MMA
インタビュー

【RIZIN】MMA4戦目の万智とMMA5戦目の渡辺彩華が大熱闘!「ストロー級にベルトを」(万智)×「これまでも負けてから強くなっている」(渡辺)

2023/10/03 16:10
 2023年10月1日(日)愛知県・ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)にて『RIZIN LANDMARK.6』が開催された。第6試合の女子ストロー級(52.5kg)では、修斗女子スーパーアトム級(50kg)王者の渡辺彩華(AACC)と、MMA3連勝中の万智(67ジム)が対戦。  MMA5戦目の渡辺(26歳)とMMA4戦目の万智(20歳)という、キャリアの浅い20代の両者が15分にわたり繰り広げた試合は、未完成ながらも互いの持ち味を出し合う熱闘となり、格闘技ファンに大きな反響を呼んだ。 ▼第6試合 女子ストロー級(52.5kg契約)5分3R×渡辺彩華(AACC)[判定1-2]○万智(67ジム)  試合は、序盤から組んで大内・大外刈等を狙う万智に対し、渡辺はスタンド勝負。万智のテイクダウンを防ぎ、右ストレート、右ミドルなど打撃を打ち込む。  2Rに万智がボディロックで崩してテイクダウンを奪うと、渡辺はスクランブルで立ち上がり右の蹴り。しかしその足を掴んだ万智が足払いでこかすとサッカーキック。踏みつけ狙いからパスを決め、バックテイクするなどイーブンに。  3Rは、組もうとする万智を渡辺が右ボディ、右ストレートで迎撃。万智も左ストレート、左ハイの打撃で応戦し、渡辺のヒザ蹴りに組んで尻餅を着かせると、立つ渡辺も右ストレートで万智のアゴを浮かせる。最後は両者が打ち合い、タイムアップ。  3RトータルのRIZIN判定は、両選手にダメージ(50%)はつかず。30%を占めるアグレッシブネスはジャッジ1者が渡辺、1者が万智を支持、1者が両者0と三者三様に割れ、必ず差をつけるジェネラルシップ(20%)で、2者が万智を支持。1者が渡辺につけている。 松宮智生 赤・渡辺 [D0-0 A30-0 G20-0]豊永 稔 青・万智 [D0-0 A0-0 G0-20]内田龍介 青・万智 [D0-0 A0-30 G0-20]  ダメージに差が無いと判断されたこの試合で、打撃における、あるいは組みにおけるそれぞれの「アグレッシブネス」をどこに見出し、「ジェネラルシップ」(※Gはマスト判定)のどの部分が評価されたか。  判定は2-1のスプリットに割れ、ジェネラルシップで2者の支持を得た万智が、接戦をモノにした。  勝者は、ケージの中で、「渡辺選手、ほんとうに強くて怖かったですけど、今日は勝ててよかったです。私は中2からRIZINで戦うのが夢でした。今日選手として勝てて良かったです。世界に52kg級で強い選手はいっぱいいると思うのですが、ベルトが無いので作ってください。」とストロー級での王座創設を希望。  また、試合後の会見では、判定について「自分も打撃を当てていたたことと、2R目にバック取れたのが大きかったのかな」と振り返り、「打撃を打った後にそのまま近づくと相手が下がっていく感覚が掴めたので、2R目、3R目は、自分の流れになってきた」と勝因を語った。  一方、階級上に挑戦した渡辺は、万智の組みを「触られる時間を少なくしたかったけど、クラッチの強さで思ったよりも切れなかった」と語り、その組みに入られた要因を「打撃の距離が不快で、近くに寄ると組みがあって、離れると自分の打撃が当たらない展開が1R、2R続いたので、その距離感が巧かったと思います」と振り返った。  また、判定については、「3Rの最後のダメージで、RIZINルールなので“もしかしたら”っていう気持ちもあったのですけど、判定2-1、妥当かなと思います」と語っている。 万智「練習でいつも男の人に何回やってもタックルを切られたり、心が折れるような練習をしている強みが試合に出た」 ──万智選手、試合後の率直な感想を。 「試合前から相手にすごい煽られてて、正直すごい怖かったんですけど、そのなかでも判定までいってしまったんですけど、しっかり勝ち切ることができて良かったです」 ──判定勝利の瞬間、すごく喜んでたというか、びっくりされていたようでしたが、ご自身ではどう思っていましたか。 「最初に渡辺選手にひとつ入ったときに“やっぱりちょっと印象悪かったのかな”と思ったんですけど、自分に2つ入ってよかったです」 ──チームとしては勝利を確信していましたか。 「みんな『ちょっと不安だった』って言ってました」 ──対戦した渡辺選手について、戦う前の印象と実際戦って違った部分があったら教えてください。 「打撃の圧が……、あー、でも思ったより打撃の圧は無かったんですけど、組んだ時に、自分の得意なポジションのときに、自分は簡単にテイクダウン行けると思ったのですけど、やっぱりなかなか、柔道ベースということもあって腰が重くて、自分が思うようにテイクダウンできなかったのが、印象とは違います」 ──初参戦のRIZINの舞台ははどのような印象でしたか。 「去年、兄弟子のドミさん(弥益ドミネーター聡志)がこの名古屋で戦っていて、その時は自分は観客席で見ていたのですけど、1年後、自分がこうやって選手として出て、しっかり勝つことができて嬉しいです」 ──RIZINルール、判定基準のなかでどこが一番ポイントになったと思いますか。 「結構打撃もらってたんですけど、考えたら自分も当ててたのかなというのと、2R目にバック取れたのが大きかったのかなと思います」 ──RIZINの舞台の大きさは、気持ちの面で違いましたか。 「実はRIZINごっこをやるのがいつも好きでやっていたら、いざ選手として入場したら緊張しなかったので良かったです」 ──「RIZINごっこ」というのは? 