モカエフの素行が悪いと言っても、どのレベルなのか(榊原)
また、スーパーアスリートという意味では、レスリング英国王者でMMA14戦無敗、UFCでも7戦無敗ながら電撃解雇された24歳の超新星ムハンマド・モカエフ(ロシア/英国)についても、興味があるという。
「みんながあれだけ“扱いにくい”とか言うと(笑)、まあUFCと何かあったんでしょうね。でもアスリ-トとしては興味があります。すごくいい選手だと思いますし、RIZINのフライ級に来てくれれば、またひとつの求心力を得るというか、スポットライトを浴びるチャンスはあると思います」と、堀口恭司(ATT)が無双しているRIZINフライ級戦線において、ライバルになりうる存在だとした。
問題は、マネル・ケイプ戦前にも乱闘を起こしたように、UFCのデイナ・ホワイト代表が「マッチメーカー達が彼のことをよく思っていないのは事実だが、(再契約しない)理由は彼のファイトスタイル以外にも色々ある」というトラブルメーカーの高給取りであることだ。
デイナ代表は「彼とはもう契約していない。PFLは素晴らしい無敗の男を手に入れることになると思う」と、匙を投げたが、そのPFLでもレイ・セフォー社長は会見で「彼(モカエフ)を知っている人に聞いたのだが、どうやら彼は“厄介者だ”と聞いている。だから興味はない」と、獲得の噂を否定している。
問題児とされるモカエフについて、榊原CEOは、「まあ“素行が悪い”と言われても基本、素行が悪い人が(RIZINにも)いっぱいいるので(苦笑)、どのレベルなのかと。レイ・セフォーが厄介者と言っている? そこはあまりアテにならないですが、当然エージェントもいての話になるだろうし、ほんとうにそういう機会があればしっかり向き合ってみてもいいかなと思います」と、その素の姿を確認したい考えを示した。
スター選手としては、『超RIZIN.3』で平本蓮に初回TKOで敗れた朝倉未来(JTT)が宣言どおり、「いったん」の引退を表明したが、榊原CEOは、朝倉が「RIZINの現役選手としては戦いから離れる」ことを認めると、「単純に選手とプロモーターという立場だけではないところでの建設的なチャレンジができたら」と、今後も何らの形でRIZINと関わっていくとした。
「未来とは試合の当日にちょっと話した以外は、直接は話していなくて、間に人を介しています。近いうちに1回落ち着いたところで話をしようということにはしています。日本の格闘技界であれだけの発信力と説得力もあってカリスマが、現役を引退したからって一気にそれが落ちるものではないだろうし、未来も海も、一旦はRIZINの現役選手としては戦いから離れますけど、これからも日本格闘技界の発展のために互いに協調していけたらいいですし、未来にもそういう気持ち・意思は間違いなくあるでしょう。単純に選手とプロモーターという立場だけではないところでの建設的なチャレンジができたらいいと思っています」(榊原CEO)
オリンピアンのMMA挑戦、海外選手獲得のプラン、RIZIN躍進の功労者との今後──榊原RIZINは、新たなフェイズに突き進んで行く。