「今回の作戦に赤沢さんはなかった」。告発文は「朝倉未来に寄り添いすぎている」
北米をメッカとする世界のMMAで、ドラッグテストによるドーピングの陽性反応は少なくなく、UFCファイターの制裁を決定するコンバット・スポーツ・アンチドーピングでは、UFC内での身体強化薬の使用/乱用に関するあらゆる情報を報告できる内部通報ホットライン、通称“タレコミ・ライン”も設けている。
しかし、今回の平本のドーピング騒動は、トレーナーなど近しい周囲からのSNSを通じての暴露という点で世間を巻き込んだ。さいたまスーパーアリーナに4万8117人・満員の観客を動員したメインイベント後、かつては平本を指導し、勝利に導いた赤沢が、ここにきて「良心の呵責に苛まれて告発した」のはなぜか。
思い当たる点を問われた平本は、「対立関係などは考えてみたんですけど、まったく思い当たらなかったので、なにか赤沢さんのほうで特別な事情があったのかと。
赤沢さんのセコンドで2回とも勝負に勝ってるし、今回も『セコンドにつきたい』と言われましたが、今回の作戦には赤沢さんはなかったので、(岩崎達也)先生や大塚(隆史)さんとやってきて、剛毅會に(赤沢が)来たときがあり、大塚さんが『何で急に来たのか』と不審がっていました。(今思えば)寂しい思いをさせてしまったんじゃないかと思います。自分はどうしても勝ちたかったので勝負に徹しさせてもらった。試合は思い出作りじゃないので。(今回、赤沢とは)練習は全くしていないし、8月4日にサプリの購入の会話をしただけ。練習に関わっていない、喋っていないので距離を感じさせたのかと今では思っています」と、疎遠だったことを明かした。
そして、今回の会見にあたり弁護士を同席させたのも、その背後関係を懸念してのものだったという。
「赤沢さんが自分から始めたのではないのでは、と。何人か大人が後ろについているのではと僕は感じたので、ひとりで対処できる問題ではないと、弁護士さんに相談させてもらった感じです。
(告発文は)僕は赤沢さんが書いたんじゃないんと正直思う気持ちがあって、赤沢さんが“朝倉未来選手に申し訳ない気持ち”と言っていますが、今までの対戦相手に対しての申し訳ない気持ちは書いてなかったので、本当に赤沢さんが書いたのかな? と。朝倉未来サイドというか、朝倉未来選手に寄り添いすぎている文章に感じました。赤沢さんのことは今でも信じたいというか、もし困ってることがあるなら、助けられることは助けたい」と、違和感があることと、赤沢の身を案じる発言も残している。
普段、SNSで饒舌な平本が、今回の告発以降、沈黙していたことで、SNSでは様々な憶測が流れ、誹謗中傷もされたが、平本は「次の試合はさらに注目されると見て楽しんでました」と言いつつも、自身のSNSでの存在感を高めるやり方を「なんか、今回の騒動で、あまりにも自分は嫌われているんだなと改めて感じました(苦笑)。(SNSの使い方を)変えます。もう相手にしないために。本当は言いたいこといっぱいあるんですけど、自分が招いた、蒔いた種でもあるのかなと反省しています」と、SNSでの取り組みを再考する気持ちを明かしている。