フライ級注目カード。朝倉海&ヒロヤと練習の元コンテンダー ペレスと、“英国の平良達郎”モカエフがフェイスオフ。(C)Zuffa LLC/UFC
2024年3月2日(日本時間3日)米国ネバダ州ラスベガスのUFC APEXにて開催される『UFC Fight Night: Rozenstruik vs. Gaziev』の前日計量が1日(同2日)、同地にて行われ、出場全選手が計量をパスした。
もともとサウジアラビアで大会が予定され、UFCフライ級5連勝中のムハンマド・モカエフ(英国)や、UFCバンタム級4連勝中で16戦無敗のウマル・ヌルマゴメドフ(ロシア)vs. 16勝1敗のベクザト・アルマカーン(カザフスタン)ら強豪がラインナップされた今大会。
▼ヘビー級 5分5R
ジャルジーニョ・ホーゼンストライク(スリナム)13勝5敗(UFC7勝5敗)257lbs/116.57kg
シャミル・ガジエフ(バーレーン)12勝0敗(UFC1勝0敗)261lbs/118.39kg
メインイベントは12勝無敗のダゲスタン出身・バーレーン国籍のシャミル・ガジエフがUFC2戦目で、ヘビー級12位のジャルジーニョ・ホーゼンストライク(スリナム)と対戦する。
ガジエフは、IMMAFで活躍後、UFC契約までに10連勝。2023年12月のUFCデビュー戦では、4連勝中だったマルティン・ブダイを2R KOした。
バレーボール選手だったところをアブドゥルマナップ・ヌルマゴメドフにスカウトされ、ハビブやマカチェフ、ハビロフらと練習。現在もHKダゲスタンとKHKバーレーンの双方でトレーニングを続けている。
対するホーゼンストライクは、スリナム初のUFCファイター。キックボクシング出身で、米国フロリダのアメリカントップチーム所属。2020年5月にフランシス・ガヌーを相手に初めて敗れるまで11連勝。しかし、ガヌー戦後、シリル・ガーヌ、カーティス・ブレイズ、アレキサンダー・ヴォルコフ、ジャイルトン・アウメイダに敗れ、ランキング12位まで後退した。
MMAとしてグラウンドの弱点を埋めるため、ジュニオール・ドスサントス、PFLスーパー王者のレナン・フェレイラ、ブシェシャ(マーカス・アルメイダ)、マルセロ・ゴルムらと練習。ガジエフについて「彼は自分が戦ってきたような相手と戦っていないし、自分ほどのパワーを持った相手とも戦ってきていない」と、これまでの相手とは異なると自信を語っている。
コメインのライトヘビー級戦では、父子鷹のタイソン・ペドロ(豪州)が、MMA10戦無敗・UFC3連勝中のビトー・ペトリーノ(ブラジル)と激突。
▼ライトヘビー級 5分3R
ビトー・ペトリーノ(ブラジル)10勝0敗(UFC3勝0敗)UFC3連勝中 205.5lbs/93.21kg
タイソン・ペドロ(豪州)10勝4敗(UFC6勝4敗)205.5lbs/93.21kg
ほか注目は、フライ級の2試合。コメイン前に“英国の平良達郎”ムハンマド・モカエフが登場する。
▼フライ級 5分3R
アレックス・ペレス(米国)24勝7敗(UFC6勝3敗)125lbs/56.70kg
ムハンマド・モカエフ(英国)11勝0敗(UFC5勝0敗)※UFC5連勝中 126lbs/57.15kg
フライ級7位のペレスと、8位のモカエフが対戦。
現王者はアレクサンドル・パントーハで、5月4日の『UFC 301』リオデジャネイロ大会での防衛戦が噂されているが、2月24日のメキシコ大会でブランドン・モレノ(現2位)に5R判定勝ちした現1位ブランドン・ロイバルがヒザ靭帯損傷。
ランキング3位は負傷欠場中のアミル・アルバジ、4位はモレノ、アルバジに敗れて連敗中のカイ・カラフランス。5位のマテウス・ニコラウは2023年4月にロイバルに敗れており、2024年1月に予定されていたマネル・ケイプ(6位)との試合はケイプの体重超過でキャンセル。今回のペレスとモカエフの勝者がタイトルマッチに出場する可能性も出てきている。
ラスベガスで朝倉海、ヒロヤとも練習するペレスは、試合のキャンセルが多く、2019年からUFC3連勝も、2020年に当時王者のデイブソン・フィゲイレードに1R、ギロチンチョークで一本負け。約1年8二カ月ぶりの試合となった前戦ではパントーハに1R リアネイキドチョークで一本負けで、白星から遠ざかっている。31歳。
対するモカエフは、アマチュア24連勝後に、プロでも10連勝中(UFC5連勝)。2023年3月のジャフェル・フィーリョ戦では、3Rにヒザ十字を極められ耐えてのリアネイキドチョークでの逆転勝ち。10月の前戦ではティム・エリオットのガードやギロチンに攻めあぐねたものの、3Rにパスしてマウント。肩固めを極めている。カラフランスとの対戦をアピールしていたが、7位のペレスとの対戦となった。最後に勝ち切る極めの強さがある。23歳。
王座挑戦経験のあるペレスを相手に、タイトル戦線を目指すモカエフはどんな試合を見せるか。
また、バンタム級注目のウマル・ヌルマゴメドフとベクザト・アルマカーンの登場前にも、フライ級で見逃せないマッチアップがメインカード第1試合に組まれた。
▼フライ級 5分3R
マット・シュネル(米国)16勝7敗(UFC6勝5敗)126lbs/57.15kg
スティーブ・エルセグ(豪州)11勝1敗(UFC2勝0敗)126lbs/57.15kg
2018年に井上直樹にスプリット判定勝ちのシュネルは、空手がバックボーン。MMA16勝中9試合で一本勝ちの極め力も持つ。
2022年5月に当時6位のブランドン・ロイバルからダウンを奪うもギロチンを抜けられ、逆にギロチンを極められ一本負け。2022年7月に当時12位のスムダルジと対戦し、左でダウンを喫するも右を当ててテイクダウン。三角絞めで失神させて勝利。しかし2022年12月のニコラウ戦では、2Rに左のカウンターから右フックでパウンドアウトされ、TKO負け。1年3カ月ぶりの再起戦となる。34歳。
対するエルセグは、2023年2月のEternal MMAで平井総一朗にRNCを極めるなど8連勝後、UFCでマット・シュネル欠場の代役としてダビッド・ドボジャークと対戦。オクタゴンデビュー戦で2Rにパンチを効かせると、3Rのスクランブル合戦も制して判定勝ち。わずか1勝でランカーの座を手にした。11勝中6の一本勝ちで、リアネイキドチョーク、、ギロチンチョーク、肩固め等を得意とする、28歳。
なお大会の模様は、日本時間3日(日)3時30分(予定)にスタートするプレリムおよび6時開始予定のメインカードを含む全試合が『UFC FIGHT PASS』(※今回は英語実況解説のみ)ならびに『U-NEXT』(※日本語実況、水垣偉弥・解説)でライブ配信される。