「自分が選手のつもりになって入場曲をかけたりするのを家でやっていたので。練習しておいて。 ──RIZINで、52kgという階級を作り引っ張っていけたらという感じでいますか。 「そうですね。日本は49kgの選手が多いですけど、海外で見たら52kg(ストロー級)から、なので。52kgで作って、RIZINも世界で戦えるぞという階級にしていきたい、先頭切ってやっていきたいというのはあります」 ──52kg=ストロー級となると外国人の強い選手が多くなってくると思いますが、対海外ということですか。 「そうですね、まあまだとりあえず身体が、外国のストロー級と戦えるような身体ではないので、今から少しずつ作っていきたいというのはあります」 ──序盤、なかなかテイクダウンも決まらず、しかも結構遠い位置で、かなり梅田(恒介)さんからも良くない指示が出ていました。その後もパンチを受けながらも、2R、3Rと何とかテイクダウンに持ち込めたのは、どういうところを変えたのですか。 「ちょっとやっていくうちに、距離を少しずつ掴めてきたっていうか、最初はなんか距離がよく分からなくてちょっと遠かったりしたんですけど、打撃を打った後にそのまま近づくと相手が下がってくっていう感覚が掴めたので、2R目、3R目は、ちょっと自分の流れになってきたのかなって感じです」 ──あれだけテイクダウン狙いを切られていたときの精神面は? ここまで倒してテイクダウンして勝ててきたのに、あれだけ倒せなかったっていうのは初めてだと思うんですが。 「ああ、まあ試合では初めてなんですけど、練習ではいつも男の人とやっていて。で、何回やっても切られたり、いつも心が折れるような練習をしているので、あれが全部試合に出たのかなというのはあります」 ──自分自身でも打撃を使って見た目には結構ハイになっているようでしたが、高揚感があったのか冷静だったのかどちらですか。 「冷静でした。ちょっと当たったら、自分は血の気が多いので、ガー! ってなりやすいんですけど、すごい頑張って抑えていました」 ──自分から喧嘩を売りながら相手がふっかけたようにしたことを、渡辺さんに対して今はどう思っていますか。 「自分がふっかけた喧嘩に乗ってくださって本当に感謝しかないです(笑)」 ──階級の違いもありますが、お互いにもっと伸びるところがあると思います。もっと強くなってから、いずれもう1回しっかり決着をつけたい、またいつかどこかで戦いたいという気持ちはありますか。 「はい。あります。お互いまだキャリアが浅いので、お互いがどんどん上に上がってきて、みんながもっと見たいレベルになってから、もう1回戦いたいというのがあります」 ──試合を終えたばかりですが、今後の目標・展望を教えてください。 「とりあえず、修斗チャンピオンに勝てたことは嬉しいんですけど、自分がまだベルトを持っていないので、今年中に、まあRIZINじゃなくても、とりあえずDEEP JEWELSの52kgのベルトを獲って、もう1回、RIZINの52kgの強い選手と戦いたいというのが、今の目標です」 [nextpage] 渡辺彩華「去年の52kgの試合より手応えは感じているので、今後もちょっと頑張ろうかなという気持ちもあります」 ──渡辺選手、試合後の率直な感想を。 「タックルを切り続けたかったんですけど、ちょっと思ったよりもクラッチが強くて自分が思うような試合ができなかったという気持ちです」 ──判定を聞いている瞬間はどのように思っていましたか。 「3Rの最後のダメージで、RIZINルールなので“もしかしたら”っていう気持ちもあったのですけど、判定2-1、妥当かなと思います」 ──対戦した万智選手について、戦う前の印象と実際戦って違った部分があったら教えてください。 「クラッチの強さ。もっと思ったよりも切れなかったので、クラッチの強さが試合前と試合している時では違ったと思います」 ──渡辺選手の適正階級よりも上げてのチャレンジでした。このストロー級に手応えはありましたか? あるいは適正は下の階級だと思いますか。 「去年も52kg=ストロー級で負けている(※PANCRASEで藤野恵実に判定負け)のですけど、その時の試合よりかは打撃が効く場面があったので、ちょっと手応えは感じているので、今後もちょっと頑張ろうかなという気持ちもあります」 ──かなり相手の組みは切って、腰が強いなという印象もありました。ご自身としてはもっと組ませない、とか、差されて壁を背負っている時間を減らしたかったですか。 「そうですね。触られる時間を失くしたかったのですけれど、本当は。打撃と組みの散らせ方が巧くて、案外触らせてしまった感じでした」 ──判定では、ジェネラルシップをそこで取られたのかなというところでしょうか。 「そうですね」 ──打撃と、組みを織り交ぜているなかで万智選手の左ハイだったり、左ストレートは思ったよりも伸びてきたという感じでしたか。 「距離ですね、どちらかと言ったら。打撃の距離がすごい自分のなかでは不快でした」 ──相手の距離が? 「そうです、近くに寄ると組みがあって、離れると自分の打撃が当たらない展開が1R、2R続いたので、その距離感が巧かったと思います。 ──しかし、ストロー級でも全ラウンドを通して動くことはできましたね。 「そうですね」 ──試合を終えたばかりですが、今後の目標・展望をお聞かせいただけますか。 「“またイチからか……”っていう気持ちもあるんですけど、でも、これまでも負けてから強くなっているので、また頑張って積み上げていきます」
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