高谷裕之代表、『格闘DREAMERS』──最初に出会った仲間との再会に「意味がある」
──互いに向き合っているときから注目ですね。ところで、そんななかで三段論法は意味が無いかもしれませんが、ヴェラは『TUF31』でブラッド・カトーナに判定負け。そのカトーナがUFCで風間敏臣選手をKOに下したギャレット・アームフィールドに1月に判定負けしました。その中で中村選手の今回のヴェラ戦で立ち位置が見えて来る試合になるでしょうか。
「現時点でその辺を一掃できる地力があるとまでは考えていないですけれど、そこからは今年中にバツんと抜けて行こうと思っているので、まず彼に対してしっかり勝つっていうのは最低条件だと思っています」
──実は対戦相手がエリート続きでもあります。前戦は経済学専攻の銀行員、今回は会計学専攻の金融業経験者です。
「そうなんですね! ハハハ。頭良くて金融系の仕事をしていたならライフプランのなかに勝利ボーナスなんて入れてないんじゃないかな(笑)」
──それは中村選手がいただきたいですね。さて、今回の試合に向けた練習環境は?
「スパーリングはおもにYSA KRAZY BEEのメンバーとやってきて、打撃は今回コーナーについてもらう高谷(裕之)さんと、タケダイグウジさん、あとパートナーとして『格闘DREAMERS』で一緒に練習してきた中村京一郎選手、主に育成の時からやってきたメンバーにプラスして僕のルーツである(山本)アーセンとその仲間たち、そして津田勝憲さんたちと作ってきた格闘技ですね」
──高谷さんが再びセコンドに。そして中村京一郎選手も帯同したのはUFCの試合に向かう流れや取り組みを見せたかったという部分もありますか。
「僕は人生で起こる全てのことに意味を見出すタイプなので、最初に出会った仲間っていうのは、絶対僕に足りないものを持っているし、そのなかで、先に走って僕が景色を見せるなかで、僕も彼らからいろんないいマインドだったり考え方、技術を吸収して、いい感じで関係を作れていると思います。そして、その力は世界でも通用するって自信があるので、それを証明したいと思います。
中村選手は、彼の取り組みを身近に見ていて、“あっ、行くな、これ”みたいなものを感じるし、ファンの皆さんもぜひチェックしておいたほうがいいですよ」
──中村京一郎選手はいま4連勝中。どんどん強さが増して決定力を感じます。プロスペクトという意味では、前回シンガポール大会で一緒になった鶴屋怜選手が、『ROAD TO UFC』でフライ級で優勝して、UFCとの契約をかわしました。学生時代にレスリングで会い、MMA転向してからも練習をした鶴屋選手の契約をどう見ましたか。
「鶴屋くんが、21とか22歳とかで契約して、彼も全然このUFCのランカーとかにガンガン絡んでいけるレベルだと思います。となるとやっぱり10年くらいは彼もUFCで戦っていけるわけじゃないですか。デイナ・ホワイト代表も彼を褒めていたし、日本人の存在感がだんだんUFCのなかで無視出来なくなってきているんじゃないかっていう嬉しさはあります。
ただ、僕はその中で競争しようとは思っていなくて、初のUFCチャンピオンっていうことにもこだわってない。僕自身がそれになれればいいので、平良(達郎)くんにももちろん行ってもらいたいし。僕は僕でバンタム級というこの階級で、今後、朝倉海選手なのか、誰が日本から来るかは分かりませんけど、ひとつずつ勝って、僕は僕でやっていきたい、背中を見せていきたいと思います」
──では、最後に試合に向けてファンにメッセージを。
「UFCをご覧のファンの皆さんからは、いつも力をいただいています。ありがとうございます。今回の試合は、自分にとって上位に食い込んでいくためのステップアップの試合のひとつとして、フィニッシュして次に繋げるという目標を掲げて今まで作ってきました。それを皆さんに披露するのがすごい楽しみです! ぜひ楽しみにしていてください。試合はU-NEXTで観られるので、ご視聴をお願いします!」