また、日本勢以外の追加カードでは、第1部でスタンプ・フェアテックスと接戦を繰り広げた日米ハーフのジャネット・トッドがムエタイルールで参戦。モデルとしても活躍するベラルーシのエカテリーナ・ヴァンダリーバと対戦する。
南カリフォルニアの厳しい家庭で育ち、日本人の母を持つトッドは、幼い頃に「ほかの人とは違う」ことに戸惑いを覚えていたという。「変なランチボックス、お弁当箱……でも自分のユニークさを受け止めようと気づいた。周囲に合わせるのではなく、自分らしくいよう」と決意した結果、体操からムエタイに転じている。
その最初の師匠は、“殺しのキッス”ことセンティアンノーイ・ソー・ルンロート。元ルンピニー王者でラモン・デッカーらと激闘を繰り広げたセンティアンノーイの指導を受けたトッドは「すぐにムエタイに恋をした」という。
23歳でカリフォルニア州で航空宇宙工学の5年間の修士課程を修了。現在も航空宇宙エンジニアとしての仕事に携わり、ムエタイとの二足の草鞋を履く。
トッドはスタンプ戦の判定負け後、ONEキック戦でワン・チンロンに2R KO勝ち、ONEキック世界女子アトム級元王者の“キル・ビー”ことカイティン・チュアンにも判定で勝利しており、3連勝を目指す。
対するヴァンダリーバは、2010年と2011年のWKN女子54kg級世界王者。WMF、IFMAでも王座を獲得しており、2011年11月には、WKNワールドGPでムエタイ時代のヨアナ・イェンジェチックに判定勝利している。
バレーボール、陸上競技、護身術の経験を持つヴァンダリーバは、舞踏の振り付け学校を卒業後、2007年に16歳でキックファイタージムに入門し、キックボクシング始めた。最初のコーチはアンドレイ・クレビン。ブアカーオ・バンチャメーク(元ブアカーオ・ポー.プラムック)と判定までもつれこんだキャリアを持つベラルーシの名選手から立ち技を学び、世界タイトル獲得に至る。
身長は170cmだが、リーチは180cmと長い手足を誇り、オーソドックス構えから繰り出されるワンツーの右ストレートが伸び、左ミドル・ヒザ蹴りと繋ぐコンビネーションは対戦相手を苦しませている。また、ファッションモデルとしても活躍しており、子供との写真からビキニ姿まで様々なスタイルをSNSにアップし、ファンを楽しませている。
ONEで先に実績を積んでいるトッドを相手に、初参戦のヴァンダリーバはどんな試合を見せるか。格闘技を軸に多様なライフスタイルを表現する両者の日本での戦いに注目だ。
さらに第2部の追加カードとして、第9試合ではムエタイ世界フライ級タイトルマッチが発表された。
王者は、8月2日のマニラ大会でジョナサン・ハガティからダウン奪い判定勝利でベルトを巻いた“破壊神”ロッタン ・ジットムアンノン(タイ)。対する挑戦者は、ブラジルのウォルター・ゴンサルベスに決定した。
名門シッソンピーノンジムでサガットペットを師に持つWPMF世界王者のゴンサルベスは、「Mx Muay Extreme Championship」でも60kg級王者に輝いており、左右スイッチから相手の蹴り足を掴んでのパンチやバックフィスト、スーパーマンパンチなど、アグレッシブなファイトスタイルが持ち味。好戦的なロッタンと噛み合うこと必至で、シッソンピーノン所属らしく、ムエマッド、フィームースタイルのどちらの相手でもしっかり戦える強豪だ。
また第6試合のヘビー級戦では、マウロ・チェリリ(イタリア)とアルジャン・ブラー(カナダ)が対戦する。
フォークスタイルレスリングとも共通性があるというインド相撲のクシュティ王者で、インド系カナダ人初の五輪代表選手であるブラーは、2012年ロンドン五輪フリースタイル120kg級に出場。2010年にインドで行われたコモンウェルスゲームで金メダル、2007年のパンナム大会では銅メダルを獲得している。2014年にプロMMAデビュー後、2017年9月からUFCに参戦し、3勝1敗の戦績をあげたが、インドにMMAを広めるため、UFCとは契約を更新せずにONEに加入した。チェリリとは8月のマニラ大会で対戦予定だったがキャンセルとなり、今回が仕切り直しの一戦となる。
MMA13勝3敗のチェリリは、2018年11月に今大会のメインに登場するブランドン・ヴェラに1R KO負けしたものの、2019年3月にアラン・ンガラニに1R TKO勝ちで復活を遂げており、ONE参戦前の5連勝の頃の勢いを取り戻せるか。
