MMA
インタビュー

【超RIZIN】試合前と試合後の所英男「KIDさんとだけは試合が出来なかったので、自分の人生を変えた代々木第一で、甥っ子のアーセン選手と戦いたい」

2024/07/30 12:07

試合後に所英男が語ったこと「(セコンドの2人から)『もうやりたくない』って言われました(苦笑)。『もう1回だけ付き合ってください』とお願いしました」

──ヒロヤ選手との試合を終えた、率直な感想をお聞かせください。

「なんか、KO負けしたときみたいに覚えていなくて。ちょっとびっくりしてます」

──衝撃の初回KO勝ちでした。実際にヒロヤ選手と手を合わせてみて戦う前のイメージと違うところはありましたか。

「戦っていて気持ちいい選手だと本当に感じました。いい選手、素晴らしい選手だなって、改めて思いました」

──所選手のフィニッシュはグラップリングを想像する人が多かったと思いますが、右ストレートでダウンを奪ってのパウンドでした。

「“起き上がらないでくれー”と心で叫びながら打っていました」

──この勝利で引退はお預けになりました。今後の目標・展望を教えてください。

「『ROAD TO 代々木第一』を目標に今回も挑んで、今日が終わりじゃなかったんで、また『ROAD TO 代々木第一』に向けて、ちょっと休んだら頑張りたいと思います」

──ヒロヤ選手のカーフキックに右ストレートをクリーンヒットさせていましたが、狙っていたのですか? 身体が自然に動いたのですか?

「セコンドの勝村(周一朗)さんと、金原(正徳)さんの指示で、やっている時、僕が(カーフを)食らっている時に、『合わせて打て!』っていう指示が聞こえたので、合わせて打つことができました」

──元々ヒロヤ選手への対策は?

「いや、していないです。自分は二人の指示に従って動くだけなので」

──試合後にヒロヤ選手とリング上でどんな会話を?

「日本を代表する選手になると思いますし、プロフェッショナルな選手なので、これからも頑張ってくださいとお伝えしたのと、ヒロヤ選手との試合だったから本当にいい練習を、厳しい環境で厳しい練習ができたなって、感謝を伝えました」

──奥様の誕生日を祝福されていましたが?

「奥さんとこどもが7月で、子どもの誕生日会をやって、その翌週に奥さんの誕生日会やろうかと思っていたのですが、『私は試合で勝ってくれたらそれでいいよ』と言ってくれて。だから『勝たないとな!』と思っていました」

──試合前のように夫婦で勝つ、家族で勝つということにはそういう意味も?

「そうですね。やっぱり僕が勝つことが特効薬になればいいなと思っていましたし、そうなる! って勝手に信じていますので」

──セコンドの金原選手とまた同じ大会に一緒に出たいという気持ちもありますか?

「(涙をこらえて)やっぱり欲を言えば一緒の大会に出たいですけどね。ただ僕ももう僅かですし……金原さんは、やっぱ本当に厳しい試合してきて、身体もボロボロですけど。やっぱり欲を言えば一緒の大会出たいですね」

──また一緒にタイ合宿に行きますか?

「『行きましょう!』と言ったら断られました(苦笑して泣く)」

──今日はやはり賭けているものがあって、入場するときから気持ちが違いましたか?

「“今日が終わりじゃない”“今日が終わりじゃない”と自分に言い聞かせたのと、2人が“今日は行ける雰囲気がある!”と言ってくれて、やっぱ、乗せてもらいました」

──その気になりましたか。

「はい、その気になって、調子に乗りました」

──自分の勝利が確定した瞬間は?

「安堵の気持ちが大きいですかね。本当に、“ああ、まだ続けられるんだ”っていう安堵の気持ちが大きいです」

──続けられる気持ちがハッピーな一方で苦しい練習も待っています。

「そうですね、今日みたいなテンションでやることってなかなか難しいと思うけど、また続けられるというハッピーな気持ちがすごくあるので、早く練習に復帰したいですね」

──試合後、セコンドのお2人からはどんな言葉をかけられましたか?

「あー、えー……(金原に)『なんて言われましたっけ?』ちょっと忘れちゃいました(苦笑)」

(金原から)ハキハキ喋って!

「ええと、そうですね、嬉しいです(笑)」

──引退を懸けて臨むことでの重圧や緊張など、どういう気持ちが一番大きかったですか?

「“負けたら終わり”ということなので、自分も“ああ、辞めたくないな”というのはあるのですけど、たくさんの方から連絡いただいて、前田(日明)さんは毎日のように気にかけてくださって、電話やメッセージいただいて、感謝しかないです、本当にどれだけたくさんの方に勇気づけられたかと思います」

──「KO負けのように覚えていない」とのことでしたが、引退がかかっていることも影響していますか?

「そうですね、無我夢中で。本当に何が当たったかとかも後から聞いたという感じでした」

──この規模のスタジアムバージョンでやる経験は、所選手の長いキャリアでもそんなにたくさんはないと思いますが改めて入場の時の気持ちは?

「嬉しい気持ちはありますけど、やっぱり感謝の気持ちがデカいですよね。僕は乗っからせていただいて今日の舞台に立てたので、本当に榊原代表と、RIZINの方々と、選手の皆さんと、皆さんに感謝です」

──試合後は奥様ともお話ししましたか。

「『早く病気を治して、いっぱいいろんなところ行こう』って話をしました」

──「まだ続けられる」とか、「辞めたくないと思っていた」というお話をされていて、もちろん引退がかかっている状況で重たいものを背負っていたなかで戦って、まだそう思えるのは、どこが最大の魅力なのでしょうか、所選手にとって。

「何ですかね、本当にこんなに魅力的なスポーツないなと思って。僕、野球好きだったけど、次元が違います、やっぱり格闘技が好きです」

──今日の試合を終えてよりそう思った部分も?

「そうですね、自分勝手に、僕はただ好きなことやっているだけなのに、本当に周りの方がすごい喜んでくれて、セコンドの金原さんも勝村さんも萩原(一貴)くんもめちゃくちゃ喜んでくれて、なんか本当に嬉しいです!」

──打撃でのフィニッシュはご自身にとって久しぶりですよね?

「そうですね、思い出すだけでも(アレッシャンドリ・フランカ・)ノゲイラ戦と(佐藤)ルミナさんとの試合だけだと思います」

──KO勝ち、どうでしたか?

「あー、ちょっとあとで見返してみます(笑)」

──この試合が決まった時の「負けたら辞めなきゃいけない」という気持ちと、いま勝ってから取り組む気持ちは違うものになりそうですか?

「そうですね。これから練習行くのがすごい楽しみになります。本当に嬉しいです、めちゃくちゃ嬉しいです」

──リングに入る前に、マットに言葉をかけてから入っていたのは何を?

「恥ずかしいのでちょっと言えないんですけど……」

──そこを何とか。

「ここからこっちまでは弱気な自分、ここからこっちは強気な自分、(それが)入れ替わる、みたいな」

──あまり分からないです(笑)。

「ここを越えたら強気な自分しかいない。ここまでだぞ、弱いのは、っていう」

──所選手が勝って現役を続けることが嬉しいとみんな思っていると思いますが、セコンドの2人もかなり「最後になるんじゃないか」と覚悟していたのではないでしょうか、試合後どういう話を?

「『もうやりたくない』って言われました(苦笑)。『もう1回だけ付き合ってください』とお願いしました」

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