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レポート

【修斗】古賀愛蘭が涙の戴冠! 女子アトム級王者に。韓国勢が躍進! パク・ボヒョンが渡辺彩華と魂の打撃戦制す、パク・ソヨンが平田彩音に競り勝つ、グラップリングで杉内が黒部を腕十字に極める、中山vs.カロリーナはドロー

2024/08/03 17:08

▼女子ストロー級 5分3R
×渡辺彩華(世界女子スーパーアトム級王者・AACC) 52.0kg
[判定0-3] ※27-30×2, 26-30

〇パク・ボヒョン(韓国・RING MMA) 51.3kg

渡辺彩華「アンニョンハセヨ、わざわざ日本まで来てくれてカムサハムニダ。明日の試合しっかり勝って、藤野さんのベルトを狙います。よろしくお願いします」

パク・ボヒョン「初めての修斗の試合ですが、相手の選手はものすごく強いと思っているので、それに対していい試合をするように頑張ります。ありがとうございます」

 2023年5月のCOLORS旗揚げ戦でSARAMIと対戦し、2R、左ハイキックによるTKO勝ちで女子スーパーアトム級(50kg)王者となった渡辺。

 2023年10月の前戦『RIZIN LANDMARK 6』では、当時一階級上の万智と対戦し、大熱戦の末、スプリット判定負け。その一戦で目を負傷し、約10カ月ぶりの復帰戦をストロー級(52.5kg)で迎える。27歳。

 対するは韓国の新鋭パク・ボヒョン。立ち技格闘技をベースに、幼少期から豊富な格闘キャリアを持つ25歳。2020年7月の『Double G FC 4』でPANCRASE参戦経験もあるチャン・ヒョンジとの再戦でリアネイキドチョークで一本勝ち。2021年6月の『Double G FC 7』ではホン・イェリンにもRNCで一本勝ちし、Double GFCアトム級(47.6kg)のベルトを巻いている。

 その後は、米国『Combate Global』でアナ・パラシオスに1R 腕十字で一本負け(勝ったパラシオスは次戦で澤田千優に判定負け)、2024年4月の前戦では韓国『Ring Championship 04』で古賀愛蘭と106ポンドで対戦し、スプリット判定で惜敗している。

 2連敗中で組み技に課題を残すが、いずれも打撃では攻勢に立つ場面を作っており、特にオーソからの右フックは強打で、パラシオスからダウンを奪ったクロスカウンターは、素早い踏み込みからコンパクトに打ち落ろしている。

 打撃巧者の古賀と渡り合う技術を持ち、ここでも古賀の左に右をかぶせてヒット。さらにオーソからの左ミドルと蹴り技も持つ。一方で、テイクダウンを警戒することで頭の位置が下がり、またオーバーハンドでも対角に頭が下がるため、渡辺としては組みのプレッシャーも混ぜることで、下から突く得意のアッパー、左右どちらでも蹴れるハイキックを活かしたい。

 157cmの渡辺に対し、159cmのパクはフレームも大きく、ストロー級(52.5kg)での対戦はどちらに優位に働くか。

 ストライカー対決に向け、渡辺は同門の本野美樹(※『ROAD TO UFC』準決勝でフォン・シャオツァンと対戦)とタイ合宿に向かっており、再起戦での“ナベアヤ”の進化に注目だ。

 1R、ともにオーソドックス構え。パクは右ストレートを伸ばす。サウスポー構えにスイッチを見せる。オーソに戻すと、パクはワンツーをヒット! 渡辺は右ロー。シングルレッグも切るパクは立ち際に際どい蹴り。さらに左右で詰めると、先に組むのは渡辺。四つから崩そうとするが崩れないパク。脇潜りバッククリンチはパク。正対した渡辺にヒザ蹴り。

 右を伸ばすパク! 渡辺は左ハイもブロッキング。右を突いて前に。左で差して組んで押し込み。左に渡辺は前蹴り。コーナーを出るとパクは詰めて前蹴り。右の打ち合いは先にパクが当て、左にはパクがスリップもすぐに立つ。ワンツーで前に出るパクはコーナーに詰めて回転を上げて右を当てる! パクのラウンドに。

 2R、パクのジャブに右の蹴りは渡辺。左の蹴りも近い。左右で詰めて組むパクはヒザ。剥がす渡辺はコーナーを出るが、詰めるパクの左がヒット。渡辺も左を返すと左ヒザ。ガードするパクは左をヒット! 渡辺の組みをスプロールして切ると際のヒジは渡辺。

 左足を上げてから右を当てる渡辺! 下がらないパクは右から左で渡辺の頭を上げさせる。右をかすらせるパク。渡辺の右ボディ! さらに左にいったんん離れたパク。渡辺の右の打ち終わりに右を当てるパク! 渡辺の右にパクも鼻血も、前に出るパクは打ち合いで右を相打ちで当てる! 渡辺の有効打も、パクも圧力をかけて手数多く返す。

 3R、右カーフからワンツーの渡辺! 押し戻すパクに回転上げる渡辺は左右。左ジャブのダブルに渡辺は左ボディをヒット。右バックフィストの渡辺に、パクは連打で打ち返す。

 左ジャブ、打ち合いで右を当てるのはパク! コーナーを出る渡辺を追いかけ連打! 渡辺はローシングル。そこに腕十字を狙うパク。またいで抜いた渡辺に、パクもここは下にならず立ち上がり。

 左で差して詰めるパク。ともに苦しい時間帯。鼻血のパクはワンツー。渡辺は左ミドル、シングルレッグからバッククリンチも正対したパク。両者打ち合いでホーン。すべてを出し切ったか、パクは両手をマットに着く。

 判定は3-0(30-27×2, 30-26)でパクが復帰戦の修斗王者から金星をあげた。試合後、パクは「修斗初めての試合、相手がすごく強くて不安でしたが、思ったよりいい試合になって嬉しいです。韓国からの応援もあって、今日はいい夜になりそうです」と笑顔で語った。

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