MMA
インタビュー

【UFC】中村倫也「セフード、メラブに“中村は絡んでくるよな”と思わせるような結果にしたい」──“怪物ぞろい”のバンタム級でUFC2戦目

2024/02/16 13:02

「一番楽しい時間」がやってきた

──ファイトウィークを迎えていかがでしょうか(※インタビューは2月13日に行われた)。

「いまラスベガスは19時で、ちょうど試合をするくらいの時間なのでさっきまで動いていました。コンディションも崩さず、ここまで来れたし、海外での試合経験もレスリングを含めれば慣れているので“やっとまた、ファイターとして一番楽しい1週間が始まっているな”という感じです!」

──一番辛い、ではなくですね(笑)

「はい! 一番楽しいです、一番辛かったらやってない(笑)」

──では一番辛い時期はいつなのですか?

「辛い時期か……。身体として、辛いなっていうか動きが鈍くなってきたと感じるのは、試合前の追い込みをしている3週前で。その時はもう、頭がしっかり身体に対して語りかけて、“自分を練習に連れて行ってあげなきゃいけない時間”というのはあります」

──そこを超えて、試合に向かうのは「ご褒美タイム」ということですね。

「はい、一番楽しい時間なんです」

──減量なども問題なく?

「はい! 全然です」

──それで気持ちの面でも落ち着いている、と

「だんだん上がっていってるのをむしろ抑えなきゃな、くらいです」

──高揚しすぎちゃう?

「ずっとテンション高くなっちゃって。昨日もショッピングモールではしゃぎまくってて(笑)『ここで疲れちゃうよ!』みたいな(笑)」

──今回は『UFC 298』ということでナンバーシリーズに出場となります。

「やっぱり『ファイトナイト』よりアメリカ本土だし、ナンバーシリーズで、UFCのタイトルマッチ(フェザー級王座戦・ヴォルカノフスキーvs.トプリア)もちゃんとある大会というなかで、今後上がっていく上では同じような環境で試合をしていくことが多いと思うので、それをこの2戦目で入れてくれた、UFCやマネジメントには感謝したいと思っています。すごい楽しみです」

──メインカードでは、同じバンタム級でメラブ・ドバリシビリvs.ヘンリー・セフードの一戦も行われます。意識する部分もありますか。

「意識……そうですね、ホテルで見かけたりはしたいな、さすがに。どんな雰囲気なのかとか、会えるのを楽しみにしています。生で見られるのを。試合としては、人と比べて“俺のほうが”と思うことは自分のパフォーマンスを良くするわけではないので、逆に働くことはありますけど。なのでその辺はあまり意識しないように。結果的にあの試合よりインパクトあればいいなと思います」

──大会そのもの注目度が高い中でどういう試合をしたいと考えていますか。

「PPVで、今までより観る人数も格段に増えると思うので、そこで、ベストなパフォーマンスを見せるというのはあります。見せた結果、セフード、メラブに“中村は絡んでくるよな”と思わせるような結果になることを望んでやってきます」

──この先を期待してもらえる試合ができそうですか。

「なるといいですね、いや、なります!!」

──2023年8月のシンガポール大会での前戦ファーニー・ガルシア戦は判定勝ち。試合後は反省の弁も述べていました。何か課題があれば、どのように改善をしてきましたか。

「前回は相手のスタンドゲームにあまり付き合わず、テイクダウンしてサブミッション、というのをイメージしていたのですけど、その間にある、上で削るという作業があまり出来ていなくて。結果サブミッションをエスケープされ、サバイブされる体力を相手に残してしまった。そういうことがあったので今回は分かりやすく言えばパウンドで、上からダメージを与えることをしっかりやりたいというのが、自分の中でテーマになっています。これはこの試合に限らずキャリアとして、まずこれが出来なきゃ幅は広がらないし、それを今回は意識して取り組んできました」

──ガルシア戦は試合としては完勝でした。「削れなかった」ということですが、あの時に上四方から攻めることが多くて、パウンドで削るよりもあえて極めにこだわっていたようにも感じました。

「上四方って、自分はすごいいいポジション=相手は下から足が利かないし、僕の腹や股間の下で視界もないし、相手にとってはストレスが多いと思うんですよね。そしてエスケープするには1回下を向かなくてはいけない。そこで首を取れるかとか、そのなかでいろんな展開を考えていたのですけど、上四方を取っているときに向こうのセコンドの指示で、結構反応されちゃっているというか。僕が仕掛けようとしていることをセコンドの指示でガルシアに伝えて、ガルシアが『あれやこれを全部注意しとけ』と言われていて。

“これ以上先に行くにはダメージがないと、フィニッシュするなんていうことは簡単じゃないな”と感じたので、今後の相手も上四方で押さえて勝てるような相手だったら別にいんですけど、上に行くためにはそういうわけにはいかないので、自分のゲームに幅を持たせるためにも、上からしっかり削るということをやりたい。ただ、それは練習でなかなかパウンドを打てるわけじゃない、試せることではないので、色々シミュレーションをしてきました」

──中村選手は試合中にしっかり相手コーナーの英語も聞き分けているのですね……。今後は潜らせなければあえてハーフの中に留まって上から削ることもポジションとしては考えられそうですか。

「もちろんガードを、前戦のカルロス選手はガードの展開が多かったのでそこももちろん考えてきましたし、ハーフになったら下から潜ってくるだろうし色々想定はしています」

──ところで、試合中に足を折っていたそうですが、よくおくびにも出さずに戦えましたね。

「“変なところを蹴ったな”と思ったんですけど、そんなに、剥離みたいな感じだったので。試合を終えて“人間、すごいな”とは思いました」

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