行ったタイトルマッチで負けたことが1度もないという勝負強さを持つ。
対する笠原は20歳の新鋭で戦績は18勝(6KO)3敗、昨年9月にフェザー級王座を獲得し、今回2階級制覇を狙う。両者は2017年11月に初対戦しており、この時は深田が判定勝ちしている。
1R、サウスポーの深田が強い右ジャブを打つ。笠原は深田の前蹴りをキャッチしての右フック、右ボディストレートとつかみ技を多用。さらに左ボディからの右ローを鮮やかに決める。オープンスコアはジャッジ1名が10-9で笠原。
2R、笠原がボディへの連打を決めると深田もすかさずボディへの連打。笠原は至近距離からのハイキックで深田を脅かし、深田が前へ出て右フックを打ったところへダッキングしながらの右フックを合わせてダウンを奪う。
さらに左フックの2連打でダウンを追加。打ち合いに行った深田だったが、連打で倒しに行った笠原の左フックをもらい3度目のダウン。笠原が見事なKOで2階級制覇に成功した。
新王者となった笠原は「皆さん誰の試合が一番面白かったですか? 1回一昨年に深田選手に負けていて、不安な気持ちでいっぱいで、正直凄く負けるのが怖かったです。ですがKOという形で勝ててよかったです。このSBスーパーフェザー級で一番強いのは俺だと思うので、前回対抗戦で深田選手が他団体のリングに上がって戦ったスアレック選手、自分と年末戦ってください。SBのチャンピオンとしてSBを引っ張れるように頑張ります」と、REBELSのスアレックに挑戦状を叩きつけた。
▼第8試合 64.0kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R
〇西岡蓮太(龍生塾/SB日本ライト級王者)
判定2-0 ※29-29、30-29、30-28
×マサ佐藤(名護ムエタイスクール/英雄伝説64kg級アジア王者)
佐藤は沖縄を主戦場にし、英雄伝説64kg級アジア王座、西日本統一ライト級王座、蹴拳ムエタイライト級王座、DBSライト級王座、RKAライト級王座を獲得している五冠王。打たれても常に前に出続けるアグレッシブファイトを仕掛け、2019年4月にはSBのリングに初参戦。村田聖明と激闘を繰り広げ判定負けとなっている。
その佐藤を迎え撃つ西岡は、4月大会でKNOCK OUT王者・不可思に判定勝利、前戦となった6月のMA日本ライト級4位・増井侑輝との一戦ではダウンを奪って判定勝ちを収めた現在5連勝と勢いに乗る若き王者。
1R、西岡は左右のローで佐藤の前足を狙い、飛び込んでの右ストレートと左フックを打つ。佐藤はその左フックに右フックを返す。前へ出る西岡がパンチを当てていき、佐藤は後手に回る。
2R、西岡はジャブを打って左ボディ、続く左フック。長い距離から右ボディストレートを打ち、佐藤が出ようとすると左フック、離れると右ローの連打と距離を支配する西岡。佐藤のフックは空を切る。佐藤は顔面ではなくボディを当ててから顔面へフックを打つように切り替えた。
3R、佐藤が強引に入り込んでくるところを右で迎え撃つ西岡。佐藤は首投げを狙ったが不発。佐藤がコーナーへ詰めようとすると身体を入れ替えて連打を打ち込む西岡。佐藤はまたも首投げを仕掛けたが失敗した。西岡はロー、右ストレートで距離を取り、佐藤の攻撃をもらわずに試合終了。判定2-0で6連勝を飾った。