なお、気になるダブルヘッダー大会のチケット販売情報は、公式サイトによると「近日発表の予定」だが、本誌の取材では、「8月25日までに購入されたチケットは、その1枚のチケットで第1部と第2部の両大会の観戦が可能となる」ことが確認されている。なお、同大会の模様はONE Championship公式アプリで生中継(無料)の予定だ。
【第1部】(※朝7:30開場 8:30開始 14:00終了予定)
▼第11試合 メインイベント ONE世界女子アトム級(※52.2kg)選手権試合 5分5R
アンジェラ・リー(王者/米国)
シャオ・ジンナン(挑戦者/中国)
▼第10試合 ONEフライ級(※61.2kg)ワールドGP決勝 5分3R
デメトリアス・ジョンソン(米国)
ダニー・キンガッド(フィリピン)
▼第9試合 ONEライト級(※77.1kg)ワールドGP決勝 5分3R
エディ・アルバレス(米国)
ザイード・フセイン・アサラナリエフ(トルコ)
▼第8試合 ムエタイ 女子アトム級 3分3R
ジャネット・トッド(米国)
エカテリーナ・ヴァンダリーバ[Ekaterina Vandaryeva](ベラルーシ)
【プレリミナリー】
▼第7試合 ONEフライ級(※61.2kg)5分3R
若松佑弥(日本/TRIBE TOKYO M.M.A)
キム・デファン(韓国)
▼第6試合 ムエタイ ストロー級 3分3R
サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
ダレン・ローラン[Darren Roland](フランス)
▼第5試合 ONEウェルター級(※83.9kg)5分3R
岡見勇信(日本/EXFIGHT)
アギラン・タニ(マレーシア)
▼第4試合 ONE女子アトム級(※52.2kg)5分3R
平田 樹(日本/K-Clann)
イシゲ・リカ [石毛里佳](タイ)
▼第3試合 ONEストロー級(※61.2kg)5分3R
仙三(日本/パラエストラ千葉ネットワーク)
リト・アディワン(フィリピン)
▼第2試合 ONEフェザー級(※70.3kg)5分3R
プー・トー(ミャンマー)
ユン・チャンミン(韓国)
▼第1試合 ONEキャッチウェイト 68kg契約 5分3R
スノト(インドネシア)
クォン・ウォンイル(韓国)
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【第2部】(※16:00開場 17:00開始 23:00終了(予定)
▼第11試合 メインイベント ONE世界ライトヘビー級(※93kg)選手権試合 5分5R
アウンラ・ンサン(王者/ミャンマー)
ブランドン・ヴェラ(挑戦者/米国)
▼第10試合 ONE世界バンタム級(※65.8kg)選手権試合 5分5R
ビビアーノ・フェルナンデス(王者/ブラジル)
ケビン・ベリンゴン(王者/フィリピン)
▼第9試合 ムエタイ世界フライ級タイトルマッチ 3分5R
ロッタン ・ジットムアンノン(王者/タイ)
ウォルター・ゴンサルベス[Walter Goncalves](挑戦者/ブラジル)
▼第8試合 フェザー級キックボクシングワールドGP決勝 3分3R
ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)
サミー・サナ(フランス)
▼第7試合 ONEライト級(※77.1kg) 5分3R
青木真也(日本/Evolve MMA)
ホノリオ・バナリオ(フィリピン)
▼第6試合 ONEヘビー級(※120kg) 5分3R
マウロ・チェリリ(イタリア)
アルジャン・ブラー(カナダ)
▼第5試合 女子アトム級(※52.2kg)5分3R
V.V Mei [山口 芽衣](日本/RIKI GYM、和術慧舟會GODS、Hybrid Fighter、Team Teppen)
ジェニー・ファン[Jenny Huang](台湾)
【プレリミナリー】
【修斗vsパンクラス 王者対決マッチ】
▼第4試合 ONEストロー級(※61.2kg)5分3R
猿田洋祐(和術慧舟會HEARTS)
北方大地(パンクラス大阪稲垣組)
▼第3試合 ONEバンタム級(※65.8kg)5分3R
佐藤将光(FIGHT BASE)
ハファエル・シウバ(ブラジル)
▼第2試合 ONEウェルター級(※83.9kg)5分3R
エルナニ・ペルペトゥオ(ブラジル)
手塚裕之(日本/ハイブリッドレスリング山田道場/TGFC)
▼第1試合 ONEライト級(※77.1kg)5分3R
松本光史(フリー)
久米鷹介(ALIVE)